出会し
〈PBR〉メモリーズホールの中は、少し薄暗かった。ここに来たが、何がわかるのかまったくわからずに犬塚と猫田は歩いていた。犬塚は誰かの足音に気付いた。猫田も同じく誰かの気配に気付き歩くのを止めた。犬塚は、フォルムチェンジをしていた。犬塚が選んだのは、狼だった。猫田は熊のフォルムのままだった。犬塚は二階まで、勢いよく走った。猫田も勢いよく二階に走った。犬塚と猫田の二人は鉢合わせた。狼と熊の戦闘が始まろうとしていた。犬塚は素早く猫田の背後に回り込んだ。猫田が振り向いた瞬間、犬塚は猫田の頭めがけて噛み付こうとしたが、猫田の鋭い爪に払われてしまった。「なんていう腕力なんだ」と犬塚は言った。犬塚は、猫田の背後を狙い、素早く動き回っていた。猫田はその場を一歩も動かなかった。犬塚はラインのアプリを開き試してみた。試してみたこととは、上狼塚と鰐渕のグループを作り、「フォルムチェンジ」と送ってみた。すると、見た目は狼だが、頭は鰐っぽくなっていた。犬塚の狙い通りだった。「勝てる」と犬塚は言った。犬塚は正面から、猫田の左腕に噛み付いた。猫田は悲鳴をあげた。猫田は犬塚を振り払おうと必死だった。猫田は「フォルムチェンジ」と叫んだ。猫田の姿が消えた。
〈PBR〉猫田はメモリーズホールの三階の部屋で休んでいた。この時の猫田のフォルムは狐であった。猫田は犬塚が三階に上がってくる気配に気付き、熊のフォルムにチェンジし、亀の能力を追加していた。犬塚は猫田を見つけると正面から噛み付きにいった。猫田の右腕に噛み付いたが、腕が硬く、うまく噛みつけなかった。猫田は「争いはやめましょう」と言った。犬塚はフォルムを元に戻した。犬塚にとっては、フォルムチェンジの状態でいるのは限界だったので、丁度よかった。猫田もフォルムを元に戻した。猫田の左腕からは、血が出ていた。犬塚が「大丈夫か?」と言った。猫田は「あなたがやったのよ」と言った。犬塚は謝った。「あなたがメモリーズホールに来た目的は何なの?」と猫田が言った。犬塚は「メモリーズホールに向かえば何かわかると言われたから」と言った。猫田は「そう、じゃあさっさと目的を片付けましょう」と言った。そう言うと、犬塚と猫田はメモリーズホールの最上階の五階へと向かった。
〈PBR〉メモリーズホールの五階に着いた。五階に行くまでに何も変わった様子はなかった。五階は外の光が差し込んで、明るかった。「まだ自己紹介をしていなかったな、俺は犬塚っていう、よろしく」と犬塚は言った。「私は猫田、よろしくね」と猫田は言った。猫田が「あれを見て」と言った。目線の先には、石像らしきものが建てられていて、その横にはポストらしきものがあった。「あれは何だ?」と犬塚が言った。「あのポストらしきもの、通称記憶箱には、私たちの記憶のデータが入っているはずなの」と猫田は言った。犬塚が記憶箱に近づこうとした。すると、石像が動き出した。「ここは、わしが、とめる」と石像から聞こえてきた。石像は「フォルムチェンジ」と叫んだ。大きな声は響き渡っていた。