淑女
数日が経った頃、
「いいよ、本当に、綺麗だ。タニア」
「そう?嬉しいわ」
ツン、とした顔。をするタニア。まさしく、淑女になっていた。
タニアは、別に意識があって原始人をしていたわけではない。
淑女になることだって抵抗はない。
だから、すぐに順応できたのだ。
「レディータニア、食事に行かないか?」
ここは、ロックの部屋。
機械系の物がぎっしり。流石は、アンドロイド。である。
「いいわ、行ってあげても宜しくてよ」
「いこう、俺のタニア」
部屋を出る。
窓を見れば、もう、宇宙船は、宇宙へ飛び立っていた。
しかし、無重力には、なっていない。
それが、この宇宙船の本領発揮である。
下へと、下げる重力が働いているからだ。
ロックは、チラッと、丸い窓を見た。
そして思う。
―もうそろそろか……
そのあと、タニアを見る。
―彼女は、もう大丈夫だろうか。
通路の途中で、ロックは歩みを止めた。
「タニア、話しがあるんだ」
「なんですの?」
「今から隣にいる宇宙船との交流に行かないか?」
「いいわよ。でも、何があるの?」
「ああ、宴があるんだ。君への、歓迎会だ」
「そうですの」
「行こう!」
「そうね、行ってあげても宜しくてよ」
「そうだ、行こう。僕の可愛いタニア」
ロックは、そういうと、早速、服を着替えに、
ガサゴソ、ガサゴソ、
「そうだな、これがいいか……」
ロックは、コンピューターの方を見て、
「エレナス!どうだい?」
「イイデスヨ、ロック」
「そうかい、それじゃあ」
次は、タニアの服。
「う~ん」
考える、ロック。
「振り袖なんて、どうかなあ」
「私に?これ?」
「ああ、君にだよ」
「そう」
着替えるタニア。
「どう着替えるの?これ」
「う~ん」
分からない二人。
「それじゃあ……」
ガサゴソ、ガサゴソ。
これは?う~ん。
そして、似合いのドレスを見つけた。
うっとり、タニアを眺めるロック。
「いいよ、タニア」
「私、綺麗?ロック」
「ああ、綺麗だよ」
それじゃあ、と、服のいっぱいある部屋を出るロックとタニア。




