壁
掲載日:2024/05/28
コンクリートの壁に囲まれた
静かな世界
私はひとり
壁の内側は
固まった血と骸の山
寂しくなって
冷たい壁に耳をあててみる
微かに聞こえる
愉快な音楽
笑い声
私はなぜかはっとして
夢中で壁を叩きだす
壁はびくともせず
愉快な音楽も止まらない
私は叫ぶ
助けてくれと
もちろん返事はなく
地面には腕の白骨
骨の先は尖って
ぬらぬらと光っている
骨は冷たく
ひとつの造形物のようで
私は気が狂ったように
壁に骨を打ちつける
たくさんの人間の骨と魂が
壁を壊す瞬間を見たいがために




