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エピソード5 気分

Episode5

登場人物

加地 伊織:主人公

池内 瑠奈:泣き虫

館野 涼子:しっかり者

源 香澄:いたずら者

難波 優美:お天気屋


イギリス遠征 四日目の朝、

二日酔いの3人がソファに埋れ込んでいる…殆ど機能停止状態。 それにしても部屋が綺麗なのは、しっかり者?の涼子が朝早くから片付けてくれたからである。


伊織:「あの後、まだ飲んでたんですか?」

香澄:「もうしません。 …勘弁してください。」



瑠奈:「DNA鑑定結果の連絡が届いたわ、」


瑠奈は比較的軽症らしい…

スマホのEメールを読み返して要約する。


瑠奈:「日本にいる吾妻さんは正真正銘の本物よ。 両親のDNAと親子関係が確認されたわ。」

香澄:「どっかに隠してた双子の妹だってオチは無いでしょうね?」


香澄は、重症らしい…

ガラス製のテーブルに顔を押し付けたままじっと眼をつむっている。


瑠奈:「未だ6月以降の記憶は戻らないみたいだけれど、それ以外は全く問題なし。 健康そのものだそうよ。」


優美は、辛うじて軽症らしい…

ここん処の相変わらずで不機嫌そうに伊織を睨みつけている。 でも顔が赤い。


伊織:「そうか、まあ良かったな無事で。」

香澄:「でも、これで青龍の回収が難しくなったわね。」


香澄、顔が青い



瑠奈:「発信源は一体何を指しているの?」

香澄:「あれは、吾妻がつけていたブレスレットにくっつけたのよ。」


伊織:俺が誕生日のプレゼントにあげた奴か


香澄:「とにかく…ブレスレッドは一度イギリスに来たって事よね。」

香澄:「やつらもまさかブレスレッドだけ持って帰るなんて間抜けな事はしないでしょうから、調べてみる価値はあると思うわよ。」



涼子、二日酔いの薬と水を運んでくる。 薬は瑠奈が日本から持ってきたもの、水は優美用に買ったスパークリングウォータである。


香澄:「今日、近くまで偵察に行ってみましょう。」

香澄:「オックスフォードやバイブリーは有名な観光地だから、日本人がうろついていてもそれほど怪しまれる事は無いと思うよ。」



香澄、薬を服用、その後再びテーブルに臥せる。


瑠奈:「香澄ちゃん、あなたその状態で本当に行くつもりなの? 二日酔いでもれっきとした飲酒運転なのよ。」

香澄:「ちょっと休めば大丈夫、だと思うわ。…池内は単独運転宜しくね。」


瑠奈:「えぇ、未だ無理だって!」

香澄:「大丈夫、Pマーク貼っつけとけば平気。」

伊織:「何それ?」

香澄:「こっちの初心者マークみたいなものよ。」



伊織:二台で行くと言う事は香澄+涼子ペアか、瑠奈+優美ペアか、

昨日の今日で、しかも不機嫌そうな優美には近づきたくない気もする。


伊織:「じゃあ、俺は博士の車に乗ろうかな…」

瑠奈:「ヒドイ、アタシを見捨てる気? アタシ伊織クンを見捨てないでイギリスまで来たのにぃ、」

伊織:「分かりました、乗ります。」



果たして、瑠奈のマニュアル車運転は想像を逸していた。


瑠奈:「ああん(ギヤが)入んない。」

瑠奈:「きゃっ、がくがく(エンスト)しちゃう。」

瑠奈:「あぁ、(ワイパー)勝手に動いちゃう。」


伊織:「池内さん、わざとやってますよね…」


伊織、助手席で軽く車酔い

優美、後部座席でじっと耐える



一同、高速道路に乗る前にハンバーガー屋で腹ごしらえする


伊織:「これは日本と同じ味だな、」


優美、ハンバーガーを食べないので一人車で待っている

伊織:「お待たせ 紅茶買って来たぞ。」


伊織、一足先に車に戻る、女子達はトイレ


優美:「ありがとう変態。」

伊織:「何だよそれ。」

優美:「酔った勢いで人を襲うなんて変態以外の何者でもないわ。」

伊織:「言っとくけどお前達が襲ってきたんだからな。」



優美:「そんな事よりも、ちょっと気になってる事があるのよ、」


伊織:そんな事なんだ…


優美:「昨日シロはミジンコの言う事を聞いたわよね、どうしてかしら?」

伊織:「さあな、お前の貞操を護ろうとしたんじゃないのか?」

優美:「まさか、、」

伊織:「案外俺にも慣れて来たのかな? 他の聖獣にも名前付けて飼いならそうかな?」



高速道路

伊織:「こっちの高速道路って無料なんですね。」


あっと言う間に高速終点、ランナバウトが有って今度は田舎道


伊織:「のどかだな~」

伊織:「あっ、羊が居ますよ。」

瑠奈:「香澄ちゃん速い~、対向2車線で時速100kmは無理!」


またまたランナバウトが有って今度は市街地、何だか香澄号は随分先に行ったらしい。 今やナビだけが頼り。


伊織:「街中は30マイルなんですね。」

瑠奈:「あっ、なにこれ!」


突然通行止め


瑠奈:「どっち行けば良いの?」

