大鳥とラビリンスホール
〈PBR〉その頃、大鳥は道に迷っていた。大鳥のスマートフォンが鳴った。ラインの通知だった。その内容とは、「ここは、ラビリンスホール」と書いてある。大鳥は思った。確かにさっきから同じ道を歩いている気がすると。大鳥のフォルムチェンジは基本的に鳥類であったので、大鳥は鷹にフォルムチェンジし、空高く飛んだ。辺り周辺を飛び回ったが、景色は変わらなかった。大鳥はとりあえず陸地に降り、フォルムチェンジを開放した。大鳥の目の前に老婆が立っていた。大鳥は見間違いだと思い、目をこすって見るが、やはりそこには老婆が立っていた。大鳥は人がいたと喜んだ。「こんにちは、お婆さん」と大鳥が声をかけたが、返事がない。大鳥は様子がおかしいと思いもう一度声をかけてみるが、やはり返事がない。大鳥のスマートフォンがまた鳴った。そこに書かれていた内容とは、「ここの老婆は危険、そしてここの老婆を倒さなと、ここからは出られない」と書いてある。大鳥がスマートフォンに気を取られている間に、老婆の姿が消えていた。一瞬の動作の間だった。大鳥は怖くなったが、「決めた」と言って歩きだした。すると、さっきは気付かなかった、いや無かった洞窟を発見した。老婆の気配を感じた大鳥は洞窟の中へと入っていった。洞窟の中は、真っ暗で冷たい風が吹いていた。大鳥はスマートフォンのライトを頼りに洞窟を突き進んで行った。大鳥は何かを踏んだが、下を見ずに先を急いだ。すると、今まで歩いてきた道よりも広い空間に辿り着いた。大鳥は上を見上げた。わずかではあるが、光が差し込んでいる。ふと、前を向くと、大鳥の前に老婆が立っていた。そう、さっきの老婆だ。大鳥は怖くなったが、戦闘モードに入ろうとしていた。大鳥は「フォルムチェンジ」と言って、烏の姿になった。大鳥は洞窟の暗さだと、この漆黒の翼は見えないと思っていた。そして、烏にフォルムチェンジしたのだが、老婆には見えていたようだ。大鳥は、老婆目掛けて嘴を尖らし、猛突進したが、老婆に交わされ、逆に老婆に捕まえられてしまった。大鳥はまた「フォルムチェンジ」と言って、牛の姿になった。老婆は大鳥の急激な体重変化で、力を入れるタイミングがずれ、大鳥を放した。大鳥はまた「フォルムチェンジ」と言った。牛に鷲を組み合わせた。その姿は、牛に翼が生えて、四本の足は、鷲の鋭い爪の足になっている。烏の姿の時も、鷲の力を組み合わせていたので、少し不安だったが、牛のパワーと鷲のパワーを足せばと、思い切って老婆に猛突進した。老婆は、それを受け止めようとしたが、吹き飛ばされ、老婆は倒れ込んだ。だが、しばらくすると老婆は立ち上がった。老婆が「ウオォォォー」と雄叫びを上げた。すると、みるみる老婆の姿が変化していく。そしてついに、老婆の姿は、跡形も無くなっていた。その姿は、蜂女とネーミングするような姿だった。大鳥と蜂女の空中戦が始まった。蜂女がまず仕掛ける。毒針を尖らせ大鳥に突っ込んでくる。大鳥はそれをぎりぎりで交わした。だが、毒針から出る毒液がかかったようだ。大鳥の後ろ右足が痺れていた。次に大鳥が仕掛けた。大鳥は前足の爪で蜂女の頭目掛けて鷲掴みを試みるが、交わされて、逆に毒針からの毒液を前の左足にかけられてしまう。大鳥の前左足が痺れていた。大鳥は一度牛のフォルムチェンジを開放した。そして大鳥は鷲と鷹の組み合わせのフォルムチェンジをした。そこには、右半分が鷲の姿、左半分が鷹の姿に変化していた。しかし、両足が痺れていた。「ここらで、決着をつける」と大鳥が言い、蜂女を目掛けて突っ込んだと思ったら、それを交わされ、壁に激突してしまった。しかし、それが大鳥の狙いだった。そして最後の力を振り絞り、わずかな光が差し込む天井へものすごいスピードで、猛突進をした。突進の衝撃で洞窟の中が崩れていく。蜂女は雪崩れてきた石、岩に当たり気を失い、そのまま下敷きとなった。大鳥は、烏の姿にフォルムチェンジし洞窟から脱出していた。大鳥は辺りを見渡した。蜂女はいなかった。ホッとしてもう一度じっくり、辺りを見渡した。すると、そこには、洞窟の跡形も無く、今まで歩いていた景色も変わっていた。そして足の痺れも治っていた。大鳥の周りを蝶が飛んでいた。大鳥のスマートフォンが鳴った。ラインの通知だ。その内容は、「蜂のフォルムチェンジ習得」と書いてある。大鳥のフォルムチェンジできる種類が増えたのだった。
〈PBR〉大鳥はラビリンスホールでの出来事を思い出せなかった。なので、なぜ蜂のフォルムチェンジ習得なのかと、疑問に思っていた。「ラビリンスホールは、また現れるかもしれない」と大鳥のラインに書かれていた。大鳥は、目指す場所へと歩きだした。