☆彡魔女のお話Ⅱ特集(魔女の恋はいつも大変)
さて、瑞月さん、そろそろ積んである本の山に手を伸ばさなくては……と会計台下にある本の山を覗きました。そうよね、やっぱり魔女のものが多いのよね……。
そんな中でも魔女と恋が書かれたものが大好き。
でも、ちゃんとこだわりがあるのです。
魔女というのであれば、ちょっとくらい変わり者であって欲しいなぁ……。
そんなわけで今日の読書は、かなりの文量のものになりました。
☆彡~☆彡~☆
☆彡「魔女と狼伯爵の契約結婚」
https://ncode.syosetu.com/n2862ja/
作:保月ミヒルさま
魔女にルーツを持つ主人公イザベラは、幼い頃に両親を魔物に殺された過去を持っています。そして、魔物を狩り続けないと自分の命が保てないという呪い持ち。
もう、それだけでも悲劇のヒロインに思えてならないのですが、それを悲劇と感じさせないのが、イザベラです。そんな彼女に求婚者が現れるのです。
それが、狼伯爵。
ジャンルは異世界恋愛なのですが、実際の中世イギリスをモデルにして描かれたローファンタジーでもあります。そこで繰り広げられる事件は、まるで過去に起きた「切り裂きジャック」などの裏側を見ているようでした。
えっ、どこが恋愛?と思われた方。
求婚者が現れているんですよ、魔物を日々狩り続ける女性に。しかも狼なのです。
ある意味頓珍漢なイザベラと、狼伯爵の忠犬っぽいところが……ふたりのすれ違いがとてもツボなお話でした。
(約11万文字です)
☆彡「水溶性のたからもの」
https://ncode.syosetu.com/n7545jl/
作:わやこなさま
こちらは本編のスピンオフになるお話です。
人魚の末裔の男の子ヨランは本編主人公の女の子ナーナティカと親友です。
それなのに、周りは少し勘違いしているようで。特に彼の姉であるジエマは。
そんなジエマが人魚の呪いに罹ってしまう不幸が訪れるのですが、魔術の天才であるナーナティカが姉を救うためにその呪いを引き受けてしまい……。
人魚といえば、泡になって消えてしまうあの有名なお姫様ですよね。
そう、その呪いもそこに合わせて作られたもの。そして、ナーナティカがその呪いの魔術に干渉し、少しずつ変化をもたらせて……答えへと導いていくように。
親友だと思っていた。だけど、失ってしまうかもしれないと思った時に疼く気持ちは。
初めて恋を知る少年少女の姿が魔術の変化とともにとてもきれいに描かれた、お話でした。
(約5万文字です)
☆彡「暁の魔女レイシーは自由に生きたい ~魔王討伐を終えたので、のんびりお店を開きます」
https://ncode.syosetu.com/n1973he/
作:雨傘ヒョウゴさま
勇者一行が魔王を倒してからの物語。
……このお話異世界恋愛なのです。確かに、初めはレイシーの婚約破棄のざまぁが繰り広げられるのですが、この暁の魔女レイシーはかなりの人見知りに放っておけば餓死をしてしまいそうなくらいの魔法厨という少女。
魔王討伐に出かけた年齢は14歳だというので、天才なのでしょう。それなのにまったく自分に自信がないのは、孤児として国に拾われ、その魔力だけが価値だとされてきたからでしょう。
そんな彼女が自由を手に入れてお店を開いて、人生を切り開いていく物語。
人見知りで恐ろしく優秀な魔法使いでもあるレイシー。旅のリーダーでもある勇者ウェインは、そんなレイシーが気になって仕方がないのです。
だけど、その気持ちは恋というよりも保護者。彼女のために彼は一生懸命世話を焼いているのです。
もう一度言いましょう。このお話はジャンルは恋愛です。
じれったいけれど、それが彼ららしくて彼らが気づくのをずっと優しく見守っていたい、そんな気持ちにさせられる、一生懸命な可愛い恋。私はすごく好きでした。
たくさん書籍化されている作者様で、このお話は見つけた当初、書籍化作品じゃなかったのですが、この作品も書籍化されたので、本当に読みやすいです。
(約47万文字、ちょっと誤タイピングはあるんですけど……、文字数よりも報告よりも読みたいが先走りました)
☆彡~☆彡~☆彡~☆彡
瑞月さんは肩をぐるぐる回しながら、ふぅ……と伸びをすると、すっかり夕方になっいることに気付きました。
だけど、とっても満足そうに、たくさん読んだわ~とにこにこです。
瑞月さんは、まだその世界の中で余韻を楽しみながら、一番星の金星を探しに行くことにしました。





