第50話 最後の戦い ~前編~
~ここまでのハイライト~
テレビ中継では早くも試合前から盛り上がる。
「いよいよクライマックスシリーズ・ファイナルステージが今日からここ東京スカイスタジアムで始まります。果たして先に4勝を挙げるのはどちらのチームでしょうか?ドリームベイスターズは球団消滅を阻止することが出来るか注目です!まもなくプレイボールです!」
そのころグレイトンは球場の後ろ側で観戦している。
「ドリームベイスターズも良くここまで来たな。しかし最後に勝つのはランナーズだ!ドリームベイスターズは来年から俺のものだ。」
球団を守るため勝は心臓の状態が良くないため病院で入院しておりベンチには、いないがいよいよクライマックスシリーズ・ファイナルステージでリーグ優勝した東京ランナーズと対戦することになる。
しかし第1戦ドリームベイスターズは先発に途中からローテーション入りを果たした外国人投手のマイケル・マルソンが先発するが3回にランナーズ打線に捕まりランナーズの大きな声援に力負けしてしまい原松が8回にソロホームランを打つが9対1で負けてしまった。
東京ランナーズファンのスタンドは試合終了後も盛り上がりムードは消えず「明日勝って日本シリーズへ王手!」や「あと2勝!」と言う応援の札が上がった。
西村監督も試合終了後ベンチでどうしたら良いのか考えていた。
「やっぱりウチのチームとランナーズは戦力が違うなぁ」
東京ランナーズはお金にも余裕があるため強い選手を毎年補強しており練習設備も万全な球団である。
それから西村監督はいろいろ勝つための必勝法を考え次の日から投手を極力全員リレーで野手も極力全員出して「全員野球」で勝負に挑むことを考えた。
なんとかその必勝法が通用したのか第2戦2対1で勝ち、第3戦サンチェスの3打席連続ホームランで4対0で勝ち2勝2敗となる。
第4戦は望月 守が初回に2点失うが狩野の同点ホームランと原松のタイムリーヒットで勝ち越しその後は守は状態を建て直し9回完投で一気に3連勝で逆王手をかけた。
これを病院のテレビで見ていた僕は、一安心していた。
「すごいな!まさか3連勝するとは思わなかった。みんなの力でこのままで明日も勝ってくれ!」
僕は、このまま明日も勝ってくれますようにと強く願った。
しかしその願いは儚く叶わなかった。
翌日第5戦ランナーズも連敗を脱出しようと打線が繋がり西村監督の全員野球で頑張っていくが10対0で負けてしまい第6戦にすべては持ち越すことになった。
この試合を見ていた隠れオーナーのグレイトンはこう呟いた。
「本当、クライマックスシリーズなんか入らないのに!早く廃止になれよ!まぁ、やっと勝ってくれていよいよドリームベイスターズ球団買い取りまであと1勝になったから今日のところはいいや! 」
また笑いながら球場をあとにした。
そして翌日いよいよクライマックスシリーズ・ファイナルステージ第6戦を3勝3敗で迎える!リーグ優勝チームの東京ランナーズは勝つか引き分けでもクライマックスシリーズ勝者になるが、ドリームベイスターズは必ず勝たなければ勝者になれないため少し不利な状態ではある。
病院の設置されたテレビで不安感一杯の中で僕は、テレビ観戦をすることにした。
「今日で泣いても笑っても全てが決まるんだな」
西村監督は試合開始30分前まで先発投手が決まらず悩んでいる。
「先発投手が決まらないなぁ」
「僕の計算ミスで主力の先発投手は登板済みで投げられる投手はマルソン投手と原松豪投手がいるけど中継ぎには山本投手が回ってくれるから助かるけどなぁ」
そして東京ランナーズの先発投手が発表されMAX162㌔でしかもジャイロボーラーの外国人投手ジャーク・ブラックリーになった。
(今季主にクローザーだったがご本人が先発志願を監督にしてきたため先発することになった。ちなみにスタミナもあるためかなりの球数を投げさせないと降板させるのは難しい。
今シーズンここまで55試合に登板1勝0敗45敗.防御率0.72という好成績を残しておりいずれも失点に繋がったのはヒットのみで本塁打による失点はメジャー時代から数えても一度もないらしい。)