第48話 現実とジャイロボール ~後編~
実況:「真ん中に初球ストライクを投げました!!球速156㌔と今、神戸スタジアムのバックスクリーンに表示されました!!自己最速がここに来て出ました!!」
すると一軍の中野監督は「156㌔?7回で雨も強く降ってきてるぞ!!」とつぶやいた。
それから僕は、2球とも真ん中にジャイロボールを投げ空振り三振に抑えた!!
(ストライク!!バッターアウト!!)
実況:「空振り三振!望月投手三球ともジャイロボールの150㌔超え連発で球威も抜群です!!」
それから僕は、続けて3、4番の打者もジャイロボール一本で空振り三振に抑え三者連続三振に抑えスリーアウトチェンジになった。
僕がベンチに戻ると監督が「 僕が言いたかったことが分かってもらえて良かったよ!ナイスピッチング!!」と言ってくれた。
「ありがとうございます!!監督!しかしなぜ観客の歓声が負けているのにあがってきているのですか?」
「そりゃ今日わざわざ球場に来てくれた方やテレビで生中継を見てくれてる皆は、この最高の迫力満点のジャイロボールを見にきてる目的があるからね」
「そうなんですか!!球数80球超えて投げさせてくれてありがとうございます!!」
「別に礼は入らないよ!ただ望月くんの肩のことを考えて80球って言ったんだよ!次は代打起用で8番原夏から始まるから打席の準備をしておいた方がいいよ! 」
「分かりました!!ありがとうございます!!」
そして僕は、打席に立つ準備をする。
実況:「試合は7回裏に入ります!!この回は第一打席に二塁打を放った望月投手の打順も回ります!!そして一軍チームはピッチャー交代で石村投手から青木投手に変わります。一軍では中継ぎで41試合0勝3敗5セーブ防御率4,17と安定感は今一歩ですが果たして今日はどうでしょうか?」
そして代打の選手は初球スライダーを打つがファーストゴロでアウトになった。
そして僕の打順が回って来た。
初球内角高めのカーブを見送るが判定はストライクになってしまった。
僕は、バットを強く握りしめ2球目のチェンジアップを強く打った。
(カキーン!!)
実況:「打った!!打球は延びるがどうか!?入るか?」
原松さんは心の中で「入って!お願い!」と強く必死に祈るがレフトがキャッチし2アウトになった。
実況:「望月選手。あともう一歩スタンドまでの飛距離が届きませんでした」
「くそっ!あともう少しでホームランだったのに…1点がすごく遠く感じるなぁ…勝てるかなぁ」
落ち込みながらベンチに戻っていくと西村監督が話しかけてきた。
「まだ2イニング残っているから諦めるのは早いと僕は、思います!!望月くんが僕とサンチェス選手を助けてくれるために頑張ってくれてるのだから!!勝っても負けても良い試合にしましょう! 」
「監督の言うとおりですね!!諦めるのは早いですね!!分かりました。良い試合が最後まで出来るように頑張ります」




