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竜の異世界での過ごし方  作者: たろっと
異世界転生編
7/17

第7話 魔法って誰でも使える訳じゃないんだね

今回は冒険者様が出てきますが

その前に重要な設定を入れておきます

・・・突然だが黒竜のいる世界の魔法について説明しよう


実は、ファンタジーの夢の結晶である魔法はこの世界の住人でも

本来なら使える事は無かった代物であった。

・・・・・・しかし

魔法が使える種族も存在していたのだ


魔法に憧れた世界の住人達はこの種族と契約を交わし

様々な対価と交換で種族が持つ魔法の力を扱えるようになったのである


また、魔法の力と言っても力の大きさも能力もそれぞれ違い


ある種族は灼熱の炎を思うがままに操り


ある種族は水を際限なく湧き出させ


ある種族は晴天の空から落雷を降らせた


この様々な魔法を扱う種族を世界の住人達は〔契約獣〕と呼ぶ

〔契約獣〕たちは、様々な姿形をしており

まるで像のように大きい巨狼の姿をしている種族があれば

まるでぬいぐるみのように愛らしい子兎の姿の種族と

その姿形の種類は数え切れぬほどにあった


しかし、〔契約獣〕にとって大切なのは姿形ではない

その体の中にどれ程の知識があるかによって〔契約獣〕の格が決まるのだ

知識と言っても大抵の〔契約獣〕は動物とほぼ変わらない脳しか持たないため

契約した人間=契約者が幾ら命令しても言うことを聞かず

動物と同じ行動しか出来ない〔契約獣〕は下級と見なされるのである

また、知識量によって〔契約獣〕の力の強さは変わり

より賢い〔契約獣〕程その力は強いとされている


また〔契約獣〕の力は魔法と呼ばれているが

魔法を使用する際に必要とする魔力の量もランクを決める際に

重要な判断材料とされる


  〔契約獣のランク〕


〔契約獣にはS~Fランクまで強さがわかれている〕


 ○ Sランク【魔力量:1000以上】

 【人以上の知識を持ち、人語を話し、自由に姿を変える事が出来る】

 一般的に契約獣の最高ランクとされるが現在、Sランク契約獣は存在しない


 ○ Aランク【魔力量:800~999】

 【人と同等の知識を持ち、人語を話す事が出来る】

 また、Sランクがいない今、世界で数匹しか存在しない


 ○ Bランク【魔力量:600~799】

 【Aランクと条件は変わらず、魔力量によってAかBか決まる】

 Aランクよりはかなり数は多い


 ○ Cランク【魔力量:400~599】

 【人語を理解する事は出来るが話すことは出来ない】


 ○ Dランク【魔力量:200~399】

 【人語を多少理解するものの、あまり深く物事を考える事が出来ない】

 また現在最も数が多い〔契約獣〕のランクである


 ○ Eランク【魔力量:100~199】

 【人の言葉を理解せず、多少賢い動物並みの知能しかない】


 ○ Fランク【魔力量:100以下】

 【Fランクは知能も能力も低く契約者も魔法を使う事が出来ない】


これらのランクにわかれる〔契約獣〕であるが

ご覧の通り、Sランクがいない今、Aランクの数が一番少ない

しかし実際は、Aランクの〔契約獣〕は確かに数も少ないものの

たった数匹とまで少ない訳では、ないのである


何故、高位契約獣の数が少ないのかといえば

それは、契約獣との契約が極めて困難だと言う事に他ならない


契約獣と契約者の契約・・・それは、契約獣を見つけ出し

己の力を契約獣に認めさせる事から始まるのだ

そして、それは戦闘であったり、知識量の多さであったりと契約の仕方は人それぞれである

要するに契約獣に契約する価値があると認められれば契約は完了するのだ


しかし、人と同じ位の知識があり

人よりも強い身体をもつ高位契約獣に認めて貰う事は

極めて困難なのである・・・それゆえ、高位契約獣は少ないのだ


一先ず此処で契約獣の話から離れ

話は元へと戻る


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


此処はエキスペル王国の首都ラエザル

そんなラエザルに存在する冒険者ギルドと呼ばれる

世界の迷宮を探索する冒険者が集まる施設での事・・・


・・・・男は、その時かなりイラついていた

そう、周りの人々が男から数歩離れ遠巻きに男の様子を伺わせる程までに

男はイラついているのであった。


普段は、ガヤガヤと活気に満ち溢れたギルドの内部も

この男の怒りのオーラにより静寂に包まれている


しかし、男はその場の静けさには、全く気付いてはいなかった

男の視線は真っ直ぐに目の前のもう一人の銀髪の男に向いていたためだ

般若のような顔で睨みつける茶髪の男の視線を

銀髪の男は何も知らない興味ないといった風に無視していた


そんな二人に数十秒・・あるいは数分の時間が経ち


・・・・・・・・・・ドンッ!!!


