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悪党には死を 理不尽な暴力が嫌いな男  作者: 慈架太子


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第六章 ダンジョン


 新しい魔法を習得した俺は、本格的にレベルを上げる必要があると考えた。


 ランクDの冒険者として十一年やってきたが、魔法を習得した今、もっと強くなれる。もっと多くの人を守るために。


 俺は冒険者ギルドに向かった。


「リリア、この街の近くにダンジョンはあるか?」


 受付嬢のリリアが顔を上げる。


「ダンジョンですか?ありますよ。街から北へ一日の場所に『古の遺跡ダンジョン』があります。難易度は中級で、Cランク以上の冒険者向けですが……」


「詳しく教えてくれ」


「古の遺跡ダンジョンは十層構造になっています。上層部は比較的安全ですが、下層に行くほど強力な魔物が出現します。最深部にはボスモンスターがいるとか」


「分かった。そこに行く」


「レオンさん、一人で行くんですか?Dランクには少し危険かもしれません」


「大丈夫だ。俺は以前より強くなっている」


 リリアは心配そうな表情を浮かべたが、最終的には頷いてくれた。


 翌日、俺はダンジョンへ向かった。


 アイテムボックスに食料、水、回復薬を大量に収納している。これなら何日でも潜っていられる。


 北へ一日歩くと、森の中に巨大な石造りの遺跡が見えてきた。古の遺跡ダンジョンだ。


 入口には他の冒険者たちもいる。パーティーを組んで挑戦しているようだ。


 俺は一人で入口をくぐった。


 ダンジョン内部は薄暗く、松明の明かりが必要だ。だが、俺は火魔法で明かりを作り出すことができる。


 第一層。


 ゴブリンやスライムなどの弱い魔物が出現する。俺は剣と魔法を駆使して次々と倒していく。


 ゴブリンには火球。スライムには風の刃。どちらも一撃だ。


 素材が必要な魔物にはウォーターマスクを使う。完全に無傷で倒せる。


 第二層、第三層と進む。


 魔物は徐々に強くなっていくが、俺にとっては問題ない。オークやコボルトも、炎の嵐と剣の組み合わせで倒せる。


 第五層に到達した頃、俺はステータスを確認した。


【ステータス】

名前:レオン

年齢:26歳

レベル:22(+4)

職業:冒険者

ランク:D


HP:720/720

MP:620/620


【能力値】

体力:72(+4)

筋力:76(+4)

魔力:62(+4)

敏捷:79(+4)

知力:65(+4)


 レベルが上がっている。全ての能力値も上昇した。


 俺はさらに奥へ進んだ。


 第七層。ここからは本格的に危険な階層だ。


 ミノタウロス、ヘルハウンド、ダークエルフなどの強力な魔物が出現する。


 だが、俺は恐れなかった。


 ここで俺は気づいた。剣で斬ると素材が傷む。せっかくウォーターマスクを開発したのだから、他の属性でも同じことができるはずだ。


 俺は剣を鞘に収めた。当分は封印だ。


 まずは土魔法。土の粒子で呼吸を塞ぐ。


「ソイルマスク!」


 ミノタウロスの鼻と口に土が密着する。魔物は暴れるが、やがて窒息して倒れた。完全に無傷だ。


 次は火魔法。高温の空気で肺を焼く。


「ファイヤーマスク!」


 ヘルハウンドの顔面を高温の炎が覆う。外からは傷つけず、内側から呼吸器を破壊する。これも素材を傷つけない。


 水、土、火……三つのマスク系魔法。これで様々な魔物に対応できる。


 ダークエルフには念動力で動きを封じ、ウォーターマスクで仕留める。


 レベルが上がるたびに、俺の体は劇的に変化した。


 レベル19になった時、HPが40、MPが50も増えた。


 レベル20では更に大きく成長し、HPが60、MPが80増加した。


 レベル21、22、23……上がるたびに能力が飛躍的に向上していく。


 そして魔法の練度も上がっていく。火球はより大きく、より速く。炎の嵐はより広範囲に。念動力はより重いものを動かせるようになった。


 一週間ダンジョンに潜り続けた。


 第十層、最深部に到達した。


 そこには巨大な石の扉がある。ボスの間だ。


 俺は深呼吸をし、扉を押し開けた。


 広い部屋の奥に、巨大な石像が立っている。ストーンゴーレム。このダンジョンのボスモンスターだ。


 石像が動き出し、俺を見下ろす。


「来たか……」


 俺は剣には手をかけなかった。魔法だけで倒す。


 ゴーレムが拳を振り下ろす。俺は横に跳び、避ける。


 石の体……物理攻撃は効きにくいだろう。魔法で攻める。


「ウィンドカッター!」


 風の刃がゴーレムの腕を切り裂く。少し削れた。


「もっと強力な魔法が必要だ」


 俺は両手に魔力を集中させる。火と風を組み合わせる。


「炎の竜巻!」


 炎を纏った竜巻がゴーレムを包み込む。石が熱で脆くなる。


 そこに、土魔法で作り出した石の槍を連続で叩き込む。


 ゴーレムの体に亀裂が入り、崩れ始めた。


 最後の一撃。俺は魔力を最大限に込め、炎の嵐を放つ。


「終わりだ!」


 巨大な炎がゴーレムを包み込み、ついに崩壊した。大量の石くずと共に巨大な魔石が転がり落ちた。


 ボス討伐完了。


 俺はステータスを確認した。


【ステータス】

名前:レオン

年齢:26歳

レベル:25

職業:冒険者

ランク:D


HP:1250/1250

MP:1300/1300


【能力値】

体力:75

筋力:80

魔力:85

敏捷:82

知力:78


【スキル】

・剣術(中級)※封印中

・体術(中級)

・火球魔法(中級)

・炎の嵐(中級)

・水魔法(中級)

・風魔法(中級)

・土魔法(中級)

・念動力(中級)

・治癒魔法(初級)

・アイテムボックス(中級)

・ステータスオープン(中級)

・テレパシー(初級)

・透視(初級)

・空中浮揚(初級)

・ウォーターマスク(中級)

・ソイルマスク(初級)

・ファイヤーマスク(初級)


 レベル25。HP・MPが大幅に増加している。魔力も85まで上がった。


 そして、魔法の練度も全体的に向上している。


 俺はボスの魔石をアイテムボックスに収納し、ダンジョンを後にした。


 アイテムボックスには、一週間で狩った大量の魔物の素材が入っている。全て無傷だ。



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