第八十四話:同行者
語り:レクス
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どこでどんな出会いがあるのかなんてわからない
けど、その出会いがあったから
道が繋がることになると思う
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「これは・・・ここに来る前に港町であった女性が落として行ったものでござるよ」
そう言って、レヴァイがメダルを見せる。
「気づいて追いかけたのだが、見つけることができなくてな・・・港町の騎士に渡そうと思ったら出航時間ぎりぎりだったので渡しそびれていたのでござる」
「なるほど・・・。その者は恐らく技術士で間違いないであろう。ならば・・・」
女王がそう言うと、レヴァイが頷いた。
「あの時、騎士に渡さずにいてよかったとはの・・・。拙者はこのメダルを届ける必要がある。レクス殿の旅に同行させていただきたい」
それはありがたいけど。
「都市まで?」
「可能であれば、その後も」
「いいのか?」と確認すると、彼ははっきりと頷いた。
「以前あった時にもいったでござるが、拙者の旅の目的はとんでもない土産話を持ち帰ること。
再会したのも縁ではあるし、これから先は土産話に持ってこいとなりそうな気がするでござるよ。是非、同行させていただきたい」
そう言ってレヴァイが頭を下げてくる。
こちらに、断る理由はない。
4人はどうするのか・・・と思ってそちらを見ると、トロアさんが首を横に振った。
「・・・すまないが、俺たちがこの大陸に来たのはレクスに届け物と言伝があったからだ。それが終わったら、向こうに戻ることを決めていた」
「悪いな。お前のこと、団長達の墓にも土産話にしに行こうと決めてたんだ」
レイがそう言ってくる。
ライヤーとエリアさんが頷いている。
「もっとも、隠しておいてほしい内容がありましたらそこは考慮しますよ」
「ごめんね。けど・・・正直、君たちの戦闘を見てるとついていける気がしないってのもあるから」
2人なら大丈夫じゃないかな・・・と思うけど、こちらの大陸の技師がどれだけ向こうの大陸のメイルに精通しているかという問題もあるか。
「了解。・・・ところで、言伝の内容ってのは?」
「ああ・・・会議の場だがいいのかな?」
そう言って女王たちに顔を向けると、全員頷いてくれた。
「同行者の選別だけですし、この後は祭りに突入するでしょうからね。伝えておくことは今まとめてしまうのがよろしいかと」
そう女王が言うと、トロアさんが立ち上がりこちらに歩いてくる。
そして、1通の封筒を差し出してきた。
「君の父上、ファルサラ王国デスティン・リーベルト侯爵からの手紙だ。本当は荷物に忍び込ませる予定だったそうだ。まあ、内容を少し追加したそうだが」
「「「侯爵!?」」」
女王と国王は「おおっ」って顔しただけだが・・・残りの3人は驚愕って顔をしていた。
あ・・・メレディアさんと騎士団長、レヴァイね。ラウニィは驚いた表情してる・・・ようにも見えなくもないって感じ。
「・・・うん。先ほどの、聞き間違いじゃなかった」
あ、声の感じでやっぱり驚いてたみたいね
「しかもファルサラとは・・・この大陸にも聞こえてくるメイル誕生の地とされている国ではないですか」
「まさか、そんなところでも繋がりができていたとは・・・驚きでござるよ」
そう言えば、レヴァイが旅立つきっかけとなった事件の場所がファルサラだったな。
そんなことを考えながら、手紙を取り出して読む。
そして・・・僕は机に頭を打ちつけた。
「・・・なにがあった?」
メレディアさんが若干引きながら、聞いてくる。
これは・・・話したくない。けど、話すか。
「・・・身内に恥、それも最上級レベルの」
そう言って書かれていた内容を教えてあげた。
僕が勘当という扱いになった本当の理由。それはすでに本来の理由に代わっているので除名されることはなかったこと。
