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皇帝の系譜  作者: 夢中闊歩
1章 0歳時代~1歳時代
2/15

皇帝の朝

この小説は完全に自己満足のものなので、血統がどうだ、本当はこれが違うというマジレスは申し訳りませんが、受け付けておりません。それでも良い方はよろしくお願いします。(母馬は架空馬です)

 「あら、かわいいわね。もっと沢山飲んでもいいのよ??」


 厩舎の中で若い厩務員のお姉さんから世話を受けているシキノテイオーだ。母親は俺を生んだときにそのまま亡くなったそうなので、代わりにミルクを与えてもらっているのである。そして自分の名前がシキノテイオーだと何故わかったのかというと、彼女が俺にそう呼びかけていたからである。しかし大変だ…。彼女…坂下さんというのだが、俺の栗毛が好きならしくとってもかわいがってくれて離してくれない。まあいいか。もっと甘えてあげようかな。

 

 頭を坂下さんのお腹にくっつけてじゃれる。セ、セクハラじゃないからな!今の俺は馬だからな!問題ない。


 「………。なんてかわいいの…。もう、お持ち帰りしたいくらいだわ」


 おい、家に持ち帰らないでくれ…。ペット可だとしても馬はたぶんだめだぞ。



 さて、話は変わるが、俺の血統が判明した。これも厩務員さんが話しているのを聞いたのであるが、どうだろう、非常に判断が難しい血統である。


 父親:トウカイテイオー(父シンボリルドルフ)

 母親:シキ      (母父トウショウボーイ)


 父、トウカイテイオーは言わずもがな名馬である。怪我をしていなかったら三冠馬になっていたかも…といわれる馬であり、復活を遂げた有馬記念は非常に感動的なレースになった。

 母、シキは、彼女自身は一度もG1を勝っていないようだ。重賞勝ちはあるようだが、G1では涙の二着が二回もあったらしい。


 サンデーダイレンス、キングカメカメハ、シンボリクリエスなどまったく俺とは全く系統が違うものが繁栄を極めている中、俺の血統は正直厳しいのではないのか。確かに父親は母父は名馬であるが、父は残念ながら種馬としての能力は現役時代と比べやはり劣っている。

 サンデーサイレンス系の馬が並み居る中、俺は勝てるのか…??


 いや、違うな。勝てなくとも競走馬として恥じない一生を送る必要があるな。幸い俺は転生者だ。他の馬よりも知能が高い。しっかりと調教をこなし、成長していけば少なくとも重賞は勝てる馬になれると思う。G1は勝てるかは分からないが、是非勝ちたい!俺の知識で言えば父テイオーは2013年に亡くなったはずだ。ということは俺はラストクロップ…。もし俺が失敗すれば、本当の意味で皇帝の系譜が終焉を迎えてしまう。


 幸い血統そのものはいいほうだ。繁栄してないにせよ、上手く俺が素質を引き継いでいれば、勝てる可能性もある。これは祈るしかないな。


 ディープインパクトやオルフェーブルの子供たちと戦うことも多くなるだろうな。心して調教を受けないと、ぼろぼろになりそうだわ。



 体がしっかりとしてきたころ、俺は坂下さんに連れられて牧場にきていた。本来仔馬は母馬と一緒に放牧されるのだが、あいにく俺には母親がいない。だから一番最初の放牧なので、坂下さん自ら母親役兼監視役として一緒にきているのだ。


 朝日に照らされる牧場の風景は非常に壮観だった。それにしてもうちの牧場は広いな。走っても走っても終わりがなさそうな程広い。ここから俺の競走馬人生の第一歩が始まると思うとなんともいえない感じである。そう思い俺は一歩を踏み出した。

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