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ニーレンベルギア  作者: ししまる
8/9

ザクッ! ドシュッ!


その場に膝をついたダレスに次々と兵士たちの刃が襲いかかった。


「ぐぶっ…」


ドサッ! ガシャーンッ!


血の塊を吐き出しながらダレスは崩れ落ちた。


「ダレスさまーー!!」


「いけません、お嬢さま!」


マルタの制止を振り切り、ダレスの元へと駆け寄るルシア。


「すまん、ルシア。結局、俺は君に何もしてやれなかった…」


「そん…な…」


破損した鎧の隙間から灰緑色の肌が露出していた。兜で顔は隠れているものの、ダレスが人間ではないことに気付いたはずである。だが、それでもなおルシアはダレスの手を強く握ってきたのだった。


「貴方が来てくれるのがいつも楽しみでした…お話を聞くのが大好きでした。私、ずっと貴方が…貴方のことが…」


「いいんだ…もういいんだ、ルシア⋯」


涙ながらに語るルシアの言葉を遮るようにダレスは口を開いた。


「もし、生まれ変われるのなら…俺は花になりたい。あの…ニーレンベルギアのように…君の傍らでずっと…咲き続けて…いた…い……」


それがダレスの最後の言葉となった。

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