第36話 監督の過去と外国人ジャイロボーラー~前編~
僕はプロ野球交流戦初登板で初めての完封勝利を果たしあれからチームのみんなから祝福されその後も僕は交流戦で4回マウンドに上がり3勝1敗と好投した。
チームの成績は交流戦18試合11勝7敗で全体順位は6位だったが約9年ぶりに勝率5割を超えペナントの成績は82試合40勝42敗で順位は4位まで浮上し、最大20あった借り星はついに残り2まで迫ったのだ。
そして僕が投球練習していると西村監督がやって来てこう言った。
「今シーズンウチのチームは他の投手、君のお父さん以外みんなケガや不調で二軍落ちして困っている中、君のお父さんは18登板11勝5敗で防御率2.99と安定しているし君は19登板13勝4敗で(投球回数120回2/3、奪三振95)防御率2.55で、すごいですね!」
「僕は、すごくないですよ!不調な時は4回で4点とられますし…まだまだ未熟者ですよ!」
「これからも期待してますよ!頑張ってください!そう言えばオールスターゲームのオファーが来ているがどうする?」
「監督!オールスターゲームってファンから選出されないと出場出来ないのでは…」
「そうだ!ファンから選出されないとオールスターゲームには出場出来ない!しかし今日さっきファン投票のオールスターゲーム選出発表があってウチのチームからは君のお父さんと一緒に選ばれたんだよ!」
「え?ファン投票で僕が選出されたんですか?何かの間違いじゃないのですか!? 」
「間違いじゃないよ!さっきプロ野球協会から連絡がありまして選出が決まりました。」
「僕がオールスターゲームに選出だなんて夢みたいです!ありがとうございます。すごく嬉しいです♪そう言えば一つお聞きしたいことがあるのですが…」
「なんでしょうか!?」
「なぜまだ僕が二軍にいたときすぐにジャイロボールが分かったのですか?」
「なぜ急にそんなこと聞くのかな!?」
「少し気になって…ジャイロボールってすぐに見ただけじゃ分かりにくいらしいのですが…」
「実は自分が選手だった頃、あれは12年くらい前のかな…
今年で自分は48歳になるから36歳の頃に外国人選手のブラックリー・グレイトン投手が東京ファイトーズ今で言う東京ランナーズにいて、それで3打席だが対戦したことがあるんだ。
自分はメインは一塁手で第1打席の初球のストレートをかなりの速球で投げてきて自分はスイングするのだが空振りしてしまって… その時なんだこの球は!って思った。」
「でもその時は分からなくて2球目も3球目も全て内角低めに速いストレートが来て結局見逃し三振になってしまったのだけどその時に当時監督だった蛍原ほとはら監督が教えてくれたんだ。『西村。あれはジャイロボールと言って球が速い投手に有効とされている魔球の一つだ!普通のストレートとの違いはジャイロボールはノビがすごくておまけに高速回転をするんだ。まだこのジャイロは新しいから信じてない人もいるけどな…』
「それで僕のジャイロボールがすぐに分かったんですね!それにしても西村監督ってすぐに分かるってすごい視力ですね!」
「 ありがとう!そんなことないよ。それでまだ話の続きがあって第二打席も三振に倒れてしまい三回目の打席の初球初めてジャイロボールを判定はファウルだったけどバットに当てることが出来て打てるかもって思った二球目ボールが飛んできたと思って打とうとしたら僕の右腕に打球が直撃して判定はデッドボールになったが自分は痛みがひどくて動けなくなってしまったんだ。」
そこで僕はあまりにも話の続きが気になって大声で西村監督にこう言った。
「それからどうなったんですか!?大量出血したんですか!!」
「勝くん、落ち着いて聞いてね!それから仲間に助けられながら病院に行き手当てをして診察してもらったら医師からは元の右腕の状態に戻るまで約2年くらいかかると言われ自分は医師に今、36歳で2年経ったら38歳ですよ!って言って話をしたんだけど…」




