11 パラダイス
ニケルちゃんのお部屋に入る前にチームの役割分担を相談。
探索班は私、ノルシェ、シジミ。
マクラはニケルちゃんのそばにいさせてあげたいんで、護衛はアイネにお願い。
「了解モノカ、お姫さまふたりは私に任せてっ」
私に言わせればお姫さまは三人なんだけど、アイネがやる気まんまんだから良しっ。
ニケルちゃんのお部屋、ノックして、
「良い子にしてたかな、マクラ」
扉を開けるとワーォ、そこはパラダイス!
目の前にいるのは、
可愛らしいちっちゃな騎士姿で姫にかしずくニケルちゃんと、
フリフリふわふわドレス姿で騎士に剣を捧げるマクラ姫!
「ちょっと恥ずかしいよぅ、お母さん」
何をおっしゃるマクラ姫、フリフリドレスのふわふわっぷりを守るために抱きしめるのを必死で我慢しているお母さんの心中を察しておくれよ愛娘。
「マクラちゃんはボクが守るよっ」
何をおっしゃるニケルちゃん、おしとやかっ娘がボクっ娘属性まで手に入れるなんてそんな盛り過ぎ過積載っ娘は神さまが許さなくてもこのマクラママが許しちゃいますよモットヤレ。
「いかがですかモノカ、小さなおふたりの希望と大きな皆さまの欲望の両方を満足させるシジミ渾身のシチュエーションなの」
スカートの両端を軽く摘み上げたいつものキメポーズのシジミ。
おまっサイコーだぜっ。
とめどなく舞い上がっていた私のイケイケおつむが、ハタと気がつく。
謎の遺跡の探索にメイド型ワードローブのシジミを連れて行っちゃうと、このふたりのかけがえのない楽しいひとときを奪ってしまうことになるんじゃないの。
「心配ご無用ですことよモノカ」
シジミがするりとロングスカートを落としたよって、いやんえっち!
「心配ご無用ですことよモノカ」
メイドロングスカートの下にはメイドミニスカートの重ね履きでした、ちぇっ残念。
「シジミの秘密、18番、トリプルプロテクト乙女シークレットプレイスなの」
「ちなみにトリプルの理由は」
ミニスカめくっちゃダメってその真っ赤っかなのは、
「メイドミニスカートの下はブルマなので激しいアクションシーンでも全年齢対応なの」
いや、ミニスカから赤ブルマちらりってそれすごいご褒美ですから。
「ロングスカートの方の『収納』はお洋服以外はロックされておりますので存分にお着替えをお楽しみくださいませ」
ニケルちゃんは嬉しそうだけど、マクラはちょっと不安顔。
「お母さん、冒険にお出かけするの?」
「大丈夫だよマクラ、ニケルちゃんのパパさんからのお願いだからすぐ戻ってくるね」
「ニケルちゃんにもお土産の冒険話、いっぱい用意してくるからね」
「「いってらっしゃい、がんばってねっ」」
ダブルお姫さまの声援こそが、チームモノカの力の源だぜ!




