第5話 何事にも練習は必要だよね!
さて、今俺は森の中で
この世界のあまりのシビアさに項垂れていた
足元では緑色のリスモドキが落ち込む俺を必死に励ましている
何故俺が落ち込んでいるのか・・その理由は約数分前に遡る・・
・・・数分前・・・
俺はゴブリン達を倒した後
暫しの間、緑色のリスと楽しく戯れていた
きゅいきゅいと嬉しそうに俺の首元に擦り寄るリスモドキは全く持って可愛い
先ほどまでゴブリンの事で落ち込んでいた俺としては良い癒しだ
やはりアニマルセラピーは偉大である。
俺は倒れていた3匹のゴブリンの屍を見て首をかしげた
『グルゥ~、グルルルゥウ?(う~ん、コイツ等どうしようかな?)』
ハッキリ言って焚き火の火を使って料理はしたいが
人外と言っても死体が3つもゴロゴロ転がっている中での食事は
全力で遠慮したいものであった。
俺が迷って唸っていると
サラサラサラ・・
ソレは、突然に起こった
『グルァ?(はぁ?)』
少々間抜けな声を上げてしまったものの
俺は目の前の現象に自分の目を疑ってしまった。
何故なら3つのゴブリンの死体がキラキラと金色の粉になって消えてゆくのだ
完全に金色の粉へと変わった死体は空中で存在感を無くしていき
俺がハッと我に帰った時にはすでに目に見えなくなっていた
3つの死体が転がっていた場所にはもう何も存在せず
あたり一面に広がっていた緑色のゴブリンの血も綺麗に消えていた。
『グルルルルゥ・・(まるでゲームみたいだ・・)』
非現実的な現象を見てつい呟いてはみたものの
もしかして此処はゲームに酷似した世界なのでは?
そんな疑問が膨れ上がってしまう・・
しかし、そんな疑問を持つと逆に試してしまいたくものがある
俺はちょっとだけ期待して高らかに叫んでみた
『グルウウゥ!!(ステ-タスッ!!)』
そう!良くあるゲームやゲームの世界に飛び込んでしまった物語では
この一言をいえば自分の能力などが見れるものである
ポンッ!
軽い音を立てて出てきたソレは確かにステータスだった
『グルアアアアァァー!!!(マジで出てきたぁぁー!!!)』
半信半疑だった俺はステータスに驚き大きく仰け反る
・・・・【ステータス】・・・・
〈name〉ユーヤ
〈種族〉黒竜
〈加護〉《異世界の転生者への慈悲》
効果:戦闘時、罪悪感を減少(大)させる
《竜神の加護》
効果:約30%の確立で相手の攻撃を防ぎダメージを相手に跳ね返す
【スキル】
○ 噛み付くLv3
○ ダッシュLv5
○ 引っ掻くLv2
○ 守護者の決意Lv1
・・・・・・・・・・・・・・
・・何だコレ
何処に突っこめばいいんだ?
俺は、空中に浮かぶステータスを眺めながら固まる・・
そしてハッとして今の現実にキレた
まず、名前がユーヤってなんだよ!?
俺には香川優弥って名前があるのになんで大幅に略されてんの!?
神か!?神がコレ決めたのか!だったらマジ神滅べ!!
次に何、加護って!?
《異世界の転生者への慈悲》って何!?
もうコレ、彼方は異世界に転生したんですよ!って言ってるのと同じじゃないか!
せめて一言ぐらい説明して欲しかったよ神様!
それに、ゴブリン倒すときに俺が可笑しかったのもコレのせいかよっ!
悩んでいた事が突然に拍子抜けしてしまう程
簡単に解決してしまい一旦休憩とばかりに俺は深呼吸をして落ち着く
そして《竜神の加護》へと胡乱な目を向けた
コイツかあの不思議減少の原因は・・・
しかし30%といえど結構使えそうなスキルである。
そして俺はスキルの方へ目を動かして深く溜息を吐いた
勘違いなら良いが恐ろしく否な予感がする・・
足元ではリスモドキが“どうしたの?”と言った感じに首を傾げている
しかし、俺はそんなリスモドキを気にせず
試しとばかりに背中の翼を羽ばたかせてジャンプする
勿論、飛ぶ事は出来なかったものの
ピコーン
【新しいスキルを取得しました】
機械音のアナウンスが流れ
俺はもう一度ステータスに目を通す・・・すると
○ 飛行Lv0←NEW
・・・やはりか・・・
俺はスキルを見て否な考えが浮かんだのだ
つまり、前々に試した火を吹くことも空を自由に飛ぶことも
このスキルというものを取得しなくては出来ないのである!
『グルァ~グルルルゥ!?(マジかよぉ~なんで竜が飛ぶのにスキルが欲しいんだよ!?)』
俺はこの先の大変な道のりを理解して項垂れた
・・・そう、ファンタジーの夢である竜として
空を自由に飛ぶことも火を吐くことも
まずは練習しなければ夢のまた夢なのだ!
・・・・・・こうして時は現在へと戻る
俺は、必死に励ましてくるリスモドキに
“大丈夫”という意味を込めて数回撫でると
俺は顔を上げ
『グルゥ!グルウウゥゥゥ!(よしっ!一先ずは頑張るしかないか!)』
心の中で“ポジティブになるんだ!”と何度も呟きながら
勢いよく立ち上がった・・・・
『グルルルルウゥゥ!(スキルさえ上げれば俺だって並の竜程度にはなれる筈!)』
・・・そう、能力がスキルによって決まるということは
この俺だって一生懸命頑張れば並の竜のように飛べるようになる筈である!
まぁ、この世界の竜がどんなものか知らないため飛べると予想しての事であるが・・
《一先ず目指すは並みの竜!》
そう俺が気合を入れて叫ぶと
足元に居たリスモドキも意味無く気合を入れるように鳴いた
うん、マジ癒される・・
注意:主人公がいる世界はスキル制なだけで
ゲームの世界などではありません!
スキル:守護者の決意については次回出てきます!
あとこの世界ではスキルのLvはあっても
プレイヤーLVなどはありません!
次回は主人公のスキルLv上げです!←たぶん
主人公のステータス
〈name〉ユーヤ
〈種族〉黒竜
〈加護〉《異世界の転生者への慈悲》
効果:戦闘時、罪悪感を減少させる
《竜神の加護》
効果:約30%の確立で相手の攻撃を防ぎダメージを相手に跳ね返す
【スキル】
○ 噛み付くLv3
○ ダッシュLv5
○ 引っ掻くLv2
○ 飛行Lv0
○ 守護者の決意Lv1