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俺の彼女や妹が寝取られそう  作者: 流離の風来坊
NTR攻防戦

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16/22

第16話 覚醒

 夜は何事もなく平和であった。そして朝を迎える。集合時間を知らせるスマホのタイマーが鳴った。


 チュン、チュン


 隣を向くと可愛い女の子が裸で……なんてことはなく、俺は妹に叱られ、リビングのソファーに一人移動しており、自分の部屋には瑞葉が眠った。朝チュンか、健全な高校生の俺にはキツいぜ。


 起きた瑞葉と由愛が上階から降りてきた。


「「おはよう~」」


 ピンポーン


「お、小林も来たか」


 玄関を開けると小林がいた。


「おっす」


「おう、おはようさん」


 リビングに小林を通し、その間に女子達が朝食を作る。トーストを焼いてバターを塗る、タマゴを焼くという簡単なものだ。


 バタートーストは旨い。俺の大好物だ。パクパクと五枚ほど食べた。


「さて、みんな食べながら聞いて欲しい」


「俺はな、鉱泉宿の()()()()()()がポイントだと確信している」


 瑞葉

「電話ボックス? 確かにあれだけ異様な雰囲気だったわね」


 俺

「そうだ。数日前から俺の中の”何か”が知らせてくるんだ。あそこに行けと」


 瑞葉

「車を出してくれるご両親はいないし、どうやって行くの?」


 俺

「それは後でのお楽しみ」


 小林

「電話ボックス……賛成だ。オレも第一候補として考えていた」


 俺

「リュックに財布とか飲み物とか入れて、長袖で準備だ。用意できたら行くぞ」


 小林

「行くってどこへ?」


 俺

「電話ボックスに直接さ」


☆☆☆☆☆


「準備できたか? そしたら俺に捕まってくれ。たぶん、接触してればOKだ。テレポーテーションを敢行する」


 いいから、いいから、と小林と瑞葉の手を取り、後ろから由愛に抱き着かれたが、ちゃんと捕まってろよと声をかけ伝える。


「いくぞ! ロイヤルデモンローズ」


「「「えっ!」」」


 ギューーーン


 空間が歪んで、目が覚めたら電話ボックスの前だった。到着したと同時に皆が手を放して倒れ込んだ。行き当たりばったりの戦法だったが、どうやら上手くできたようだ。


 由愛

「ど、どうしたのコレ、ねぇーねぇーねぇーっ」


 瑞葉

「うわ~~~、電話ボックスまで一瞬で来ちゃったよ」


 小林

「ロイヤル…はないだろ。ギャラクシアン…は省いてエクスプロージョンだけでも好いだろうが。異次元へ放り込むならスターライト・エクスティンクションとかさ」ブツブツ


 俺

「いやな、俺はどうやら空間魔法のスキルに覚醒したみたいでさ、行ったところなら強く念じれば、即座に移動できちゃうんだよ。平たく言えばチート勇者だな」


 瑞葉

「へ? 義孝君、勇者様になったの?」


 由愛

「ちょっと小林さんと瑞葉ねえちゃん、ズレてるよ」


 小林

「ぜひ説明して頂けないだろうか?」


 俺

「小林君。最近、夢の中で啓示があってさ。多分、神様からだと思うんだが、こうしろ、ああしろって指示貰ったりして。ちなみに掛け声は俺が勝手に趣味でつけた」


 由愛

「掛け声、”ワープ”とか”転移”で良かったんじゃ」


 小林

「お前だけ俺たちとは違う夢を見てたのか」


 瑞葉

「義孝君、チート勇者様になったのなら、極大魔法のエクスプロージョンとか、オーロラ・エクスキューションとか、鳳翼天翔(ほうよくてんしょう)とか、波動砲(はどうほう)とか、すんごいの放てるんだよね?」


 由愛

「瑞葉ねえちゃん、やめて、それ以上はダメ、お願い」


 小林

「なるほど、じゃ次は?」


 俺

「間もなく夜になる」


☆☆☆☆☆


 あっという間に周辺が真っ暗になった。電話ボックスだけが緑色の光に包まれて浮かび上がっている。


 小林

「本当に義孝の言う通り、真っ暗になってるな」


 瑞葉

「なんだか異世界の聖女様になった気分だわ……」


 由愛

「聖女は止めて! いつも寝取られちゃうんだから」


 俺

「次に電話ボックスの中に入る。そして電話機に貼り付けられた電話番号に掛けるんだ」


 ピポパポ、ピポパポ、トゥルルルル、トゥルルルルル、ガチャ。


 謎

「お疲れさま、義孝君。よく頑張ったね」


 俺

「こんばんわ、神様。元の世界に戻れますか?」


 謎

「もちろん、三十秒後に()()()()()()()()()転送するからね」


 俺

「この夢の中の体験って意味があるんですか?」


 謎

「意味か、意味はないかな。なぜなら君の夢だから」


 俺

「俺の夢の中ですか……」(コレ、アウトだよな)


 謎

「この世には絶対というものはないんだ。そして常に動いている。良いものを探し求め、見つけ出すのは、愛やら趣味やら多々あるけど、それは君次第。頑張れ、若人」


 俺

「はい」


 謎

「それでは、元の世界へ戻り給え。アディオス!」


☆☆☆☆☆


「ふぅ~戻ってきたか」


 気づけば朝に出発した自宅に戻っていた。瑞葉や由愛、小林も一緒にいる。成功だったみたいだ。


 リビングの様子は今朝と同じ。一見すると夢の世界と全く変わらないのだが、元の世界へ戻ってきたという証拠がある。


 母

「あらあら、みんなで揃っちゃって。どうしたの、お菓子食べる?」


 俺

「ただいま、お母さん」


 由愛

「お母さん、ただいま」


 瑞葉

「お菓子、いただきます」


 小林

「お、お邪魔してます。ご挨拶が遅れまして、わたくし、小林と申します。由愛さんの……、由愛さんの、ゆ、友人です」


 俺

「普通は由愛じゃなくて、俺の友人だろ」



 みんな気づいてない? 解決したのか? セーフ? セーフだよね?



☆☆☆☆☆



 一週間後

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