第23話 初勝利への道のり ~後編~
「分かりました!」
それを観客席で見ていた東京ランナーズの田村投手は「かなり緊張してみてるみたいだね…大丈夫かなぁ…」とつぶやいた。
それから僕は、次の打者に初球ストレートを投げるが少し高すぎたため判定はボールになり2球目内角低めにジャイロナックルを投げるがこれも判定はボールになってしまう。
「うまくいかないなぁ…」
そして3球目外角高めに少し外れてしまい判定は3球続けてボールになってしまった。
すると西村監督が「大丈夫かなぁ。」とつぶやいた。
そして4球目勢いよくジャイロボールを投げるがまたまた外れてしまいフォアボールになってしまった。
実況:「望月投手!フォアボールでノーアウト.一、二塁になります。」
「ヤバイなぁ…球速は156㌔って表記されてるのに、なぜコントロールが戻らないのかな?」
すると原松さんが「どうしよう…このままじゃ交代させられるし変に頑張ってってエールを贈るとプレッシャー感じちゃうし」とつぶやいた。
その時東京ランナーズの田村投手がベンチまで行って「望月くん!打たれても良いから逃げずに全力で戦うんだ!私がいるから!!」と僕に声をかけてくれた。
「田村投手…!」
すると土原コーチが「ピッチャー変えた方がいいじゃないのですか?」と西村監督に話した。
「任せろ!!大丈夫だ!今の大きな声援が彼の気持ちを変えるから!!」
実況:「これは東京ランナーズの田村投手がドリームベイスターズのベンチから声援を送ってます。なんと素晴らしいでしょうか?」
「そうだ…僕は、不安ばかりしてしまって勝負することから気がつかないうちにそれが体にも出ていたんだな… 田村投手!ありがとう!よし!真っ向勝負だ!」
僕の目を見て捕手の狩野選手は「これなら大丈夫だ!」と心の中で思った..
そして次の打者に対して僕は、気持ちを切り換え初球クサイところにジャイロボールを投げる。
(シュッ!!)
打者は空振りし1ストライクとなった。
実況:「ストライクになりました!」
(シュッ!!)
そして2球目は緩めのスローボールを投げると
(カキンッ!!)
(アウト!)
実況:「打ちましたがタイミングを外し打球を詰まらせゴロになり1アウトになりました!」
「これで1アウト2、3塁か…よし!頑張るぞ!」
実況:「ここで北海道ハイパーズは切り札の代打を出します。代打背番号70の新外国人選手のベルトラン選手です!」
(プレイッ!!)
そして僕は、初球ストレートを投げるとベルトラン選手はいきなり打ち打球はセンター方向に飛んでいき青山選手がキャッチすると三塁ランナーは走り出した。
「ここは俺がなんとしてもホームをアウトにしてやる!!」
(オオーッ!!)
勢い良くセンターの青山選手は本塁に全力で送球しキャッチした狩野選手は本塁に帰ってきた選手にタッチしたのです。
(アウト!ゲームセット!)
実況:「判定はアウトになりました!ゲームセットで神戸ドリームベイスターズ今季チーム初勝利と望月勝投手もプロ初勝利を挙げました!」
「やった~!勝ったぞ!」
すると狩野選手がやって来て「やったね!初勝利おめでとう!」と言ってくれたのです。
「ありがとうございます!!」
一方その頃、田村投手は僕たちが勝ったことを知り球場から姿を消し帰っていくのです。
そして僕は、青山選手のところへ行き「最後の送球すごく良かったです!ありがとうございます!!」と言ったのです。
「何かお礼をしたくてやっと出来たから良かったよ!」




