第六十七話:いざ行こうエ〇テ〇〇
語り:レクス
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女王国エーテルト
どんな国か知っていたら
間違っても「男1人」で行こうと思う国ではない
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【女王国エーテルト?】
「文字通り、女王が収める国だからなんだけど・・・いかない理由はもちろんある」
そう言って荷物の中から一冊の本を取り出す。
「これには、渡航先の国の内容が書かれている。そこに書かれている内容をかいつまんで説明する」
そう言ってページをめくり、その国のページを見つける。
「まず第一に、この国ではなぜか女性騎士の誕生が多い」
【いいことだ】
「次にその実力はかなり高いそうだ。巨獣討伐を何度か行ったことがあるそうで」
【なかなかの実力のようだと思えるね】
「次に、この国の騎士たちは『自分より強い男性』を好きになる傾向がある」
【君の嫁探しにもなりそうだな】
「問題は次から」
【ふむ・・・?】
「実際、行ったことのある著者が言うには『美人の多さ異常じゃね?』らしいのだが・・・
彼女たちはそれを保つために日々頑張っている。・・・色々と」
【それのどこに問題が?】
「・・・他の国に比べて肌の露出度が高いそうだ」
【自分の体に自信があるという表れかな?暴走しないようにな】
「それが問題。実際、過去に渡航者が殺到して全員で暴走しかけたそうだ。もちろん、騎士団によって制圧。問題ありとしてそのまま船に乗せられて別の大陸に向けて送り出されたそうだ。その経験から『単身でくる男』への警戒心が異常に高い」
【・・・危険だね】
「渡航するときは女性同伴、それも『女性の立場が上』という位置づけで渡ることを推奨しているとのことだ」
【ちなみに、その著者は?】
「男。他の渡航者が迷ったり問題になったりしないようにとそれぞれの港町に行って調べた内容らしいけど・・・単身で言ったから初日から7日間拘束されたって」
【なるほど】
一拍あいて
「【やめておこう】」
と意見は一致したのであった。
それから色々と議論した結果、北西にある城塞都市エルテリアにわたって北上すれば、隣の大陸との距離が近くなり渡航費用が節約できそうだということが判明。
この著者には感謝しかないな。
そうして、港町ラスティアートに向かうのであった。
なお、その後の調べで「もう1つのルート」があったことに気づいたのだが・・・後の祭りであった。
それから少し寄った村で小型の魔獣被害がでているとのことなので討伐したりしてたら時期がずれて・・・。
ラスティアート誕生祭前日に到着していた。
前夜祭ということで、めちゃくちゃ盛り上がってた。
引換チケットの交換所も、発券所が作業を分けて行っていたにもかかわらず大盛況みたいだった。
というか・・・今日は両方で新規発券してるみたいな様子だな。
担当に聞くと、明日の午前中のほうがむしろすくのではないかとのこと。
聞くと明日は祭りの当日。その日に船のチケット買いに来る人はあまりいないだろうと。
今来てる人たちは、祭りが終わってすぐに帰国を考えてる人達らしい。
それだけ他の大陸からも来てる人が多いとは・・・思ったらこの大陸の別の港町への船が一番乗船率高いって。
仕方ないので、本日は宿に・・・泊まれるわけもなく(全宿全室満室)。
仕方ないのでトレーラーの中で寝るのであった。
翌日、予想外に朝からチケット売り場に人が殺到。どうやら昨日、業務時間終了で翌日にチケット渡しが回された人々が続出していたそうだ。
それでも引換チケットの交換カウンターは空いているほうだったのがありがたい。
名前と行先を書いた紙と一緒に渡して、乗船チケットを受け取る。
昼少し前の船か・・・少し時間があくな。
仕事疲れをため込んだような表情をした受付に見送られながら、街に繰り出すのであった。
祭りのセレモニーが開催されているようで、今の時間はそちらに人が集中しているようだ。
比較的歩きやすく(それでも多い)、それほど待たずに露店で購入でき(10分近くは待った)。
地方から出てきているとされる、そこそこ知名度のあるパンを船での食事にして(安い部屋とったから食事は別料金)と。
そうして、僕は船の上の人となったのであった。
そして・・・
「・・・うん。結構濃い味付けだけどおいしいなこれ」
そんな感想を抱きつつ、買ったパンを食べているときだった。
【・・・少し様子がおかしくないか?】
「うん?なにかあった?」
【私の感覚では・・・この船、北東に進路をとってないか?】
「・・・え?」
そんな馬鹿な・・・と思いつつパンを食べる。うん、おいしい。
【・・・やはり、西側に進んでいるように思えない】
「まさか。だって買ったチケットには・・・って見てなかった」
【最初に見るべきであろう。確認は大事だぞ?】
「いや、うっかりしてた」
はははっ、と笑いながら懐からチケットの控えを取り出す。
そして視線を向けた瞬間、思考がストップした。
行先:女王国エーテルト
・・・うそぉ
【・・・とてつもなく高い教訓を得る授業料になったな】
よし!港についたら速攻で街からでよう!
次の話に持っていくため、主人公にも被害者になってもらいました。
ちなみに行き先の国、そこでの話が実は一番最初に思いついた話だったりします。
ただ、その段階では「メイル」の登場は予定しておりませんでした。
その後思いついた話を「序章」として、話が膨らんでいったのでこの作品内の一つとして組み入れることにしました。