伊織:「ナビの通りには進めないみたいですね。」


瑠奈:「何で迂回路とか書いて無い訳?」

伊織:「後ろの車がクラクション鳴らしてますよ。」



仕方なく路肩に駐車、香澄に電話かける。


瑠奈:「どっち行ったの?」

香澄:「…」

瑠奈:「無理だってば、ナビ、Uターンしか言わないよ。」

香澄:「…」

瑠奈:「鬼! 香澄ちゃんの鬼!」


伊織:大人が迷子になって泣くのを始めて見た。


伊織:「どう、したんですか?」

瑠奈:「ビスタビレッジで待ってるから何とかして辿り着けって…、そこらに歩いてるおじさんに道聞けって…。」


伊織:「池内さん、英語大丈夫?」

瑠奈:「駄目、伊織クンは?」

伊織:「俺は、英語赤点ギリギリ」

伊織:「優美は?」

優美、無視…


伊織:「大丈夫です、とにかく、あっちの方に進んでみましょう…。 多分あっちの方。」


瑠奈:「でも、ビスタ何とかって何処よ。」

伊織:「ちょっと待て、こういう時のスマホだろう。」

伊織:「博士を友達登録してあれば、位置が分かるはず、ほら、でた。」

伊織:「それで…その地点への経路を探索すれば…ほら、道案内が出ましたよ。 泣かないで。」

瑠奈:「伊織クン、道案内してよ。」

伊織:「大丈夫です、任せてください。」



瑠奈号、30分遅れでビスタビレッジに到着。 早速電話


伊織:「博士、今着きました、今何処に居ますか。 今駐車スペースが無くって、車を離れられないんです。」

香澄:「お疲れさま。」


車の運転席の外に香澄が立っている。 何故だかブランド物の紙袋を沢山抱えている。


香澄:「もう直ぐオックスフォードよ、そこでお昼にしましょう。」

瑠奈:「もう置いていかないでよ~。」


香澄:「大丈夫だって! 此処まで来れたじゃない! シーコートのパークアンドライドに車停めて、そこからバスでシティセンターに行きましょう。 クライストチャーチの前のアリスの店で待ち合わせね。 じゃ! そういう事で。」


伊織:「シーコート、えっ、パーク何? ちょっと…博士。」



香澄、颯爽と立ち去る。


伊織:「あの人、絶対楽しんでるな…この状況。」

伊織:「それにしても朝はあんなに苦しんでたのに、滅茶苦茶立ち直り速いな。」


伊織、溜息



再び香澄のスマホの跡を辿りながらナビ、15分遅れでパークアンドライドの駐車場に到着する。


伊織:「ここに車を停めて、バスに乗るんですよ。」

優美:「ミジンコ!」


優美、久しぶりの発声 なんだか機嫌が直ってる?


伊織:「おぅ、どうしたの?」

瑠奈:「アタシ駐車券買ってくる…。」


瑠奈、とぼとぼ券売機に向かう


優美:「二階建てバスだ! 二階に乗ろう! 早く!」

優美、いきなり伊織の腕を掴む


伊織:「ちょっと、待って。 未だ池内さんが…。」



優美、バスの運転手と愛想良く話する。 伊織の腕を引っ張って二階へ。


伊織:「凄いな、お前英語ぺラペラじゃん! それで、…なんて言ったの?」

優美:「後からくるおばさんが料金払うって言ったの。」

優美:「ほら一番前空いてるよ。 凄い! 私高いところ好き。」


伊織:何だ。この変わり様は?


ようやく瑠奈が追いついてくる。


瑠奈:「置いてかないでよ~。」



やがてバスは走り出す。


優美、ご機嫌

伊織、おどおど

瑠奈、疲れ果ててる


伊織:ちょっと待てよ。 一体何処で降りれば良いんだ? このバスまるっきり車内アナウンス無いじゃん!


何だか、バスは市街地らしい所へ入る。

何だか、バスは市街地らしき処から離れ始める


伊織、急ぎスマホで再度香澄の位置を検索

伊織:「ああっ! 行き過ぎてる! 降りますよ!」


少々行き過ぎたところで一同バスを降りる。


優美:「もうおしまい? つまんない。」



スマホ片手にとぼとぼ歩く。


伊織:「結構、行きすぎちゃいましたね。」

優美:「ミジンコ、今度、あの塔に登ろうよ。 ほら、あそこに誰か居るよ。」


優美、伊織の手を引っ張ってぐんぐん進む。


瑠奈:「ちょっと、アリス何とかで合流するんじゃなかったの?」



一同、時計塔に到着


優美、受付のおじさんと愛想良く話する。 伊織の腕を引っ張って細い螺旋階段をぐんぐん登る。

瑠奈、お支払い


優美、伊織、頂上に到着 したたか息が切れる


優美:「凄い、みんながあんなに小さく見えるよ。」


優美、オックスフォードの景色を堪能

瑠奈、ようやく追いつく

伊織、その男を見つけて、凍りつく




軽く190cmは超えていそうな身長、殆ど坊主頭に刈り上げた金髪にしっかり顎の張った端正な顔立ち、格闘家らしい鍛え上げられたガタイ。


伊織:「キース、」

キース:「やあイオリ、思ったよりも早かったね。」


そのイケメン、かなり爽やかな笑顔

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