第2話『惚れた相手』
朝になってセリアは用事があるから宿から出ていった。俺はセリアからお金をもらい何でもいいから武器を買ってこいといわれた。
「何でもいいっていわれてもなぁ。ん?」
そう思ってふと右を見る武器やがあった。俺は興味本意で入っていった。
「いらっしゃい」
「あのー、何か安い武器はありますか?」
「そこの樽に入ってる武器なら安いよ」
そう言われても目利きとかできないからな。そう思いながら俺は1つの武器に目が言った。
「刀じゃん、これ」
「おっちゃんこれをもらう」
「毎度あり」
俺は刀身が黒い刀を買うことにした。この日はそのまま宿に戻り休むことにした。
翌朝、街道で魔物の群れが出たと噂になっていた。その街道とはセリアが向かった方向と同じだった。
「まあ、俺が行っても意味ないか」
そう思いながら俺は歩いていたが、もやもやした気持ちが誠を襲う。
「一度惚れた女が死ぬのを黙って見ているのか?いや、そもそもあいつは強いからな死なない?違うそういう問題じゃないんだ」
俺は魔物のが現れた街道に走って向かった。
「出たか!?」
そこには犬型の魔物がまるで俺を待っていたかのように道を塞いでいた。
「ガルルルル」
「おらああああああ」
俺は剣を鞘から抜いて魔物に向かって突撃した。初めて剣を握ったからなのかおかしな体勢になってしまった。
「な!?」
剣を大きく振りかぶって攻撃したが、魔物には当たらなかった。その隙に今度は魔物が攻撃をしてきた。俺は間一髪それをかわすことができた。
「あぶな」
俺は倒れながらも何とか体勢を整えた。
「くそ、こんなはずじゃ」
俺は最後の一撃だと思い、魔物に向かって剣を振り下ろした。
「おりゃああああ」
その攻撃で魔物は真っ二つになった。倒した瞬間に時の流れは元に戻った。
「こんな魔物一体でこんなんになるなんて、苦労するぜこれから」
ボロボロになった俺だったが、その足でまた街道を進んでいった。
少し歩くとセリア達と魔物が戦っている現場に到着した。ふとセリアの方を見てみると後ろから魔物に襲われそうになっていた。セリアはまだ前の魔物と戦っていて気づいていない。
「まずい」
俺はそう思い。剣に手をかけて、自分が出せる最大の力を使って地面を蹴った。そして、その時周りがとても遅れているように見えた。
「間に合ええええ」
セリアは正面の魔物を倒し、俺の声に気づいたタイミングと同時に後ろの魔物の存在にも気が付いた。そのまま、俺はセリアを押し飛ばし、剣を鞘から抜いた勢いで魔物を切りつけた。魔物は悲鳴をあげながら絶命した。
「はぁ、はぁ」
俺は何とかセリアに守ることができたが、疲労感と安心感からかそのまま横に倒れこんでしまった。そのまま視界が暗転していった。




