第13話 ついに!開幕 ~前編~
僕はプロ2年目に入り初めての春季キャンプと初めてのオープン戦に登板し右肩の状態はだいぶん良くなった。
そして原松親子が合同トライアウトを受けついに結果が発表される。
「では合同トライアウト合格者を発表する。まずは神戸ドリームベイスターズから…3名います。一人目は3年間アメリカ、マイナーリーグ1A通算で50セーブを挙げたマイケル・アップル投手。おめでとうございます。」
するとアップル投手は笑顔で喜んだ。
「次に二人目を発表します!!原松 豪つよし投手おめでとうございます!」
「ありがとうございます!一生懸命頑張りますのでよろしくお願いいたします!」
呼ばれた瞬間かなり大喜びをした。
「お父さん!!プロ復帰おめでとう♪」
「ありがとう!練習して独立リーグに行ったりもしたけど復帰が出来るなんて最高だよ!望月くんもありがとうございます。感謝致します!!」
「いえいえ!僕はなにもしていませんよ!一緒に同じ投手としてよろしくお願いいたします。」
すると「もちろんですよ!」とピースしながら言った。
「そして3人目球団コーチ兼マネージャーを勤めました。原松 唯外野手おめでとうございます!!」
「本当ですか?ありがとうございます!!」
「おめでとう!唯ちゃん!!これで夢の親子で選手になれるね♪」
「ありがとう!勝まさるくんのおかげだよ!だけど勝くんの言っていた言葉は本当だね。って改めて思ったよ。」
「いきなりどうしたの?」
「昨年.私がお父さんの話をした時に必ずお父さんも復帰できるって言ってくれた時ウチのお父さんもつぶやいていたんだけどもう戻れはしないだろうって言っていたからね!」
「そうなんだ…僕もいざ原松さんに話したけどもし復帰出来なかったらどうしようって恥ずかしながら思っていたよ。」
「そんなこと思わなくても良かったのに!!だけどすごく嬉しい!!勝くん、本当にありがとう!」と言うといきなり泣き出したのです。
「どうしたんですか?原松さん!」
するとお父さんが「こう見えて僕の娘は強くないから…悪いが人目がつきにくい場所に連れていってくれないかな?」と言った。
「分かりました!」
それから僕は唯ちゃんを球場の駐車場のところまで一度連れていくことにした。
「ごめんね…いきなり泣いてしまって…あまりにも嬉しくて…まだ少し時間かかると思うからちょっとだけ抱いててもいいかな?」
「僕は別にいいよ!!でも長時間になると僕もしたくなるから…困るけど…」
「してもぜんぜんいいよ!」
「唯ちゃん!変なこと言わないでください。」
こうして原松親子が入団テストに合格し新戦力が加わりいよいよプロ野球開幕戦に向けて僕は再び走り続ける。
それから僕は、オープン戦に先発5回、中継ぎ4回の合計9登板しコントロールは完璧に戻らなかったものの球威は復活しコーチにカットボールを教わりながら2勝2敗1セーブ、防御率2.20と結果を頑張って残した。
そしていよいよ開幕前日になった。
「いよいよ明日はプロ野球開幕戦だ!対戦相手は日程通りの東京ランナーズで先発はプロ2年目の女性投手の田村だがみんな開幕戦本拠地勝利を飾れるように頑張りましょう!」と西村監督は言った。
僕は、狩野捕手に「田村投手ってどんな投手なんですか?リハビリと練習ばっかりしていて知らないんです。」と言うと狩野捕手は話してくれた。
「田村投手は昨年1年目から12勝4敗防御率2.02をマークし最速153㌔で変化球はスプリット(SFF)のみだがスタミナがあるらしくて確か人違いかもしれないけどジャイロボーラーのはずだ!」
「え?女子なのにジャイロボールが投げられるってどんなんだよ!そうじゃなくても女性の選手は原松さんを含めても4人しかいないのに…」
「何しろ田村投手は女を捨ててでもプロ野球選手になりたくてスパルタ練習を日々してきたらしいからなぁ….」
「そうなんですか…」
そして次の日になり当日を迎えた。
実況:プロ野球ファンのみなさんこんばんは!いよいよ今年もプロ野球が開幕します。本日はここ神戸スタジアムより神戸ドリームベイスターズ対東京ランナーズの試合の模様を実況 大田友康ともやすと解説は超パワーヒッターの中本 守でお届けして参ります。よろしくお願いいたします!!
解説:よろしくお願い致します。
実況:今年のドリームベイスターズは強そうです!




