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皇帝の系譜  作者: 夢中闊歩
1章 0歳時代~1歳時代
8/15

皇帝の入厩

遅くなって申し訳ありません。最近仕事が立て込んでおりまして、遅くなります。次回も明後日までに更新できなければ、来週の火曜になると思いますのでよろしくお願いします。

 二歳と一か月がたった五月、俺は早くも調教師に預けられることが決まっていた。非常に物覚えが良く成長が早い俺は早々に調教を始め、7~8月頃に新馬戦を迎えることになっている。まあ…ひとつ特筆すべきことがあるといえば…、彼女、キングプリンセスが一緒に入厩したことか。最近良く一緒に育成行われてたし、なにせ彼女自身が俺と走るとタイムが良いそうで、調教は一緒に行った方が効率が良いという判断があったらしい。俺は別に構わないけど、将来的には俺らは別のレースで走ることになるから、早い段階で治しておかないと面倒だと思うぞ?


 それはさておき、俺が入厩したのは光安調教師のところである。天唄牧場と非常に仲が良い調教師であり、今まで何頭ものG1馬を排出してきている名門だそうだ。馬の気持ちを非常に大事にする調教師らしい。馬の気持ちを大事にするってことは当たり前のようだと思うかもしれないが、馬の性格などを完璧に把握してその良さを引き出すっていうことは案外難しく、それがかなり上手にできるのが光安調教師らしい。


 そして俺は今光安調教師のところで身体検査を受けていた。体重、体高、足の長さ…などなど様々な検査を受けた。これも馬の特徴をより正確に把握するために必要だとのこと。なにか丸裸にされている気分で恥ずかしい。(そもそも裸であるということは気にしない)


 ここ最近、坂路コースで調教をしたり、トラックコースで全力で他の馬を追いかけたりすることが多かったので、より筋肉がついたと思う。そしてまだまだ大きくなる馬体には自分でも笑った。今は恐らく500キロは超えてきているのではないか…??


 そんなことを考えていると、龍田社長と、光安調教師が二人で歩いてこちらにやってきた。そして龍田社長は満面の笑みを浮かべている。


 「光安、凄くないかこのシキノテイオーは?俺も今まで沢山の馬を見てきたがこれ程の素質馬を見たことがない。シンボリルドルフ、トウカイテイオー、トウショウボーイなどのいいところだけを引き継いで生まれてきたような馬だと思う」


 光安調教師もそれに頷く。


 「そうだね。龍田お前凄い馬を持ってきてくれたな。久々に俺も心が沸き立ってるよ。これだけの素質馬を自分の手で育てることができるなんて、調教師冥利につきるな」


 光安調教師と龍田社長は古くからの知り合いなのだろうか?非常に仲が良い風に見えるが。まあ良いことだ。調教師と牧場側の信頼があったほうが色々楽だしな。


 「色々他の馬より数値が良いが、何より心臓の大きさが凄いと思うぜ?今の段階で普通の馬の1.5倍は確実にあると考えられる多きさだ。恐らくシキノテイオーの運動能力の高さの秘訣はここにあるんではないかと」


 なるほど…俺の心臓が他の馬より大きいから走っても疲れにくいのかもしれないな…。



 ここで光安調教師が難しい顔をして、龍田社長に話し続ける。


 「ただな、今年皇谷ファーム系列で、これまた化け物クラスの馬が入厩するという噂があるんだよ。ディープインパクト産でな、他にもオルフェーブルやハーツクライの産の馬でも結構な素質馬がいると聞く。その馬がどんなのかはまだ未知数だか、情報通りならこのシキノテイオーと来年のクラシック戦線を戦う可能性が高いな…」


 それを聞いて俺はもう一度決意を固めた。はやりSS系列を打倒してこそ本当の勝利だな。絶対勝ってやる。

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