突如、二人の間の静寂が消え去る

茶髪の男は目の前にあったテーブルに

思いっきり拳を打ちつけた為であった。


「・・・・・レイヴァン・・テメェ何時になったら俺の言った事を守るんだ!?」


茶髪の男が怒鳴るものの銀髪の男はまるで無視である

しかしその態度がより茶髪の男を苛立たせるようで

大声で騒ぐ茶髪の男を銀髪の男はチラリと横目で見た


「・・煩いぞガイア・・貴様は叫ぶしか能が無いのか?」


まるで氷と表現できる様な冷たい声でレイヴァンと呼ばれた男は

ガイアと呼ぶ男を鋭く睨みつける


「何だと!テメェ!!そもそもテメェが俺の言いつけを破るからだろうが!」


「黙れ、その件に関しては俺は運命を感じた相手としか結ばれないと決めている」


「別にお前なら選びたい放題だろうが」


「馬鹿め、運命の相手と結ばれることが俺の夢だ」


「ってか、何で恋人選びみたいな会話になってんだよっ!?」


ガイアは頭を抱えて叫んだ

まるで恋人を選ぶかのような二人の会話だが

実際の話の内容は大きく異なっていた


「やはり馬鹿か、“契約獣(・・・)”と恋人など意味的には同じだろう?」


「違ぇよ!契約獣と恋人なんて意味が全然違う別物だ!」


「俺は、契約獣を恋人にするから同じだ」


「コイツまじ変人だ!!!」


堂々胸を張って答えるレイヴァンに

半泣きで答えるガイア・・・そんな二人を

周りは「またやってるよあいつ等」的な目で見ていた


しかし、そんな会話では、あるが

実はこの二人、中々凄い奴らなのである


まず、ガイア・・・彼はこの冒険者ギルドのギルドマスターであり

このラエザルに拠点を構える冒険者達からの人望も厚い

かなり有名なギルドマスターである


そして銀髪の男・・レイヴァンは冒険者ではあるが

決して只の冒険者などではなかった。

この世界のギルドの冒険者には契約獣と同じくS~Fのランクがあり

今までの功績によりそのランクは変化するシステムだ

そしてレイヴァンは冒険者の中でもAランクにある

凄腕の冒険者なのである・・・・しかし


彼が凄腕といわれる訳はAランク以外にも理由がある

この世界の人々は幼い子供でさえ契約獣を持っているのが

当たり前で常識である・・・しかし彼は


『俺は運命の相手(契約獣)としか結ばれる気は無い!』


幼少期からそう言い張り

今まで契約獣と契約をした事がないのである


冒険者としての活動も剣の腕だけで

Aランクまで成り上がるという荒業で

今まで強力な契約獣を持つ他の冒険者を

差し置いて今の凄腕と呼ばれるまでに至ったのである


そしてレイヴァンはSランクへのランクアップも噂されてはいるが

残念ながらSランクの冒険者は契約獣を持っている事が大前提なため

レイヴァンがSランクへ上がる事は今の所無いだろう


しかし、そんな彼を見たガイアは

彼にSランクへ上がるために契約獣と契約する事を勧めているのだった

・・・・・・・しかし、そんなガイアのレイヴァンを気遣っての忠告も・・


「話はもういいだろう・・俺は契約する気は無いさっさと帰れ」


しっしと犬猫を追い払うように手を振るレイヴァン

ガイアはそんな彼に大きく溜息を吐く


「・・・・ちゃんと考えておけよ」


立ち去った彼を見て重い空気が消え去ったのか

周りにいた冒険者達はほっとしたような安堵の息を吐く


一方レイヴァンは手の中のグラスに入った酒を煽りながら


「俺は・・運命の相手としか結ばれない・・・・誰が何と言おうと」


まるで決意を固めるが如く言った

 ・・・・・しかし悲しい事にうっかり聞こえた周りの人々には

その台詞は良いようには聞こえなかった


運命の恋人(人型種族)を探しているならまだしも

運命の契約獣(人外)=恋人という公定式を成り立たせている

ロマンチストな変人の言葉には誰も賛同はしないのであった




その頃、とある山奥で


『グルルゥ!?(うおぉっ!?)』


「きゅう?」


突然、身体を震わした黒竜にカーバンクルは首を傾げる


『グル、グルルルル(ごめんな、ちょっと急に寒気がしてな)』


風邪かな?と内心、寒気を気にする黒竜だったが

その寒気が風邪よりも質が悪い事を彼はまだ知らない

変人な冒険者様の登場でした

コレから段々、二人を引き合わせてゆきます

また、冒険者様には契約獣の性別は関係ありません

運命の相手・・それが最優先事項の変人です

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