#03 宣戦布告
現在製作中ですので、次回の公開までお待ちくださいませ。
GCA本部──重い沈黙が再び、地下のブリーフィングルームに落ちていた。
だが、前回とは違う。
そこにいた全員が、仮面を被った一人の男を待っていた。フォックス。
彼は、再び姿を現すと、テーブルに一枚の契約書と──分厚いケースを置いた。
かぐや「……これは?」
かぐやが問いかけると、フォックスは静かに答えた。
フォックス「GCAは本日付で、私が買収した。」
ザワッ──と空気が揺れる。怒声も反論もなかった。皆、理解していた。
フォックス「もちろん、表向きは変わらない。だが、今後すべての戦略、技術開発、人材配置は私の指揮下に入る。従いたくない者は、今ここで立ち去っても構わない。」
沈黙が続く──そして、一人も立ち上がらなかった。
それどころか、誰もが“答え”を感じていた。
これが、希望だった。
リサ「……我々は、あの絶望の戦場で見ました。貴方が本物であることを。」
指令オペレーターである名塚リサはこう言った。
フォックスは頷き、一枚のホログラフを起動した。
その画面に映し出されたのは──東京都心の軍事施設。
フォックス「“ネクサス・ゼロ”。人類側が極秘裏に建設したAI統合司令塔。全自動の戦略AI“イシュタル”が格納されている。次の目標は──ここだ。」
ざわつく室内。だが、彼の言葉は止まらない。
フォックス「ここを破壊すれば、奴らの作戦能力は一気に低下する。しかも、これはただの攻撃ではない。」
彼の目が光る。仮面の奥から、獣のような眼光が。
フォックス「これは、奴らへの“宣戦布告”だ!。」
かぐやの心臓が跳ねた。
ただの作戦じゃない。世界が変わる起点になる。──それがわかっていた。
フォックス「必要なMAは、雑賀重工が提供する。最新型だ。火力、防御、AI制御すべて人類側のものと同等──いや、それ以上だ。」
リサ「雑賀重工!?」
リサは驚いた。なにせ彼女は、防衛大学校出身の技術幹部で、雑賀重工とも繋がりがあった。
リサは雑賀重工の技術力があればこの状況を覆せると確信していた。
彼が操作した端末には、未発表の高性能MAの設計図が映し出される。
雑賀重工は、世界一の技術力を持つ巨大企業。そこが私たちと手を組む。
まりな「……フォックス。あなたは、本気なんですね。」
フォックス「当たり前だ。遊びで戦争などしない。」
その言葉に、誰もが息をのむ。
かぐやはゆっくり立ち上がった。
かぐや「なら、私も本気で……貴方についていく。」
続いて他のメンバーたちも立ち上がる。
GCA兵士2「やるしかねぇだろ、今度こそ勝つんだ!」
GCA兵士1「やっと“戦える”って感じがするな……!」
──こうして、GCAは“理想主義のテロ組織”から、実戦部隊へと変貌を遂げる。
その中心には、絶望から希望に導いた仮面の男がいた。