表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

0コ目 「…すー。…すー。」なトコ

 大好きなラブコメに全力で挑戦してみました。

 「じゃあ今やったとこを使って、大問5、解いてみろー。」

 一斉に鉛筆の走る音で教室が埋まる。流石は進学校。みんな真面目だなぁ。

 「…」

 ただ一人を除いては。

 「…すー。…すー。」

 鉛筆でなぞる音。と言われればそう聞こえなくも…なくも、ない。

 僕たちの列の間に先生が入ってきたのを確認した僕は、ため息を吐いて補助バックをがさごそ。

 ピストルを取り出して、その気持ち良さそうな顔に狙いを定めて、引き金を引いた。

 「いたっ。」

 よし。命中。

 「大問5。」

 起きた彼女に僕はボソッッと言うと、彼女は輪ゴムが当たった頬をさすりながら、ジトッッとした目を向けてきた。「もうちょっと手加減してくれないかなぁ」とでも言いたげに。

 僕はその目に気づかなかったフリをして、教科書に目を落とす。教卓に戻る先生の後ろ姿が横目で見えた。ふー。毎日ヒヤヒヤなんだから。

 「いっ…」

 左頬の痛覚が働いたと同時に、机に輪ゴムが落ちる。その輪ゴムにはノートの切れ端がテープで留められていて、その切れ端にはふにふにの文字で

 「いつもありがとう。」

 と書いてあった。

 輪ゴムが飛んできた方…左隣を見ると、彼女はもうすでに、さっきと同じ、気持ち良さそうな顔をしていた。右頬に赤く輪ゴムの痕をつけながら。

 「…すー。…すー。」

 僕は苦笑しながら、飛んできた輪ゴムから「いつもありがとう。」を外して、ちょっと迷って、隣が寝てるのを確認して、ポッケにいれた。輪ゴムはピストルに装填して、補助バックに戻した。


 僕は彼女―藤宮詞月のことが、好きだ。

 ただ、彼女のどんなところが好きかと聞かれると…パッと答えられない。

 だから、一つ一つ書き連ねていくことにした。この問に対する、なにかハッキリとした答えが見つかるまで。

 最後まで読んで下さってありがとうございます。

 頑張りたい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