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~5分のスキル選択~

「選択時間は5分。これからの人生を決めるにはあまりにも短すぎる――」


神の用意した真っ白な空間で、俺は目の前に展開された半透明のインターフェースを睨みつけた。

まず全てをざっと通しで確認し、最重要だと判断したものから取るしかない。


『スキルポイントを割り振って下さい。あなたの総ボーナスポイントは170です』


「170ポイントか。少ないのか多いのか……」


――――――――――――――――――――

・名前:ナオキ

・外見・年齢設定 ▼

・スキル ▼

・魔法 ▼

・ステータス ▼

・耐性 ▼

・転生場所 ▼

・情報 ▼

・アイテム ▼

 残りボーナスポイント 170p

――――――――――――――――――――


なぜか苗字が消え、名前がカタカナ表記になっているが気にしない。外見や若返りにポイントを割くようなロマンは即断で捨て、俺はすぐに全体の「相場」と重要なものを確認するために『スキル』と『魔法』を開いた。


――そこには、目を疑うようなポイント設定があった。


――――――――――――――――――――

スキル

【森羅万象の理解:3500p】【絶対王権:2500p】【全属性無効:2000p】【経験値100倍:2000p】【神眼(未来視):2400p】【剣聖の極意:3000p】……

(中略)

【魔素分解(超級):500p】【魔素分解(上級):300p】【魔素分解(中級):200p】【魔素分解(下級):10p】

【魔素分解スキルなし:0p(※デフォルト設定)】


魔法

神星魔法メテオ:3500p】【時空支配魔法:1500p】【精霊王召喚:5500p】【死者蘇生:1200p】【古代滅びの魔法:450p】……

(中略)

【生活魔法:10p】

【生活魔法なし:0p(※デフォルト設定)】

――――――――――――――――――――


おい。ほとんど取れねえじゃねえか。


どうやら俺のポイントは少ないらしい。まあ凡人として生きてきた。異世界転生でもモブになるのは妥当だろう。身の程は弁えているつもりだ。


「……そして、なんだよこの『※デフォルト設定』って」


全身から嫌な汗がどっと噴き出す。

よく読む異世界ファンタジーにおいて、チートと呼ばれるスキルで無双するのは鉄則。そして強力なスキルや、組み合わせて強力になるものを選ぶのも鉄則だが、近年はもう一つ鉄則がある。


――転生時に神が騙してくるパターン。


自分の中の嫌なセンサーが働いていた。この「5分」という短すぎる制限のわりに膨大すぎる選択肢にも、悪意を感じる。

そして何より悪意を感じているのが、このデフォルト設定がランダムな場所にあること。なぜ事前に説明もなく、隠すような位置にデフォルトの設定が置いてあるのか。


俺は焦りと不安で震える指で、『ステータス』『耐性』『転生場所』『情報』『アイテム』のタブを次々と開いた。

案の定、そこにもデフォルト設定があった。


――――――――――――――――――――

転生場所

【王城の召喚の間:350p】【初級魔物地域:30p】

【中級魔物地域:0p(※デフォルト設定)】

【魔界:-40p】【魔王城:-50p】【宇宙空間:-100p】……


情報

【魔物図鑑完全版脳DL:20p】【異世界言語パック脳DL:15p】【一般常識・法律パック脳DL:10p】

【情報なし:0p(※デフォルト設定)】


アイテム

【神造の聖剣:80p】【身分証(貴族):50p】【身分証(一般市民):15p】【冒険者初心者セット:10p】【初期資金(小):5p】

【身分証なし(奴隷):0p(※デフォルト設定)】

――――――――――――――――――――


膨大なリストの中腹に、保護色のように『0p(※デフォルト設定)』が紛れ込んでいる。明らかに怪しい。


残り時間は2分を切っていた。

俺はリストの海から、嫌な予感のするデフォルト設定の回避だけを素早くピックアップしていく。


【生活魔法なし:0p(※デフォルト設定)】

→【生活魔法:10p】


生活って何だ。具体的な魔法は分からない。

だが「なし」だと、不便であろうことは予想できた。


【中級魔物地域:0p(※デフォルト設定)】

→【初級魔物地域:30p】


いきなり中級魔物のうろつく場所が初期設定? 冗談じゃない。


【情報なし:0p(※デフォルト設定)】

→【異世界言語パック脳DL:15p】

→【一般常識・法律パック脳DL:10p】


言葉が分からないのは論外だ。常識も、たぶん必要になる。


【身分証なし(奴隷):0p(※デフォルト設定)】

→【身分証(一般市民):15p】


……ここが一番悪質だろ。いきなり奴隷に転生とか勘弁してくれ。身分証の近くにあった生活資金5pもポイントが安いので一応取っておく。


俺は残りの二つの項目である『ステータス』と『耐性』から「※デフォルト設定」を見つけられていないことに不安を感じていた。


――――――――――――――――――――

ステータス&耐性

(※各Lv1で5p~Lv5で25p)

【体力】【生命力】【筋力】【敏捷】【魔力】【器用】【視力】【聴力】【嗅覚】……

【毒耐性】【病気耐性】【麻痺耐性】【睡眠耐性】【精神耐性】【呪い耐性】……

――――――――――――――――――――


上から順番に体力、生命力、筋力、敏捷、魔力、器用、視力、聴力にポイントを振る。

過酷な世界だとして、生き延びることが優先だ。魔力は少なめで、体力と生命力を多めに。毒耐性と病気耐性も取っておく。さらに、メンタル面や洗脳なども気になったので対策になるかはわからないが精神耐性も取った。


時間は残り30秒。デフォルト設定はこのステータスと耐性欄から見つけられない。


――仕方ない。デフォルト設定を見つけるのは諦めよう。

俺はスキル欄から何も取っていないのも気になっていたため、さっと開いて目に入った二つを取った。


【視力強化Lv3(15p)】

【聴力強化Lv1(5p)】


よし、間に合った。

俺は確定ボタンへ指を伸ばす。


その瞬間、インターフェースが、やけに親切な表示をした。

まるで――印鑑を押してしまった契約書を見せつけるかのように。


――――――――――――――――――――

【選択内容】

残りボーナスポイント:0p / 170p


■スキル(20p)

・視力強化 Lv3(15p)

・聴力強化 Lv1(5p)


■魔法(10p)

・生活魔法(10p)


■転生場所(30p)

・初級魔物地域(30p)


■情報(25p)

・異世界言語パック脳DL(15p)

・一般常識・法律パック脳DL(10p)


■アイテム(15p)

・身分証(一般市民)(10p)

・生活資金(5p)


■ステータス(55p)

・体力 Lv3(15p)

・生命力 Lv3(15p)

・敏捷 Lv2(10p)

・筋力 Lv1(5p)

・器用 Lv1(5p)

・魔力 Lv1(5p)


■耐性(15p)

・毒耐性 Lv1(5p)

・病気耐性 Lv1(5p)

・精神耐性 Lv1(5p)


【警告】未選択項目はデフォルト設定が適用されます

 情報耐性 Lv0(情報を脳にダウンロードする際、大きな負荷がかかります)

 嗅覚/味覚/触覚/痛覚 Lv0(各感覚をほぼ認識できません)

――――――――――――――――――――


……それじゃあ、さようなら。


神のそんな声が聞こえたかと思うと、俺の意識は閉じた。

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