原始人タニア
こんにちは、想です。
今度は、宇宙船ものです。
読んでくれれば、幸いです。
プロローグ
一人の女が、木に掛かっているツルを掴み、思いっきり地面を蹴った。
大きい声を上げながら……、
「ア~アア~!」
女の子はタニアと言う。いつからか、そう言う名前だと、
彼女は分かっている。タニアは身体に布を巻きつけている。
この島は、ガレーシア島。
大きな海の真ん中にある。
離れたところには、他の大陸が存在するが、そんな事
彼女らは知らないし、知る必要もない。
ここは、ちょうど、惑星の真ん中に位置し、赤道直下にある。
雨は、バケツをひっくり返した様に降り、太陽は燦々と降り注ぐ。
タニアの目は空のように青く、金髪の髪、体はこんがり焼け、
スレンダーで、頑丈に出来ているので、雨でも風でも、何でもござれ。の様だ。
そんなタニアは、この島の、長。である。他には動物だけだが、
動物との交流だけでも、大変である。
クウウーー……。
ロバがタニアに何か用だ。彼女はツルを離して、地面に降り立った、
「クウウ、クウ」
彼女は、動物の言葉がわかっている。ふむふむ、と、ロバの話を聞いている。
「え?出産?貴方の嫁が……?そうなの」
タニアは、すっくと、立ち上がった。
「いいわ、私も立ち会う!」
「クウーッ」
ロバそう言っては喜びを表した。
ここでは、動物のみの大きな島。ちゃんと見てやらないといけないと、彼女は、本能で知っている。
うーんうーん、
雌のロバが、苦しそうだ。もう、出産間近の様子。そこに、雄ロバとタニアが駆け付けた。
「大丈夫?奥さんは」
「ぴー」
「ぴー」
と、いうのは小鳥のカップルだ。
「あら、おばば様も来ていたの」
そう言われたのは、伝説の生き物、ドワーフだ。おばば、と、いうのだから、女のドワーフだろう。
「来たか、タニア」
「おばば様、妊婦の具合は」
「今のところは、順調だが、何が起こるか分からないのが、出産だからね」
「……そうね」
苦しそうな、ロバだったが、何とか出産は無事成功した。
タニアは、こう思う。
―私も、いつか男と、結婚出来るのかな。
しかし、それは、タニア自身でも、予測不能なのだ。そう、これから起こることも。




