第七十七話:自意識過剰な双剣使い
語り:トロア
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
模擬戦の最終対戦
レクスの相手となる騎士
やたらと上から目線だなこいつ
ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー
最終戦の前に、向こうの騎士団長が前に出てくる。
「私、グリアス王国騎士団長アジールが取り仕切るこの大規模模擬戦の場において、問題なく最終戦までこれたことまずは両陣営の騎士諸君に感謝する」
そう言って、両側に礼をする。
そうして、再びこちらを向く。
なんだ・・・表情がなんというか。
と思ってたらそのまま話し出した。
「さて・・・これより最後の模擬戦となるわけだが、先に伝えておくことがある。
こちらの最後の騎士は、たまたまこちらの国にやってきていた騎士だ」
そう言って、しばらくして・・・ガクリという音がしそうな勢いで肩を落とした!?
「実力で選んだこと後悔している。物言いがあれだが、どうか勘弁してくれ」
なんだ・・・と思ったその時だ。
「はーーーーーはっはっはっ!!なんか変な紹介のされ方したが自分は気にしない!なにしろ、自分は『最強の騎士』であるからな!!」
そんな声と同時に、アジール騎士団長の後ろにいたメイルが起動する。
白い装甲に、両腕に逆向きについている剣を装備したメイル。
その肩で両腕を組んで大笑いをしている男が1人。
年齢は、恐らく成人して数年したくらい。赤い短髪で強気な性格のする表情をしている。
赤いマフラーをなびかせて、両腰に剣を指している。格好としては騎士というよりバウンサーとして活動していたようにも思える。
「初めましてだな!エーテルト女王国の美しい騎士たち!自分の名はアンキセス!どうぞよろしく!」
やたらと元気なやつ。なんか問題あるのか・・・?
と思っていた時だった。
「・・・しかし、両国の騎士の質も低いものだったな。自分が戦えば両騎士同時に相手にしても楽勝できそうだったぞ」
やたらと上から目線だなこいつ・・・。
普通に隣のほうから殺気がほとばしってるぞ。
まあ、当の向けられてる奴は気にした様子もないが。
と思ってよく見たら、向こうからも殺気がほとばしってた。
アジールと名乗った騎士と・・・副官かな?もう1人なにかを諦めたような顔をしてる人がいた。
なんとなくわかったかもしれん。
多分、アンキセスって男がこの模擬戦のことを知って無理やり参加をしようと交渉したんだろう。
そして、恐らく2人のどちらかが戦ってその実力を知って参加を認めた。
事前にあいつの性格を知っていたから、こちらに先に謝罪してきたんだろう。
メレディアさんはすぐにそれに気づいたようで、特に反論しなかった。
「まあ、最後に選ばれた騎士であるならさぞかし名の通った騎士なのだろうが・・・まあ、自分に叶うわけもないだろうがな」
そんなことも言っている。
本当に・・・やたらと上から目線だなこいつ。
さて・・・レクスはどう反応しているかと思って横を見ると、真剣な表情をしていた。
「レクス・・・どうかしたか?」
気になって聞くと、彼はじっと相手を見ながら答えた。
「あいつ、口だけじゃなさそうだ。多分、かなりの使い手だと思うよ」
「拙者も同意見。口上こそあれではござるが、拙者が戦って果たして勝てるかどうか・・・」
レヴァイも結構な腕前だと思うが・・・それでも勝てないかもしれないのか。
俺たちだと、まず勝ち目がなさそうだな。
さて・・・この最後の対戦、あいつが言うような結果で終わるのだろうか。
そう思っていたら、盛大に地雷を踏みぬいた。
「しかし・・・最後の相手のメイル、なんか頑丈ってだけのように思えるな。これが本当に最後に用意された騎士なのか?秒で終わりそうだぜ」
若干、呆れたような顔をして言う。
レクス、額に青筋がたつ。
そして、追加でさらに地雷を踏みぬいた。
「そして、『景品』があの女か・・・。可愛いとは思うがそれだけだな。暗そうだ。欲しがる奴の気が知れん」
「・・・うん。こっちもあれは願い下げ」
ラウニィだっけ?・・・彼女もさらに無表情で返す。
ふと隣を見ると・・・レイとライヤーの目が魔獣を見るような眼になってる。
エリアさん?最初の台詞の時点でなってたよ。今は腰に手を伸ばしてる。
魔銃、トレーラーに置いてきたもんな・・・持ってなくてよかった。じゃないと確実に撃ってた。
ただ、そのほうがよかったのかもしれない。
エーテルト騎士団からの殺気がさらに上昇した。筆頭騎士殿は額に青筋が浮かんでる。
我慢の限界というのは存在しているということだな。
それと同じくらい・・・レクスがブチ切れてそうだった。
「・・・はぁ。もう少し言葉を選べと先に言っておいたのにこれか。どうなっても知らんぞ私は」
そう言って、アージル騎士団長がトボトボと後ろに下がっていった。
「と言われてもな。自分は今まで負けを知らぬ。必然的に相手が自分より上のものという認識を持てぬのだ。自分の言動にどうこういうのなら、まずは自分に勝ってからにしてほしいものだ」
そう言いながら、腕を組み胸をそらして
そして、自慢するように言った。
「なにしろ自分は、いずれこの地に来る『リッター』の騎士となるのだからな!」
その声に真っ先に反応した声があった。
【お主のような騎士などごめんだ】
いきなり声が聞こえたが・・・だれだ?だれが喋った?
それはそれとして「地雷」ってなんだろな?こういう時に使う台詞って教えられたけど意味が分からん。
今回初登場人物、この後も登場します。
一人称が変わりますが、先に出たとある人物の一人称で使おうと思っていたので。
あとテンションも落ち着きます。
この世界の爆発物ですが、火属性の魔弾につまった魔力を暴走させて吹き飛ばすことはするので「完全にない」というわけではありませんが、「遠隔操作ができない」のと「時限式みたいに正確なタイミングでの起爆ができない」が正しいかな?




