第四部 真なる強者 第四十二章 新たなる挑戦
魔王討伐から一ヶ月が過ぎた。
俺は東大陸で最も有名な冒険者になっていた。
街を歩けば、人々が俺を称賛する。
「あれが英雄レオンだ!」
「魔王を倒した伝説の冒険者!」
だが、俺は有名になることに興味はない。
俺が求めているのは、さらなる強敵との戦いだ。
俺はカナミのギルドにいた。
ユキが依頼書を見せてくれる。
「レオン様、新しい依頼が来ています」
「どんな依頼だ?」
「SSSランクを超える、特別ランクの依頼です」
「特別ランク?」
「はい。『神獣討伐』です」
ユキが依頼書を俺に渡す。
【依頼:神獣討伐】
ランク:特別(EX)
場所:南の聖域
内容:古代より聖域を守護する神獣が暴走した。神獣を鎮めるか、討伐せよ。
報酬:金貨500万枚
備考:神獣は推定レベル300以上。前代未聞の強敵。
俺は依頼書を読む。
レベル300以上。
俺の現在のレベルは220。
だが、これは面白い。
「この依頼を受ける」
「本当ですか!?これまで誰も受けなかった依頼ですよ!?」
「だから受ける」
ユキが心配そうな表情をする。
「レオン様……本当に気をつけてください」
「ああ。必ず戻る」
俺はギルドを出た。
そして、南の聖域に向けて飛び立った。
数日後、俺は聖域に到達した。
一面の森。
だが、普通の森ではない。
木々は巨大で、高さ百メートル以上。
空気が澄んでいて、魔力が濃い。
そして、圧倒的な神聖な気配が漂っている。
俺は森の中を進む。
魔物は現れない。
神獣の気配が強すぎて、他の生物が近づけないのだろう。
やがて、俺は巨大な空間に到達した。
そこには、一体の巨大な生物がいた。
神獣だ。
白い毛並み、巨大な体。
姿は獅子に似ているが、背中には翼がある。
全長は二百メートル以上。
そして、周囲には圧倒的な神聖な魔力が渦巻いている。
これまで戦ってきた全ての敵を遥かに超える存在だ。
神獣が目を開ける。
金色の目が俺を見る。
「……人間か……」
神獣が口を開く。
荘厳で、威厳のある声。
「我は神獣レガリア……五千年この地を守護してきた者だ……」
「俺はレオン。お前を鎮めに来た」
「鎮める?……フフフ……我は暴走などしていない……」
「暴走していない?」
「そうだ……人間どもが勝手にそう判断しただけだ……我は試練を与えているのだ……」
「試練?」
「ああ……この聖域に入る資格がある者を見極める試練だ……」
神獣が俺を見る。
「お前は強い……だが、我を超えられるか?……」
「やってみる」
「ならば、来い……我が力を試してみよ……」
神獣が立ち上がる。
巨体が動く。
森全体が揺れる。
そして、神獣が咆哮する。
「グオオオオオオオッ!」
その声だけで、衝撃波が広がる。
木々が倒れる。
俺は魔力で身を守る。
神獣が翼を広げる。
翼の幅は三百メートル以上。
そして、飛び上がる。
「神聖なる光よ……」
神獣の周囲に無数の光の球体が出現する。
「ホーリー・レイン!」
無数の光の雨が俺に降り注ぐ。
俺は瞬間移動で回避する。
だが、光の雨は俺を追いかけてくる。
誘導性がある。
「アイスウォール・超多重展開!」
千重の氷の壁が俺を守る。
光の雨が壁に当たり、爆発する。
壁が次々と砕ける。
だが、防ぎきった。
俺は反撃する。
「複合魔法奥義――エレメンタル・アナイアレーション!」
全属性を融合させた究極の攻撃魔法。
巨大な魔法陣が神獣を包み込む。
魔法陣が発動する。
神獣の全身が光に包まれる。
だが、神獣は平然としている。
「その程度か……」
神獣が無傷だ。
