第3話『お屋敷生活』
目が覚めるとそこには知らない天井が広がっていた。顔だけ動かしてみると、まるで西洋のお屋敷みたいな部屋だった。まあ、西洋なら強ち間違ってないのだが。
「お目覚めになりましたか?マコト様」
「あ、路地裏の時の」
「はい。改めまして私の名前はレノと申します。どうぞよろしくお願いいたします」
「よろしく、お願いします。すみませんがここはどこなのですか?」
「ここはセリア様のご自宅で、ルーブル伯爵家のお屋敷になります。マコト様はセリア様に救っていただいてから丸一日眠っておりました」
「あの魔物はどうなったのですか?」
「セリア様が魔法で一掃しておられました。流石でございます」
「えぇ......やっぱり俺いらなかったんじゃ」
「いえ、そんなことはありません。セリア様も助かったと感謝しておられました」
「そうか、ならよかった......のか?」
「はい。旦那様がお呼びですのでついてきてください」
俺はレノについていくと途中でセリアに出会った。
「あ!やっと起きたのね。もう大丈夫なの?」
「ああ、大丈夫だ。ありがとう」
「なら、よかったわ。どこに行ってるの?」
「旦那様の所に向かっております」
「そうなのね。じゃあまた後で会いましょう」
「ああ」
少し歩き、俺は部屋に案内された。中に入るとそこにはとてもダンディーなおじ様がいた。
「君がマコト君だね。セリアを助けてくれたようで本当にありがとう」
「とんでもないです、こちらこそ助けていただきありがとうございます」
「私はこのルーブル家の当主のルミエール・ルーブルだ。つまり、セリアの祖父だ。よろしく頼むよマコト君」
「はい!よろしくお願いします」
「では早速本題に入ろうか。君はこれからどうするつもりだい?」
「それは……」
俺は考えた。帰る手段もないから、この世界で生きていくしかないのだが。この世界を冒険しながら生活できるのか?それだと危険が伴うし、稼げる保証もない。まず第一にすむ場所がない。いずれ金は尽きるし、住む場所もなくなるだろう。
「君は孫の恩人だ、何でも言ってくれたまえ。私が最大限叶えてあげよう」
「なら、仕事を下さい」
「仕事?」
「はい。今後生活していくにはやっぱりお金がいると思うので」
「そうか......ではとりあえず内で働くといい」
「え?」
「私が使用人として雇ってやろう。レノ連れていきない」
「え?いや、ちょっとまって」
「仕事をするときはこの服を来て下さい」
「あ、はい」
「ではお屋敷を案内していきます」
「ここがキッチンです」
「ここが図書室です」
「ここが旦那様の書斎です」
「ここはお風呂です」
「最後にここは庭になります。仕事するにあたって部屋の位置とかは全て覚えてください」
「え?もう決まりなの?ここで働くの?」
「何を言ってるんですか?次行きますよ」
「はい.....」
こうして俺のお屋敷での生活が始まった。




