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第二話 キャラクター紹介は重要ですbyなつめ

 僕達が天文部に呼ばれてから一週間。僕達は天文部に所属している。言っておくけど自分達から入ろうとして入ったわけじゃない。

「……はぁ」

 ここ最近でもう癖のようになっているため息をつく。

「どうしたの? ため息なんかついて」

 部長専用事務用デスクの上に置いてある最新型ノートパソコンの画面から目を離さずに部長がそう聞いてきた。

「いや、なんで僕は今ここにいるのだろうと思って」

「そんなの決まってるじゃない。この私が入部させたからよ」

「部長、偉そうに言わないでくださいよ。あの日僕達を頷くまで脅してきたのはどこの誰ですか?」

「それは……、この私っ!!」

「堂々と胸を張って言わないでください!」

 この反応からこの人に罪悪感はないらしい。ふぅ、まったく困った人だ……。

 でも、本当にあの時の脅しは恐ろしかった。まずは言葉による精神的脅し。そのあとは部屋からさまざまな刃物系の凶器を取り出し物理的脅し。しまいにはデスクの中から出てきた拳銃を無表情で突き付けられ(本物かどうかはわからなかったけど)、そこまでいったところで僕達は脅しに屈して入部を決めたのだ。

 ……だってあの時の部長の目、殺意に満ち溢れていて今にも発砲しそうだったし。

 なつめちゃんなんて終始涙目で、銃を突き付けられてからは本格的に泣いてたよ……。

「はぁ……」

 再びため息をつく。

 あれだけ危ない物が出てきたんだ。なんかこの部屋、他にもいろいろな危険物がありそうな気が……。

 部屋を見渡す。部屋の両脇に備えられている棚の上に散乱している様々なものを眺める。今見たところで身に危険を及ぼしそうなものはないっぽい。

「大丈夫、なにも、ないから」

「読まれてる!? て、それよりもそんなニヤニヤしながら言っても説得力無いですよ!! 更に恐怖心が植え付けられます!!」

「じゃあいつか見せてあげるわ」

「あるんですね、やっばり!! あと丁寧にお断りします!!」

「あら、残念」

 部長はそう言ったがまったく残念がる様子を見せずに止めていた手で再びキーボードを叩きはじめた。

「はぁ……」

 さらにため息をこぼすと、僕はこの一週間の間に自然と定位置になった席に座わる。そしてどこから持ってきたのか、天文部の活動には絶対に必要にならないポットからお茶を注いで一口啜った。

「はふぅ~」

 肺に溜まった空気を吐き出して机に突っ伏す。

 現在、部室には僕と部長しかいない。梓となつめちゃんは今日は委員会の仕事で図書室の本の貸し借りの受け付けをしている。終わるのは四時らしいので多分もうすぐ来るだろう。あ〜、速く来ないかな〜。

 そんなことを考えてたその時、部長がボソッと、

「……よし、トロイの木馬送信完了」

 …………。

 ………………。

 ……………………。

 いや、今のは気にしないようにしよう、うん。そうだよ、トロイの木馬なんて今じゃ簡単に阻止できるって。

 さぁて、今日は何をするんだろうなぁ? いつも部長は今やりたいことをやるといった感じだから想像できないしなぁ。

 僕はムリヤリ違うことを考えて、さっき聞いた言葉を心の奥底にしまっておくことにした。


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