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俺の彼女や妹が寝取られそう  作者: 流離の風来坊
NTR攻防戦

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第14話 夢の世界

「今のところ、オレの推理はこうだ」


 小林が話し始める。


 小林

「オレの両親に対しても記憶が薄い。自宅に帰ってこない。そして夢には、お前たち含め四人しか出演してこない」


 俺

「夢の内容はどうなんだ?」


 小林

「様々な感じだ。遊園地に行ったり、山でキャンプしたり。清流で釣りしたり。…魔法使いになったり。至って普通の夢だな。変なところはなくて今まで気づきもしなかった」


 俺

「魔法使い……」


 ププッと笑いそうになったのをこらえる。


「義孝」


 俺

「すまん、続けてくれ」


 小林

「まず朝食や夕飯の事だ。おれは全く覚えていなかった。昼の学食だけの記憶しかない」


 俺

「なるほどな、じゃ、眠る時は?」


 小林

「眠る時? 何だソレ」


 俺

「いや、瑞葉と由愛が、目を瞑って眠る時に見る、変なツーショットというか、ペアの話。二人しか出演しないそうだが」


 小林

「分らんな。おれにはソレはない。詳しく聞かせてくれないか?」


「「いえいえ、それは関係ないですからっ」」


 急に瑞葉と由愛が声をそろえた。なんだろう?


「話が進まなくなるから、推理の先をお願い」と瑞葉。


 小林

「……分かった。朝食と夕食、これは食っていなければ生物的にもマズいと思うんだ。エネルギー的にも痩せて来る筈。だけど、瑞葉ちゃんも由愛ちゃんも健康優良児だよね」


「なんだか褒められてるのに失礼なこと言われている気がするわ」


「まぁまぁ瑞葉ねえちゃん」


 小林

「飯を食わねば、生物学的エネルギーが吊り合っていないわけで、身体に悪影響が出るってわけだ。それがない」


 俺

「違和感の一番分かりやすい感じだな」


 小林

「その通りだ」


 俺

「続けてくれ」


 小林

「両親が帰ってこないのに、財布の金は減っていない。義孝とベテラン喫茶店にて木下を目撃したり、他校の巡回に電車やバスを利用したりでお金を払っているのに財布の中は一晩たったら元通りだった」


 瑞葉

「嫌な思い出だわ……ぐすん」


 由愛

「私も」


 俺

「まぁ、NTR未遂事件だったんだからオッケーだぞ、気にするな」


 由愛

「お兄ちゃんに上書きして貰いたい……」


 瑞葉

「由愛ちゃん、それは別の時に私が聞くから」


 俺

「上書きって、どういう意味なん?」


 瑞葉

「知らない方が好いよ。今は聞かないで、いつかね」


 俺

「いや上書きって、恋人や旦那がしてあげるものだろ、兄じゃだめじゃね?」


 由愛

「お兄ちゃん、もぅ~~、きらい……」


 小林

「……キミたち、楽しい会話の最中に申し訳ないのだが、話を進めさせてもらっていいか?」


 小林

「でだ、金銭の流れがおかしい、朝夕の食事の流通経路がおかしい、生物学的エネルギー保存の法則が効いていない、年末年始の車移動の際の記憶がないから、義孝の両親の運転がない=移動すら滅茶苦茶になっている」


 俺

「空間移動してないってことだな」


 小林

「そう、俺たちは瞬間移動しているみたいに、移動している間の事を覚えていないんだ。で、結論は、この世界自体が、物理的法則を無視したエリア、というわけだ」


 俺

「物理的法則が無視されてるのは”夢”だけってことか」


 小林

「その通り。分かりやすく意識するなら、ジャンプして空飛べるかもよって話。実際は、そういう意識ができる点は物理的法則に従っているみたいだ」


 瑞葉

「いつ私達、そんな夢の世界に入ったのかしら?」


 由愛

「そもそも誰の夢の中なのかな?」


 俺

「ひとまず学食を出てファミレスに移動しようぜ」


 瑞葉

「学校は?」


 小林

「サボる」


 食堂の窓から見える空は、どんより曇っていた。俺たちの会話へも暗雲が立ち込め始めていた。



☆☆☆☆☆



 夢の世界、俺たち四人は記憶をすり合わせ、一致しているところ、記憶がない所、勘違いしているところ、色々と時間をかけて作戦を練っていた。


 小林

「大体の所、異変の最初期はサッカー部、バスケ部、バトミントン部の合同下働き会合だ。その日以前の記憶が俺たちにはない」


 俺

「うん、了解だ。次に考えるのは誰の夢の中かってところだ」


 小林

「そこには問題がある。まず、俺たちは誰かの夢の中ではあるが、夢の住人であるがために認識能力が偏っている」


 瑞葉

「夢の中にいる限り、誰の夢とは認識できないってことね」


 由愛

「うーん、分かりやすく例えると、魚が水を認識してないってことかな?」


 瑞葉

「あーなるほどねー」


 俺

「難しいな」


 小林

「俺たちが夢に吸い込まれ入った時には、その夢エネルギーの変化で、精神的な部分に悪影響が出たんだと思う。初期は、より顕著だったという推測からだ」


 俺

「俺だな……精神的に変だと実感できていなかったから。木下なんかはどうなんだろう。そもそもが、そういう性格だったのだろうか」


 瑞葉

「ごめんだけど、あの先輩のことは考えたくはないわ」


 由愛

「媚薬やクスリを使わないと彼女も出来ないような男子って……」


 小林

「でだ、アレコレ考えるのも重要だが、まずこの世界から脱出しなければ、親にも会えないってことだ」


☆☆☆☆☆


 俺は全員の話を聞いて、違和感を感じた場所を思い出そうと考えた。


 全員の記憶が一致しているのは、学校、しかも他校巡回MTGで集められたところ。違和感のある場所は特定できないな。学食、部室とか普通だったしな。


 次はホテル周辺、これは候補として挙げておこう。特にホテル。俺たちがテンヤワンヤに振り回された原因となった場所だ。木下のせいだが。


 もう一つ、鉱泉宿。あそこには両親のドライブで連れていかれた記憶がない。


 何となく感じる。



 たぶんキーポイントは、祠周辺に在った()()()()()()だ。

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