「やはり、桁が違うか」
俺はさらに強力な魔法を発動する。
「複合魔法究極奥義――セイント・アナイアレーション!」
光と闇を融合させた究極の魔法。
巨大な光と闇の球体が生成される。
俺は球体を神獣に放つ。
球体が神獣に直撃する。
神獣の周囲が光と闇に包まれる。
そして、爆発が起きる。
巨大な爆発。
森が吹き飛ばされる。
やがて、爆発が収まる。
神獣が現れる。
傷ついている。
だが、まだ余裕がある。
「やるな……だが、まだだ……」
神獣が本気を出す。
全身から金色のオーラが溢れ出す。
真なる神獣形態だ。
「これが我が真の力だ……」
神獣の魔力が倍増する。
俺も本気を出す。
「なら、俺も全力で行く」
俺は全ての装備の力を最大限に引き出す。
そして、全魔力を解放する。
俺の魔力が爆発的に増大する。
神獣と俺の魔力がぶつかり合う。
空間が歪む。
最終決戦が始まる。
俺は新たな魔法を発動する。
「禁呪最終奥義――ディバイン・カタストロフ!」
神の災厄。全てを消滅させる究極の禁呪。
これまで使ったことのない、最強の魔法。
巨大な光の柱が天から降り注ぐ。
光の柱が神獣を包み込む。
神獣が驚愕する。
「この魔法は……!?まさか、禁呪の中の禁呪!?」
光の柱が炸裂する。
聖域全体が光に包まれる。
そして、全てが静寂に包まれる。
やがて、光が消える。
神獣が倒れている。
だが、生きている。
「……見事だ……レオン……」
神獣が口を開く。
「お前は……我を超えた……」
「まだ生きているな」
「ああ……だが、もう戦えぬ……お前の勝ちだ……」
神獣が笑う。
「お前は試練に合格した……我が祝福を授けよう……」
神獣が俺に向かって息を吹きかける。
金色の光が俺を包む。
その瞬間、体が変化する。
レベルが上がる。
大幅に上がる。
220から250に上昇した。
そして、新たな力が目覚める。
【スキル習得】
・神聖魔法(極級)
・神獣の加護(特殊)
「これは……」
「我が力の一部だ……受け取れ……そして、さらなる高みを目指せ……」
神獣が再び目を閉じる。
「我は眠る……また会おう、レオン……」
神獣が深い眠りにつく。
俺は神獣の魔石は回収しない。
これは討伐ではなく、試練だったからだ。
俺はテレポートでカナミのギルドに戻った。
ユキが驚いた表情で俺を見る。
「レオン様!無事だったんですね!」
「ああ。神獣を鎮めた」
「本当ですか!?」
俺は神獣の羽根を見せる。
神獣が俺にくれた証だ。
金色に輝く美しい羽根。
ユキが感動する。
「これは……神獣の羽根……伝説の品です……」
「報酬を受け取りたい」
「はい!報酬は金貨五百万枚です!」
俺は報酬を受け取った。
所持金は六百三十五万枚を超えた。
俺はステータスを確認する。
【ステータス】
名前:レオン
年齢:26歳
レベル:250
職業:冒険者
ランク:SSS
称号:深淵の覇者、龍殺し、魔王殺し、海神殺し、天空殺し、魔神殺し、古代竜殺し、魔王討伐者、英雄、神獣を超えし者
HP:11000/11000
MP:14000/14000
【能力値】
体力:610
筋力:615
魔力:800
敏捷:617
知力:613
レベルが250に到達した。
魔力が800を超えた。
新たな称号「神獣を超えし者」を獲得した。
そして、新たなスキルも習得した。
俺はさらに強くなった。
だが、これで満足はしない。
この世界には、まだ見ぬ強敵がいる。
俺の冒険は、まだまだ続く。
【第四部 完】
――悪党には死を。理不尽な暴力が嫌いな男の物語――
【完】




