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魔女 ノストラダムス老婦人
その日も、いつもと変わらない朝が訪れた
背中が丸まった老婦人が入ってきた
彼女の歩みはゆっくりしているが、堂々としたものだ
どこか魔女のような不思議な雰囲気を纏っている
毎週決まって、この時間に来る
その日も例外なくやってきた
彼女がゆっくり席に向かって歩きながら、突然口を開く
「明日は雨ね」
スバルが思わず彼女の言葉に振り向くと、老婦人はにっこりと微笑んでいた
「雨ですか？」スバルは少し驚きながらも答える
「はい 明日必ず降るわ」
気になったが、そのまま注文を取る
――
それから、老婦人はまた静かにカフェで過ごしていた
彼女はゆっくりと立ち上がり、窓の外を眺める
その目線がふと、一人の老人に向かうと
「その人、転ぶから気をつけて」
スバルは「えっ？」っと思わずその老人を見てしまう
普通に歩いてるように見えるが……
老人は足元をすくわれるようにして転び、地面に手をついてしまった
「まさか…」スバルは驚愕した
老婦人が言ったことが的中してしまった
「予言の魔女」か「ノストラダムス」か
次の日は雨だった
――
翌週
魔女はいつものように静かに席についた
スバルが彼女に注文を取ると、魔女は不意に笑って言った
「店で噂が立ってるみたいね でも、私はただの年寄りよ 今日は夕立ちに注意」
それが予言ではと思ったが、スバルは何も言えない
そしてその日も、静かに紅茶を飲みながら、また未来を見ているようだった
何か普通ではない力があるように思えてならなかった
