光
「今日は良い天気だなあー」
タニアは、そう言うと、その場で横になった。
ザアーー!
突風が吹いたと思うと、鷹が空を駆けた。
空を眺めるタニア。
「私も空を飛べたらなあ……」
どんなに、気持ちいいんだろう。
そう、タニアは思った。
離れ小島なだけに、他の人間は滅多に姿を見せない。
来たとしても、この辺りは天変地異が起きることが多いために、
怖がって逃げてしまう。
それが、この島の生存法にもなっているのだ。
タニアは、この島の唯一の人間だ。
その為、タニアは、誰に教えられることもなく、教えることもない。
ただ、島のおばばには、いろいろ相談ができた。
夜、
この島は、昼間は暑いが、夜は急激に冷える。
タニアは、おばばから教えてもらった、“火”をおこしていた。
うほっほっほっ……。
今日は、島上げての祭りだ。
子供が生まれたときは、いつもこれをするのだ。
きーきー、
きーきー。
うっほうっほ、
実に、にぎやかな祭りだ。
タニアは、葉っぱで作った、お面をかぶり、火の周りで踊っていた。
動物たちも、実に楽しそうに踊っている。
夜の宴は、そうやって暮れていった。
明くる朝、
「ふわあ……」
タニアは目を覚ました。そして、いつもの見回り。
ふと、タニアは空を見上げた。
?
なにか、光った。
タニアは、それを目で追った。
ヒュルルルル……。
「なんだ?」
それは、そのまま高度を上げることなく、一直線に島に向かって落ちて行った。
ドオオーーン……!
「落ちた……」
タニアは、暫く、呆然と見ていた、が、そんな事している暇はなかった。
大変だわ!
そう思い、タニアは急いで、走り出した。




