『戦争を考える』
8月15日は終戦の日。
毎年黙禱のサイレンが甲子園に鳴り響き、テレビでも戦争関連の番組が増えますね。
見たくない方も多いと思います。とても残酷で、ホラー番組なんかよりもずっとえげつないことが当たり前に起きて。人間の恐ろしさと自由のない世界。皆が同じ方向しか見てはいけない、そんな世界です。
私たちの歴史の中には、人命が紙きれのように軽かったそんな事実が起きています。
私たちは意外と簡単にそんな世界を歩むことがあるのです。きっと、私はそんな世界に入ってしまったら止めることはできないと思っています。肩を寄せ合い、ただ隠れるしかできないと思います。
だから、忘れてはいけないと思います。知っておかなければならないと思います。
戦争はとても残酷であるということを。
――――
●『カーネーション革命』
https://ncode.syosetu.com/n7975hp/
作: 家紋 武範さま
ただただ、知って欲しいと思いました。
銃口に花。
私たちの銃は人の命を奪うためになく、自分の命を守るため。
そんな風に考えることが出来たなら、このカーネーション革命が今だって出来るのかもしれません。
今だから、知って欲しいと思うのです。
みんなでカーネーションを持って、平和を祈ることだって出来るんじゃないだろうか。
そんな風に思うのです。
奇しくも、今は巷にはカーネーションが溢れています。
武器の代わりに色とりどりのカーネーションを差し出す勇気があれば。
奪われなくてもいい命が、尊厳が救われるのではないでしょうか。
このお話はそんなことを考えるきっかけをくれる、素敵な『実話』なのです。
●『幸せの種』
https://ncode.syosetu.com/n7548jg/
作:こまの柚里さま
赤ちゃんの手の中にある未来を決めるのは私たち大人。その時代をつかみ取るのが子どもたち。
この歌は、自身の子を思う母の愛の歌です。
赤ちゃんの手の中に握らせたいものは何ですか?
明るい未来? 終末世界?
高校野球でも毎年終戦の日に黙とうがなされますよね。
かつて、私たちもそんな年端も行かない純粋な子どもたちに人殺しをさせた歴史があるのです。そんな日を終結させた日があったのです。
私自身、まさか自分が、知っている子どもたちが銃を担いで人を殺すなんて思いながら生きていません。
外国のこと、対岸の火事、という他人事感が否めませんが、思いを馳せることはできます。
未来を担うその子どもたちのその手に、二度と銃を握らせないように……。
どうか、腕の中で眠る子に、人殺しの道具を握らせる未来なんてきませんように。
そんな思いが短い文章の中から、深く伝わってくる歌です。
●『キクちゃんが教えてくれたこと』
https://ncode.syosetu.com/n2656jj/
作:木山花名美さま
ここに出てくる主人公・和香の祖母和子には、きくちゃんというお友達がいました。
彼女は、いわゆる予知夢を見る女の子でした。
きくちゃんの生い立ちは、まったくそのままその歴史の中にあったに違いありません。
その彼女が夢を語れば、皆が非国民だと言うのです。
「広島に大きな爆弾が落ちて……」「長崎に落ちて……」
そして、「8月15日に戦争が終わる」
夢なので正しいこととは言えないかもしれません。
『正しい』が国によって完全に決められていた時代。たとえ見た夢を話すだけでも非国民と罵られた時代。
和子はそんなきくちゃんの『夢』を信じて、勇気を出して家族に告げるのです。
そんな時代に思いを馳せるきっかけとして、戦争を読んでみませんか?
とても優しいお話です。
●「世界の鎖」
https://ncode.syosetu.com/n1735ju/
作:霜月透子さま
各地で紛争、戦争が収らない今読んで欲しいと思います。
ぱちぱちがなんの音か。始まりは優しい音として、最後は切ない音として。
ある村に戦火が襲いかかってきます。少年は命からがら逃げました。そして、逃げた先で女の子に出会います。
同じく戦火から逃れて逃げ込んだ洞窟で、急に生長してしまった棘の檻に彼女は閉じ込められてしまっていたのです。
どうして、その棘が急に生長してしまったのか。その答えは、お話の中で語られます。
平和を願っても、平和になったとしても、犠牲になった人達はもう帰ってきません。そんな涙が流れてしまう、切ない童話でした。
―――
どうか、「生きたければ抗うな」「死をもってして正義を」の歴史を世界が二度と踏まないように。
どうか、日常を守るために武器を使わない日々を。
私たちは暴力によって、平和に暮らすことも自由に暮らすことも、制限されてはいけないはずなのですから。





