夏のホラー2025特集『水』その①
今日の瑞月さん、番台にうつぶせになって溶けていました。
「……あつい」
もちろん、クーラーは入れています。だけど、お店の中の本を整理しながら歩くだけで、汗が噴き出てくるのです。
文字どおり、溶けていますね。
だって、毎日40度近い気温なのですもの。
人間なら寝込むお熱です……。
天気予報のお兄さんが言いました。
「近畿地方の海上でフェーン現象が起きています」
そうなんだ……。なんだかよく分からないけど、フェーン現象ってそんなに局所的に起きるものなんだ……。
そして、2025年、今年のホラーは奇しくも『水』
涼しいはずの水なのに、水道からは毎日お湯が出てきます。
いずれ熱湯が出てくるのではないか、そんな風に思うとホラーだ……としか思えません。
さて、瑞月さんが溶けてお湯になってしまう前に、読んだものの紹介をしたいと思います。
Σ(゜∀゜ノ)ノキャー
Д「おくりがさ」
https://ncode.syosetu.com/n1814ks/
作: 根ヶ地部 皆人 さま
【怖い度:3】
突然降ってくる雨、困りますよね。
笑美ちゃんも、そんな雨に困ってガレージで雨宿りをしていました。
梅雨は開けたのにと天気予報のお姉さんが言っていたのに、雨はやみません。
そんな笑美ちゃんを助けるようにして、ビニール傘が転がってきます。まるで差してもいいよと言っているように。雨に困っていた笑美ちゃんは、少しだけ悩んでその傘を差して帰ることにしました。
だけど、その傘……。
解釈によれば怖い度は2でも大丈夫そうですが、笑美ちゃんが怖い思いをしてしまっていたので、表示は3としました。
Д「遥かなるサイレン」
https://ncode.syosetu.com/n8686ks/
作: 冬野 暉 さま
【怖い度2~3】
なんだかとても不思議なお話でした。
みなさま? 赤ちゃんの『命』ってどこからくるかご存じですか?
たぶん、このお話は親を選んでやってきた赤ちゃんのお話。
鮎佳の父親は海が嫌いでした。どうしてだかは分かりません。だけど、鮎佳が海の絵本を買って欲しいというだけでも、拒絶するほどの嫌悪感があったのです。
理由は、何かに見つかってしまうから。
父親は、海の魔性に怯えていたのです。
こちらも怖い度が難しいのです。父親からすれば確実に【怖い度】は3でしょう。
だけど、鮎佳にしてみれば、2なのかなぁ……。
Д「黒いウシさんにおみずをあげた」
https://ncode.syosetu.com/n6215ks/
作:月白ヤトヒコ さま
【怖い度3】
こちらのお話は沖縄の戦争に関するお話。
小さい頃にサトウキビ畑で黒いウシさんを見たという男性の語りでございます。
この『黒いウシ』
察しの良い方はもうおわかりですよね。
描写としては3ですが、ほんとうはもっと恐ろしい出来事ですよね。
Д「あの日のはなし」
https://ncode.syosetu.com/n6432kr/
作: さとう さま
【怖い度3】
子どもの頃って特に『○○してはいけない』をしてしまいがち。
大人が楽しいことを隠しているのかも?とか、みんな知らないことを知ってみたいと思っていたりとか。
好奇心が恐怖心を上回ることが多々ありますよね。そして、後悔して勉強していく。
だけど、相手が怪異だったら。
ここの主人公の蒼汰も、そんな好奇心いっぱいな6年生の少年でした。
雨の日に鳥居を見つけても絶対に行ってはいけないという祖父の言葉を無視して、とんでもないものに魅入られてしまったのです。蒼汰は後悔と恐怖の中、村の大人たちに守ってもらいますが……。
少年の夏。大人になるために犯してしまった後悔は、とても大きなものでした。
都市伝説のような怖さがありました。
Д「小野小町のお小水」
https://ncode.syosetu.com/n8248ka/
作: 烏屋マイニさま
【怖い度1】
はい。確かにホラーです。私も無理です。急に喋りだしたそれが話す内容ではなく。
お小水だから、ではなくて。
どうします? もし、水道水が喋りだしてしまったら……。
このホラーはそんな水道水と向き合う方のお話です。ホラーですよね……命の水に命が宿ったみたいになっちゃったら。
Д「水透虫 -すいとうちゅうー」
https://ncode.syosetu.com/n6427kt/
作: ふむむん
【怖い度3】
ある雑誌記者が下水道職員のセンセーショナルな事件を取材するところから話が始まります。
取材相手は原生生物を専門としている大学教授です。
大学教授は、その下水道職員の死因についてを語る前に、原生生物の話から始めました。そして、その原生生物に似た無色透明の何かが下水道職員の死に関係しているというのです。
その何か「水透虫」と名付けられており、人の体の中にあるヒアルロン酸を食べてしまうと言うもの。
さて、その下水道職員はどのような死に方をしたのでしょう。
記者とともにその顛末を覗いてみませんか?
その➁へ続く





