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 ロック

 

 元々、探索癖のあるタニア。扉を開けて、コンピューター室の外へ。

 

 ペタペタ……。

 

 歩いていると、また赤いボタンが。

 

 押してみる。


 ウイイーーン……。


 扉が開く。タニアはこの動作を覚えた様だ。

 中は、広いコックピット。


 「わあ~すごーい」

 

 タニアは感嘆の声を出した。

 早速、椅子へ座る。クルクル回る椅子に、すっかりご満悦の様子。


 「おっもしろーい」

 キャッキャッと喜んでいるタニア。

 

 タニアは、ふと、前にある、機器が気になった。

 

 「?」

 触ってみようと、手を伸ばす。


 カ……チャ……カチ……チ……ャ……。


 少しして、


 ビービ―!!


 艦内にけたたましい警報音が鳴り響いた。

 タニアは驚いて、椅子からから腰を浮かした。

 しばらく鳴り響いた後、その警報音が鳴りやんだ。

 ほっとするタニア。

 

 「タニアサン、アマリキキヲサワラナイデ、クダサイ」

 「エレナスさん?」

 「ウチュウセンニ、エイキョウシテ、バクハツノキケンガアリマス」

 

 そんな、恐ろしいことをしれっと言うエレナス。

 

 「この建物、宇宙船っていうのね」

 

 エレナスもエレナスだが、それを気にしないタニアもタニアである。

 

 タニアの探索熱はまだ冷めない。

 

 「わあーい」

 

 睡眠室にある、ベットに身を埋めるタニア。

 ぽーんぽーんと、寝たまま、何回か跳ねてみた。

 

 「やわらかーい」

 

 きゃははっと笑って楽しむタニア。

 奥の部屋へ、奥の部屋へ……。

 

 その部屋は、暗かった。

 暗がりの中、ボタンを探す。


 カチ……、


 ボタンを押すタニア。すると、部屋が明るくなった。

 きょろきょろ、と見渡す。

 何もない、

 そう思い、部屋を出かけたタニアに、声がした。

 

 「誰だ?」

 

 「エレナスさん……?」

 

 ではない、

 

 そこには、誰かが居た。

 

 人影が、……。


 「貴方は?」


 「俺はロック。君は?」

 「私はタニア」


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