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嘘告と二股と妹とNTRと。  作者: 九絵
嘘告と二股と妹と。
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第1話 母親から義妹と明かされる

由愛ゆあいは血の繋がっていない義理よ」


 そう断言して親指を立てる我が母上。


「な、なんだってー」


 恐れおののいた俺こと西之原義孝(よしたか)は愕然とする。


「お父さんが拾ってきたの。マッチを売ってたって」


「マッチ売りの少女か……」


「嘘よ。」


「嘘かい~」


「本当の事情はさておき、由愛が高校卒業するまでは内緒よ。絶対に伝えてはいけません」


 いきなり降ってわいた()()()()、という話。家族にとっては大変な事実だというのに、全く重要そうな雰囲気がなく、夕食が流れる。


 妹は自室で引き籠っている。父親は残業中だ。


★★★★★


 学校帰り、俺は幼馴染の瑞葉みずはと二人で歩いていた。


「なぁ、一般的に言って、兄と妹の関係で恋愛で成立してることってあるか?」


「へ?兄と妹って、義孝君と由愛ちゃん?」


「いや一般的にって言ったろ」


「ないんじゃないかな、シスコンはあるだろうけど、恋愛してるって感じは聞いたことがないわ」


「そうだよな」


「由愛ちゃん、とっても可愛いから私と姉妹にはなりたいな」


「俺と由愛がそんな関係になったら、どう思う?」


「ファイアーボール放つわ」


「燃えるな」


「燃やすわよ」


「バカな話題ですまんな」


 歩き続けていると近所のスーパーが見えてきた。


「あ、お母さんから食材の買い物頼まれたんだった」


「大変だな」


「うん、じゃ先に行くね、またね」


「おう」


 走ってスーパーに向かって行く瑞葉の背中を眺める。


 瑞葉とは幼稚園からの付き合いだ。こういうやり取りも意識せずにできるし、男女関係ない友情や絆も構築出来ている。


「おーい義孝!」


 振り向くと、後ろからクラスメイトで友人の小林幹夫が追いついてきた。


「お前、今、村越むらこし(瑞葉)さんと話してなかったか?いいなぁ幼馴染なんだろ、あんなに美人と普通に話せるなんて羨ましい」


「お約束の腐れ縁ってやつだな」


「オレもあんな幼馴染が欲しかったぜ。みんなが羨ましがる」


「うーん、可愛いと言ったら俺の妹の方が可愛いな。美人度では瑞葉だが」


「オレ、初詣の時、メガネとコンタクトを忘れて、妹ちゃんの顔を正確に観られなかったんだよな」


「同じ高校になったんだから、これから見れる機会はあんだろ」


 歩く途中で駅が見えてくる。


「おっと、オレはこっちだ。じゃぁーな、義孝」


「おう、また明日な」


★★★★★


 小林と歩いていると、後ろからポンと肩を叩かれた。振り向くと妹の由愛だった。


「お兄ちゃん、追いついたわ」


「おう、我が愛しい妹よ。学校はどうだ?変なこと起きてないか?」


「うん、部活をお兄ちゃんと一緒のバスケ部にしたよ。」


「背が低いのに大丈夫か?」


「平気、へーきよ。ただ男女別に分かれているのが残念ね。」


「男女別は体のつくりからして仕方がないな。」


「フフッ……」


 妹は隣にちょこんと並び、俺の歩くスピードに一生懸命あわせようと頑張っていた。


 まだ新学期が始まったばかり。桜の花が5分の1の開花であった。


 左から、小林幹夫(ミキオ)由愛()義孝()瑞葉(みずは)

     ↓

挿絵(By みてみん)

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