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常温の熱
キョウカが帰宅すると、ウルミはベッドに腰かけて項垂れていた。
それでもキョウカの只今戻りました、に対してはきちんと返事をする。
キョウカがウルミに近寄ってみる。ウルミは予備動作を見せずにキョウカの頭を掴むように巻き込み2人してベッドに倒れ込んだ。
キョウカは少し身体を起こしてウルミの顔を覗き込む。ウルミは頭にのばしていた手を耳のあたりにズラし、顔を覗き込めない距離に寄せる。
唇があたらない程度の距離感でお互い動かない。
どちらもお互いが動くのを待っている。
キョウカはウルミの様子を見て、今日はそういう日なのかなと判断した。
ウルミはキョウカを試すときがある。男として見て欲しいとき、どこまで恋愛感情を持たずにいてくれるかみたいとき、同居人として正しい距離がなんなのか、本人にも分からないまま触れる。
動かない、選ばないことが無難であろうとキョウカは動かない。
ウルミの片手がキョウカから離されないまま、首、背中を通って腰骨の付近にのばされ、骨盤を掴む。
キョウカは逃げることも抵抗することもしなければ、受け入れることもしない。
腰を引き寄せられてウルミの体温に触れさせされる。




