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02 湖


 望むと望まざるとに関わらず特使活動を頑張り過ぎたせいで最近結構な有名人になっちゃった私たちチームモノカの五人。


 大きな街を避けての旅路、今はとある国の人里離れた大きな湖のほとり。



 野営のテントのそばに用意された小テーブルには、いい感じにひえひえのお飲みもの。


 リラックスしながら、有名税騒動への対策を思案する私。


 ストーカー魂バリバリの記者連中や、許可も得ずに勝手にデタラメ内容の書籍を発刊する悪徳出版社、いつもの調子で滅殺するのは容易いがゴキブリ以上の繁殖力を誇るあやつらを完膚なきほど根絶やしにするのは難しい。



 我が愛する冒険仲間にして有名税被害者の先輩であるアイネの事を思う。


 ソロ冒険者としてギルドのトップランカーまで上り詰めたアイネは、その美貌と実力を兼ね備えたカリスマっぷりから多数の厄介者から付け狙われた。


 連中が巻き起こした大騒動の件は片付いたが、今でも街中でその残滓から追い回されているという。


 とりあえず、善良なファンと厄介なストーカーの見分け方を聞きたいなと、アイネの姿を探すと、



 うっわ、なにアレ、ピッチピチにも程があるんじゃねえのお嬢さんっ。


 何かから逃げるように水辺を駆けるアイネの水着のお胸がそれはもうリズミカルにぷるるんぷるるんと。


 ハリツヤカタチの三拍子が揃ったそれはまさに若さゆえの凶器。


 天然大平野完備の私は、心の悲鳴をあげる事すら許されずに沈黙の完敗。


 そっと、目を伏せた。




 気を取り直して、


 先だってチーム全員健康診断を受けた際、メンバーのノルシェが医師から注意を受けた事。


 突進力に頼りすぎて防御・回避をおろそかにしすぎでは、という指摘。


 単身無双の短剣使い騎士であるノルシェは、永遠を誓った盟友にして私の一番最初の旅の仲間。


 槍使いの私と同じ前衛職ゆえ敵の刃をくぐって闘わねばならぬ事を咎めることは出来ないが、もう少し自身のプリティ乙女ボディに気を遣って欲しいと苦言を呈そうとしたら、



 うっわ、なにアレ、微妙ながらも確かに存在する私との格差。


 私と身長・体格はほぼ同じなのにしっかりとした存在感を見せつける水着のふくらみ。


 出会った頃よりも明らかに成長しているそれは、気合を入れて目を凝らすとわずかながらも確かに揺れていやがるのですよ。


 信頼していた誓いの乙女からの裏切りのぷるんは絶壁女子の完敗の証し。


 そっと、目を伏せた。




 気を取り直して、


 最近入隊した期待のニューフェイス、ネコミミメイドのシジミ。


 天才魔導具技師のアリシエラさんの手によってこの世に生を受けた彼女。


 ロボッ娘ボディの参考にしたのが残念体型な私だったことが申し訳なくも不憫であり呪われた宿命。


 つまりシジミの慎ましやかな肢体をガン見してやさぐれマイハートを癒そうって寸法なのさ。


 私が死蔵していたスペシャルクリエイタブル水着、略してスク水を無理やり押し付けられたシジミはどこかなと探してみれば、



 うっわ、なにアレ、林間学校の水泳をエスケープしてきた迷子っ子小学生かよ。


 そういえばシジミの体型は身長からスリーサイズまでの全てが私のパーフェクトコピー。


 自分で着たくなくて死蔵していたスク水を押し付けられれば、着ざるを得ないシジミがそれを身にまとった姿はまさに私がスク水を着た姿そのもの。


 自身でぶん投げた特大で鋭利なブーメランがガラスのチキンハートに見事にブッ刺さった私は、


 そっと、目を伏せた。




 気を取り直して、


 完璧天使にして優しさ無限大の愛娘、


 私のマクラちゃんはどこかな。


 お母さんにそのドストレートぷにぷにボディとぽっこりお腹を見せておくれと見まわしてみれば、



「お母さん、覚悟っ」


 ぱしゃん



 水着拒否した罰なのか、いつも着ているお洋服が濡れ濡れの刑です。



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