第六十四話:お約束の出会い
語り:レヴァイ
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この時は将来ああなるとは思っていなかった
そもそもチケットを入手できなければ起こらなかったであろう
こういう出会いは主人公に起きるべきではと思う
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物語はさらに前、マフラーをつけた男がこの地に来た頃にさかのぼる・・・。
「ここが港町ラスティアートでござるか・・・」
周りを見ても人ヒトひと・・・。
なんでも、明後日が港町ができてちょうど100年目とのこと。
まあ、祭りに興味がないわけではないが・・・今は船のチケットに交換するのを先決といたす。
というのも・・・この引換チケットは「本来の乗船チケット」との交換チケットであるとわかったのでござる。しかもこのチケット、行先は自分で選べるのでござる。
つまり、もしこれを無くしたり誰かに奪われたりすると・・・正直とんでものない価格で裏に回る可能性もある。
実際、裏に回ったチケットが取引されているという話を聞いて忍び込んだら・・・
前回受けた依頼料の3倍くらいの価格が最低価格として取引されていたでござるよ。
あまりに法外だったので、騎士団に密告しておいたでござるがな。すぐに検挙されておったわ。
さて、そんなヤバイといえるチケット・・・早々に乗船チケットに交換してしまおう。
そのあと、時間があればゆっくり見物するのもいいかもしれぬでござるな。
さすがに当日までは滞在する気はないが・・・もっと込み合うそうでござるからな。
そうしてやってきたチケット発券所であるが・・・
「予想の斜め上の混雑っぷりでござるよ・・・」
「はい!ココとココとココ、記入ミス!再度書き直し!そっちの机で直して再度並び直してくださいね!」
「ココ、記入漏れ。再度記入して持ってきてください。え?ここで記入させて?後ろの人たち全員の許可もらえたらいいですけど?・・・並び直す。賢明ですね」
「はい大丈夫。これが乗船チケットになりますね。枚数は3枚、間違いない?はい確認完了!良い旅を!」
「はい?このあと時間あるかって?ナンパですか?・・・状況見て言ってくださいね?」
渡航チケットを持っていない人は、最初から申請がいるようでごった返し。あまりに並ぶ人が多いから、受付では確認とチケット発券だけで、書き直しになると問答無用で最初から並び直しになっているでござるよ。ナンパしている強者がおるようでござるが・・・次の瞬間には発見終わった人たちによって連行されておったでござる。裏口の方へ。
すさまじい・・・けど、だれも不満を漏らしていないでござるな。一部いたけど・・・すぐに引っ込んだでござる。
まあ、何度も並び直してる人が殺気立ってるみたいでござるからな。受付の人が心配・・・。
・・・お?受付担当につかみかかろうとする輩が。これは助太刀するべきか?
と思ったのは一瞬。受付担当がそいつの胸倉掴んだかと思うとそのまま投げ飛ばした!?片手で!
すさまじいパワフルな受付担当。多分、おとなしく後ろに回ってる人たちは知ってるのでござるな・・・。恐ろしい男性職員でござるよ。
問題ないでござるな。
そう思い、別の受付カウンターを見る。やはり混雑。
ただ、チケットのお渡しはスムーズに終わっているようでござる。
あちらは、引換チケットを持っている人用のカウンター。
記入台で行先と自分の名前を記入して渡せばすぐに発券してもらえるということでござる。
まあ・・・受付担当の表情は「わたし疲れてます」ってありありとわかる表情。
よく見ると腕に「新人です」ってワッペンしてる。かなり重労働になってるようでござるな。
そんな新人君には悪いけど、1名客が増えることになるのでござった。拙者のことでござるがな。
さて・・・どこに向かうか。
正直言って、どこがどういったところなのかわからぬ。
あ、1つだけわかったでござるよ。「女王国」って書いておる。
まあ、わかったのは「女王が収める国」ってだけでござるがな。
とりあえず・・・なぜか直感が「行かない方がいい」と告げているので他の国にしよう。
どこがいいかな・・・うむ。どんなところなのかわからぬ。
仕方がない。奥の手で決めようと思うでござる。
どーこーに しーよーうーかーな てーんーのーかーみーさーまーの いうとおり っと。
決まった。
「城塞都市エルテリア」でござる。北西にある大陸の国のようでござるな。
名前からして、いかつそうな国ではござるが・・・神様の言うとおりに選んだのだからここにしよう。
「名前・・・レヴァイ。行先・・・エルテリアと」
用紙に記入して、ちょうど人が少なくなっている新人君のところへ。
「申し訳ない。こちらをお願いするでござるよ」
渡航チケットと記入用紙を渡す。
「あ、はい。少々お待ちください」
表情が抜け落ちておる。休ませること推奨。
「えーと・・・引換チケットの期限問題なし。名前、行き先記入問題なし。・・・確認しました」
「うむ。ありがとうでござる。お疲れだろうが、頑張ってくだされ」
「あ、ありがとうございます。それと、そちらの行き先の船なんですが本日の便が残ってます。少し時間少ないですがいかがしますか?」
乗船時間を聞くと・・・確かに少ないでござるな。だがせっかくなので。
「では、そちらのチケットでお願いいたす。乗船場に行くまでに買い物をしながらいけば問題ないでござろうからな」
「かしこまりました。では・・・はい、こちらのチケットになります」
そう言って渡されたチケット。
今思えば・・・この時にちゃんと確認するべきでござった。
そのまま懐に入れ、発着場に向かいながら必要な品を購入。
お、あれは以前食したことのある食べ物。港町の記念日に合わせて地方から売りにきているようでござるな。
船の上で食べるのに買っておこう・・・。
と思って、そのまま進もうと進行方向を変えた時でござった。
「うわっ!?」
「ぬっ!?」
だれかにぶつかられた。
こちらは横から体当たりされたので問題なかったが、相手はその拍子にこけたようでござる。
「も・・・申し訳ない!」
そう言って、地面に座っている人物を見ると・・・
「こちらこそ、急いでいて不注意だった。ごめん!」
と言ってくる、赤いロングヘアーをした技術士の着るジャケットをきた女性が倒れていたでござる。
この後の展開は読めているでしょう。
はい。1人目の生贄・・・ではなく犠牲者は彼です。
ぶつかった人?今は何も言いません。




