20 パーティー
えー、不肖秘崎萌乃果、またしてもパーティーへと拉致されてしまいました。
まあ、今回の集まりは気をつかわないで済むまったりメンツのパーティーなのですが。
会場は領主さんのお屋敷の大広間。
出席者は、っと。
チームモノカの五名、
スズナとフラット君、
マリオネさんとアニーニ君、
あとみなさんの友人のゴンザ君とアニーニ君のお母さま。
セシエラさんと、もちろんニケルちゃんもね。
ざわざわしたところの無い、とても居心地良いパーティーであります。
主催者の領主さんの姿が見えないのには理由がありましてですね、
「モノカお姉さんに危ない依頼をさせるなんて、パパなんてキライッ」
パーティー開始早々、ニケルちゃんに追い出されちゃったんですよ。
いや、危ない依頼を何とかするのが冒険者の役割なんでしょうけど、
領主さん涙目だったんで、後でニケルちゃんにフォロー、入れときますね。
「お母さん、あそこのお菓子ニケルちゃんと一緒に作ったんだよっ」
あーもぅ、この娘ったら、どんだけお母さんを泣かせにかかるのかしら。
後で領主さんにもっていくんで、多めにいただいていきますよ。
「どうして私が用意したドレスを着てくれなかったの、モノカ?」
ごめんよシジミ、胸元が大胆に開いているドレスを着るには厳格な資格が要るんだよ。
いつかきっとシジミにも、魂の奥底から理解させられる日が来るよ。
それにしてもどうしよ。
結局『絶対防御』の秘密は分からなかったよなぁ。
あの『黒球神』とやらのカケラでも拾ってこれれば良かったのに、
ブッ壊したら即、脱出だったもんなぁ。
って、誰かが私を呼んでるね。
柱の影から手招きしているアイツは、
「なんでここにいるんですか、メイジさん」




