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皇帝の系譜  作者: 夢中闊歩
1章 0歳時代~1歳時代
5/15

皇帝の調教模様

新馬戦まではさらっと流していく予定です。

 北海道の長く厳しい冬が過ぎ、春も過ぎ、夏の終わりに入った。1歳後半に入ってきたので、育成牧場に入った。一歳を過ぎた頃から、馴致などの調教が始まった。うちの牧場、天唄アマノウタファームというのだけれども、結構大きい牧場らしく、入厩までの調教もやってくれるらしい。

  

 日本競馬の弱点と言われてきた、1歳後半~2歳前半にかけての調教にも力を入れているそうで、調教は厳しいです。だけれども、俺たちの成長もみてくれているので、怪我をするような馬はいない。


 正直いうと、腹帯やら人なれやらは、あっという間に馴れました。もと人間であるし、腹帯も背に人を乗せるということも、最初は違和感があったけれども、調教をしていく中ですぐに馴れた。調教担当してくれる方がびっくりしていたね。まあ仕方ないかな。普通の馬であればもっと抵抗するだろうしね。


 そして調教は、基本的に坂路コース、トラックコース、角馬場などをこなしている。


 坂路コースにてパワーを鍛え、トラックコースで瞬発力をつける。俺はロングスパートもやりたいからね。そして角馬場なんだけど、これが非常に面白い。


 角場場は本来簡単なウォーミングアップなどの軽い調教で使われるんだけれども、うちの牧場は工夫がしてある。深い砂をいれているということだね。深い砂、ということは、パワーだけでは上手く走れないということなんだよ。無駄にパワーを使っても脚をとられてしまって前への推進力が失われてしまう。よって、しっかりとバランスを考えて走らないとゴテゴテの走りになってしまう。これによって柔軟を鍛えてくれるんだ。俺からすると非常に嬉しい。もちろん全員ではなく、パワーがある馬に基本的にこの工夫した角場調教をやっている。

 


角場場そのものはそんなに疲れるものではないが、色々と考えながら走っていると頭が疲れるね。まあこの角場場のおかげでより柔軟な走りができるようになっているのでは…?と思うようになった。


 ウッドチップ、芝、ダートそのコースに合わせて走り方を微妙に変え、より効率が良い走り方を目指している。


 力があるからって馬鹿正直に力だけで走ったって駄目だと思ってる。力を入れすぎてスタミナがなくなっては意味がないし、なにより俺はスプリンターになる気はないんだよ。目指せクラシック三冠に秋古馬三冠!(夢)


 そして今日は坂路コースの調教である。あまりしっかりと走ってもなので、少しずつタイムを上げていくことができればいいと思う。前半から飛ばしていくというよりかは、まずはラスト1ハロンでの瞬発力を試してみたい。それで良い時計がでれば、前半もある程度早いラップで走りつつ、ラスト1ハロンも良いラップで走れるようになりたい。ディープインパクトのような追い込みもやってみたいけれども、ダイワスカーレットのように先行、逃げもやってみたい。どっちかだとレースによっては失敗してしまうからね。追い込みをやろうとしていて、ペースが凄く遅い場合、早めに動くロングスパートとかもできるようにしておかないと、負けてしまうしな。



 ちなみに今日は坂路コースで調教しているぜ。坂だからやっぱりきついし、調教をしていてしっかりと筋肉がつくことも分かる。新馬戦前にはラスト1ハロン13秒とかで走れるようになりたいな。今はまだ無理だけれども…。


 こうして調教をこなしていく日々が続くのであった。

次話は、キングプリンセス担当の厩務員の方の視点です。

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