01-爺さん
お爺さんを拾った。
いや、頭がおかしくなった訳ではない。
朝、起きて外を見てみると知らない老人が倒れていたのだ。
慌てて話しかけるとどうやらお腹が空いたらしい。
長い白髪と長い髭、真っ白な服......ローブ?のザ・神様みたいな格好で一瞬怪しんだが弱っているようなのでとりあえず飯を食わせることにした。俺も朝飯食ってなかったし。
老人を家に上げてご飯を用意したら、凄い勢いで食べていた。弱っているようだしお粥とかの方がいいかもと思ったが、あの様子なら大丈夫そうだった。
俺はご飯を食い終わって老人は今7杯目、おかずはとっくになくなっていた。
流石に見知らぬ老人にこれ以上ご飯を食べられる訳にはいかない。
相手はまだ食べている途中だが、いくつか質問をすることにした。
「あの、いくつか質問してもいいですか?」
「んぐんぐ.....ふぅ....ふむ、いくらでも質問してくれていいぞい」
「なら、まずは名前を聞いても?」
「おお、すまんかった。名をまだ名乗ってなかったう。儂の名は..... 新木野 神門 じゃ。気軽に爺さんとでも読んでくれ」
「俺の名前は樽井 大斗だ。それで、ええと.....爺さんはなんで俺の庭で倒れてたんだ?」
「ふむ......そうじゃのう.....儂もボケてきたからのう.....どうしてそこで倒れていたのか、忘れてしまったわい」
「........そうですか。なら、家までの道はわかりますか?」
なかなかに怪しかったが、自分には関係ないだろうと考え、爺さんには帰って貰うことにした。もう元気なようだし、問題無いだろう。
「おお、家までなら問題なく帰れるのう。それじゃあ帰るとするかの。助けてくれてありがとう。後日お礼をするからの。」
「いえいえ、これくらいなら......」
特に問題無く帰って貰うことができた。
時計を確認すると、もう昼に近くなっていた。
それにしてもなんだったのだろうか。
まあ、こんなことそうそうあるわけでは無い。気にする必要はないだろう。
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