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消えゆくデータと忘れゆく人  作者: 山出幸宏
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猪野と狸とメモリーズマウンテン

〈PBR〉その頃猪野は、山道を歩いていた。猪野は山道の頂上を目指していたようだ。山道の頂上には「メモリーズマウンテン」という建物が建っていると猪野のラインに届いていた。頂上になんて、何のために誰が作ったんだと、猪野は考えながら、歩いていた。猪野は山道をもう二時間くらい歩いていたが、まったく人と会わなかった。まぁ山道だからと思って猪野は山道を進んでいた。その時だった、草むらから、「ササッ」っと音がした。その音がした方を猪野が振り向いたが、何もいないし、何も変わった様子もない、景色だった。猪野はまた歩き始め山道を進んで行く。草むらから音がしてから、数分歩いたところだった。猪野は何かの気配に気付いたが、正体はわからない。そう誰かに後をつけられている気がしたのだった。そして、猪野は後ろを振り向くが、誰もそこにはいなかった。猪野は、誰もいないのを確認してから、また頂上を目指し歩き始めた。でもやはり、何かの気配を感じた猪野は後ろを振り向いて、「誰だー、誰かそこにいるのかー、出てこいー」と大きな声で叫んだ。すると、草むらからまた「ササッ」と音がした。猪野は、「そこかー、そこにいるのかー」と音がした方へ向かって行った。そして、草むらを掻き分けた。そこから出てきたのは、狸だった。猪野は「何だ狸か」と言ってから、狸を無視して、また頂上を目指し歩き始めた。しかし、まだ後をつけられている景色を感じたが、狸だと思い、歩き続けた。そして歩き始めて五時間くらいたっただろうか、ようやく頂上に辿り着いた。建物が建っていた。猪野は、「あれがメモリーズマウンテンだなぁ」と言って建物に近づいていった。その時入口の目の前に人が急に現れたのだ。猪野は急な出来事に、「うわーびっくりしたー」と言って尻餅をついた。その人の容姿はというと、侍みたいな格好だった。しかも、刀を二本持っていた。そして、猪野が立ち上がった瞬間、侍は刀を二本取り出した。二刀流だったのだ。猪野も戦闘モードに入る。猪野は、叫んだ。「フォルムチェンジ」と言って、狸に変わり侍に化けた。猪野の刀は一つだった。そう、一刀流だった。一刀流で立ち向かった猪野だったが二刀流には苦戦していた。二刀流の斬りつけを防ぐのが、精一杯だった。そこで、もう一度「フォルムチェンジ」と言って猿の力を追加した。猪野の動きは軽やかになった。猪野は、木に登って木の枝から飛びながら、侍目掛け斬りつけた。侍の刀一本を弾き飛ばすことができた。一刀流対一刀流の闘いだ。しばらく互いの攻防が続いていた。お互い一歩も引かずいい勝負だった。そして、お互いが急所を捉えようとした時、侍の様子に変化がおきた。侍は狸に変わって倒れていた。猪野は心配して近寄った。近くで見ると、そう先ほど草むらから出てきた、狸だった。「こいつが後をつけていた正体か」と猪野は言った。狸は息があった。多分化け続け、猪野と闘ったから疲れたのだろう。猪野は、その狸を抱えメモリーズマウンテンに入っていった。メモリーズマウンテンに入ってすぐの玄関に大きな狸の置物が置いてあった。立派な狸の置物だった。猪野は、「すいませーん失礼しまーす、誰かおられますかー」と言った。すると、「ここにおる」と返事が返ってきた。返事がする方向を見ると狸の置物が喋っていた。猪野はまた、尻餅をついた。狸の置物は、「そんなに驚かなくてもいい」と、表情は変わらなかったが笑いながら言った。猪野は「いや、驚くでしょ普通」とボソッと言った。狸の置物は、猪野が抱えた狸を見て「そいつをよろしく頼んだぞ」と言った。猪野は、戸惑ったが、「あーまぁーはい、わかった」と言った。猪野は言った、「ここ、メモリーズマウンテンに来たら、何かわかると聞いて来たんだけど、何かわかりますか」と狸の置物に聞いた。狸の置物は言った、「ここは、まだ通過点みたいなものだ、しかしここに来たことは意味あることだ、これを渡しておく」と鍵を二つ渡された。「この鍵はいったい何だ」と猪野が聞いた。狸の置物は言った、「この鍵は、一つはここメモリーズマウンテンに関する鍵で、まずこちらから説明する」と言って説明を始めた。メモリーズマウンテンの二階の部屋に入る鍵らしい。猪野が言った、「じゃあもう一つの鍵は何に使うんだよ」と聞いた。狸の置物は言った、「もう一つの鍵は、各メモリーズと名所についた場所で必ず必要になる鍵だ、詳しいことは知らないが」と答えた。「何で知らないんだよ」とボソッと猪野が言った。狸の置物に聞こえたらしく答えた、「これは、蝶野という方がお渡しになられた鍵で、初めにここ、メモリーズマウンテンに来た者に渡してくれ」ということだ。猪野は、「まぁいいや、とりあえず二階に行くわ」と言って二階に向かっていった。そして鍵を廻して部屋に入った。そこに置いてあったのが、謎の図鑑だった。近くに紙切れがあった。何かを書いてある。「狸のフォルムチェンジ強化として使うがいい」と書いていた。部屋を出て、狸の置物にその図鑑と紙切れに書いてあったことを伝えた。すると狸の置物は答えてくれた。「今までの君は、狸のフォルムチェンジでも、好きなように化けれず、見たものにしか化けれなかったが、要所要所でこの図鑑に載ってあるものには、好きな時に化けることができ、また君だけではなく、その抱えている狸も同じように化けることができる」と説明してくれた。「この狸かなり優秀じゃんー」と猪野が言った。そして狸の置物にサンキューと言って走り出した。すると、猪野のスマートフォンに通知が届いた。「次に目指す場所は、メモリーズタウンだ」と書いてあった。猪野は、「オッケーい」と言ってまた走り出した。

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