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瑞月堂へようこそ!(瑞月の読書遍歴)  作者: 瑞月風花


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夏のホラー2025『水』特集その④

Σ(゜∀゜ノ)ノキャー


Д『こうかんこ』

https://ncode.syosetu.com/n8165ky/

作:夢野かなめ さま

【怖い度3】


怖いんです。まったく残酷なことなんて書いてないんですけど。

主人公の啓太は、自分のペースで夏休みの宿題をするタイプの子。ただ、お母さんの思っているペースじゃないから「宿題は終わらせたの?」と言われるのが嫌で、自由研究よろしく裏山で遊んでいました。するといつもは見ない沼のような池を見つけるのです。

そこで、『こうかんこ』という声を聞きます。

その声の通り啓太の持ち物を交換すると、綺麗な石をくれる……その繰り返し。

ホラーを読みなれた方なら結末は想像できますよね。

だけど、……怖いんですよ。小さな沈黙も含めて。



Д『魔女の水牢』

https://ncode.syosetu.com/n2029kx/

作:琥珀さま

【怖い度3】


こちら、前年度の夏のホラーで見かけて読ませてもらったシリーズでした。

はい。魔女に惹かれましたね(笑)

若き武官のヴァランタンと静かな聖職者エスキベルとのバディものです。

今回の事件は、『モンド』という社交場で起きた謎の水死事件からはじまりました。

そこに居合わせたのがヴァランタン。若い男性が倒れていると聞き、傍に駆け寄ると、口から泡を吹いて、すでに絶命していました。

ヴァランタンの見立てでは溺死の症状。ですが、その男性は一つも濡れていません。

その後、大神殿に訪れたヴァランタンは、知り合いのエキスベルからその奇妙な溺死が他にもあるということを聞き、モンドの調査をふたりで始めることになりました。

そして、モンドの下にある地下水路を辿っていくと、そこには過去の行き過ぎた遺物である『魔女の水牢』を見つけることに……。

舞台は異世界です。だけど、中世ヨーロッパにあったかもしれない『魔女』や『呪術』そして、そこに立ち向かう『教会』という形が、物語の背景にしっかりと根付いていて、世界観がぶれません。

ほんとうに恐れられた『魔女』の存在と無実の罪を着せられた『魔女』の描き方がとてもいいなと思っています。


Д『金魚の標本』

https://ncode.syosetu.com/n4632ky/

作: 徒華さま

【怖い度5】


感覚的には怖い度6。残虐な表現はあるんですよね……私的にはスプラッタ。苦手な人は苦手かも。だけど、綺麗なホラーの表現として扱われるかもしれないスプラッタでもあるかも。

文章の雰囲気からもとても気色悪いのです。

主人公は『蝶』が好きでした。だけど、生きているものはいずれ死に『美しい』ではなくなってしまいます。そこで、主人公は標本という形で美しさを残しておこうとするのです。

このテーマはよくとられるサイコホラーの形だと思います。だけど、タイトルをみてみてください。

『金魚』の標本なのです。

最後までうすら気持ち悪い気持ちにさせてくれるホラーだと思いました。


Д『秘匿葬送記録』

https://ncode.syosetu.com/n9822kt/

作:月影 朔さま

【怖い度6】


とっても長いお話。作者さまには申し訳ないのですが、お読みになる際は、『平成17年3月17日の記録』と『平成17年の7月15日』『平成17年7月20日』の記録をまず読んでください。私も途中で投げ出してしまい、読み終わった後に、もう一度復習している感じです。

そして、物語性の高い第1話へ行っていただけると手軽に楽しめるかと思います。

なぜかと言うと、……作者さまの意図は分かるんですが、読者としては前半は確実に『資料』なのです。

それなのに、なぜご紹介かというと。

それは、もう面白いからに尽きます。

とにかく文章が上手い。そして、怪異の書き方が群を抜いているんじゃないかなぁ?と勝手に思っているのです。

水というものと怨念を結び付けた怪異は、日本の因習にも近いような雰囲気を保ち、その怪異に触れたものを侵食していきます。そして、江戸時代から続いている怪異を封印するために行われる記録と観測。

そして、令和の時代にはその伝播の形を変えて、私たちに襲い掛かろうとしているのです。

このお話は、そんな怪異に翻弄され、呑み込まれてしまった人々の記録です。



その⑤へ続く

夏のホラー2025はその⑤で終了します。

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― 新着の感想 ―
うわあ、連載作品が2つ……。 これはさすがに読む時間が取れないな。(笑) でも、連載作品って作り込まれているからどこかで時間とって読んでみたいです。おもしろいと言われればなおさら。 『金魚の標本』は…
夏のホラー、ご紹介おつかれさまです。 【怖い度6】出ましたね…物語性や文章、書き方のことをはじめ、ご紹介文の内容に引きこまれました。記録と観測。客観的であることが、実は怖さをよりかき立てるのかも知れな…
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