無事終わったら国に帰ってきて土産話を聞かせてほしいという事。
そして・・・交換チケットが2枚あったのが姉の暴走が原因だったこと。
【・・・なるほどな。デスティンが交換チケットを忍び込ませたと思っていたのだが、2枚あったから違うと思ったよ。君の姉の奇行に関しては、そもそも人物と会ったことがないし話も聞いていなかったからな】
アース・・・なるほど。すでにその話は繋がっていたのね。
「・・・まあ、その奇行のおかげで拙者がこうしてここにいるわけであるが。姉上殿にチケット代、渡したほうがいいでござるか?」
「まあ、侯爵も適当に使ってしまえって言っておられたからな・・・いいんじゃないか?」
レヴァイが若干苦笑いしながら聞いてきたが、トロアさんが答えてくれた。
正直・・・あの姉の話をすることになるとはなぁ・・・しなくてもよかったんだけど、いいや。
なんかの事情で会った時に対処する前情報を渡したってことで。
「まあ、レクスの精神的ダメージは尊い犠牲として・・・俺たちの役目は終わりだ」
そう言って、トロアさんが元の席に戻る。
「了解です。ここまで届けていただき、ありがとうございました」
そう言ってお礼を言うと、気にするなという反応を返された。
「だが・・・2人だとさすがに辛いでござるな」
レヴァイがそう言うと、2人挙手する人物がいた。
ラウニィとアンキセスである。
「・・・うん。私、行く」
「まあ・・・元々この会議前にラウニィは同行者にさせる予定だったからいいが」
メレディアさんがそういう。元々決めてた?
「ラウニィは、生身での剣の腕は確かなのだが・・・メイルに乗ると途端にポンコツになる」
「・・・うん。事実」
いや・・・胸張って言わなくてもいいでしょうに。
「だが・・・彼女の『従騎士』としての能力は高い。旅に同行させるに問題はないでしょう」
知らない言葉出た。
「スクワイアって?」
「従軍する騎士についていき、戦闘以外の補助をするものをそう呼んでいる。専用メイル『スクワイア』も持っていかせる」
同じ名前付けてるのか。けれど、それってどんなの?
「ちなみにスクワイアというメイルだが、この女王国限定で製造されているものだ。そちらの大陸で魔銃による距離を開けての攻撃を参考にして、中距離での魔弾攻撃による騎士の援護を目的として作られている。メイルの背中に装着することができ、2人で戦っているような感じになるな。それ故に、死角が少なくなるという利点がある」
それは・・・すごいな。
「彼女の能力がどのあたりに特化しているのか不透明という問題点があるが・・・それでも、それ以外の部分は期待してもらって大丈夫だろう」
メレディアさんがそう念押しをする。
なら、同行者を断る理由はない。
続いてアンキセスのほうを向く。
「自分は世界が狭かった。それ故に増長し、他者を見下す残念な騎士になっていた。そのことに気づかせてくれた二方に恩返しがしたい。一緒に旅をし、自分の世界を広げたい。本当の騎士と呼べるようになるために」
そう、席から立ちあがっていう。
「それに、アース殿は調子が万全ではないであろう?都市につくまでに魔獣の発生ポイントを通過する必要がどうしてもある。レヴァイ殿の実力は模擬戦を見てわかっているが、多数現れた時に自分もいれば安全かと思う」
彼の実力は本物だ。それに、模擬戦前の増長した雰囲気はもうない。
【確かに万全ではない。どれくらい戦闘できるのか不透明な部分はあるな。君が同行してくれるのは心強い】
「ありがとう。期待を裏切らないよう。全力を尽くさせてもらう」
そう言って、アンキセスが礼をする。
「うむ。決まりだなこれで」
そう、女王が言う。
・・・って、同行者3人だけ?
パーティー結成。
やはり目的地に向かって旅をするのなら、一緒に行く仲間は必要でしょう。
目的地が定まったというこのタイミングで主人公の同行者が決まるというのは、初期のころから考えていた内容ですね。
まあ、後数人増えますけど




