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Connected Stories ~繋がる物語~  作者: requto
序章 始まりの物語
7/155

第五話:調査結果だけでも証拠になりそうだった

語り:レクス


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

依頼内容しゃべりました。

いや、ちゃんと依頼人許可とってからね?

じゃないと問題になるから覚えておこうね

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

「・・・なるほど。それで調べてたのか」

「納得だ。なんでその当時のことを外部から来た奴が調べてるのかと思ったら・・・前領主の忘れ形見の依頼だったとはな」


調べるにあたって、トロアさんにはこちらの依頼内容を伝えた。

一度もどってセバさんに確認とったうえである。じゃないと勝手に依頼しゃべったことになるからな。

あ、隠してたメイルを使ってトレーラーとも連絡した。アイリスさんも了承してくれたのでまったく問題なし。


あまり知られたくない内容なのか、二階の個室に移動して詳しく聞くことになった。

「結論を先に行ってしまうと、ヒューレ伯爵の言い分のほうが正当だ。当時、侯爵邸から外部に団体さんが旅行してたなんて記録はない。この街の詰め所の記録にもないだろうぜ」

「詰所の記録を改ざんされたりってことはありませんか?」

「ない。領主が変わったが詰所の兵士は昔からこの街にいるやつだ」

つまり、この街の住人は前領主が無実だと訴えれるわけだね。

「その記録の提出だけでも再調査にもっていけそうじゃないか?なんでこの街の人たちは見捨てたんだ?」

「・・・見捨ててなんかないさ、誰一人な。あの人たちに恩義を感じてない住民なんて一人としていない。俺だって立場の問題がなければ確実に王都に出向いてた」


となると・・・

「じゃあ、別の要因があった?」

「ああ。正式な記録にも残ってるが、侯爵が連行されていったあと住民の一部や守備隊の騎士が王都にそのあたりの記録を届けようとしてたんだ。だが・・・誰一人王都に到着することができなかった。

何組か目の一団が王都に到着したときにはすでに刑の執行日で何もできないまま涙流しながらそれを見送ったって話だ」

「・・・その前の団体は、何者かに襲撃されていたってところか?」

「ああ。調査したところ、彼らの死体が王都に続く道の途中の森の中で発見された。剣で斬りつけられた跡があったそうだ。男女子供関係なく全員な」

「胸糞悪い話だな・・・」



「質問です。その斬りつけた奴らに関してはなにか追加情報ありますか?」

もし何か手がかりがあるなら見つけ出してやる・・・

「残念だが全くなし」

そんな簡単にはいかないか。


「それと、このあたりの魔獣被害の状況を知りたいって言ってたよな。なんでだ?」

「伯爵が意図的に魔物被害を発生しようとしてたなら実験跡があるんじゃないかと思って。自分の領地なら屋敷からでなくても指示と報告で済みそう」

「なるほど、いい着眼点だ。意図的になら明らかにそれまでの件数と違いがでるタイミングがあったりするだろうから、それと街からの移動記録の照らし合わせで無罪証拠になる。・・・一致したら逆に有罪証拠になりそうだが、どうなんだ?組合長」



あ、ここで発覚。受付のおっさん思ってたら組合長でした。というか事務員とかが対応するんじゃないの?普通。


「無罪証拠のほうだな。このあたりの魔獣被害件数の推移は横一直線だ。俺がここにきてから10年ほどたつが、全く変わらん。適度に間引きしてるだけだからな。むしろ、さっき渡した魔獣討伐依頼なんて出した記憶がないくらいだ」

「殲滅とかはしないのか?」

「残念ながらどこから発生してるのかいまだにわかってないんだ。それに他の地方の魔獣と違ってあまり人里に近づかなくてな、小さな村でさえ滅ぼされたって話が出てないレベルの。

なら無理して高い費用だして殲滅に軍や組合員動かす必要ないんじゃないか?って話になってるわけよ」

確かにそれなら納得。

「あと、お前らにふる仕事も雑用レベルのものばかりってところで気づいてほしいが、このあたりはある意味平和すぎて組合員あまり増やしてもらえないから組合長も代表室でゆったり椅子に座ってるだけ

ってことはできないんだよ。顔にでてるぞ」

以後気をつけます。


「レクス・・・聞いた感じだとこの情報だけでも国に言ったら、国王の顔が青ざめそうな感じになりそうだぞ?」

「僕もそう思いました。けど、残念ながらそっちは僕の仕事じゃないので」

「まあ、依頼内容は家宝の回収だけだったか・・・ってまて。じゃあなんでこんな調査してる?」


2人とも疑問に思うのももっとも。なにしろ、彼女たちに調べさせてる内容も今回の依頼には直接関係ない。ぶっちゃけ調べる必要なんてない。

そこを突っ込まれても適当に「興味本位」で片づけて、調べるの無しって言われたらそこまでの話ではあった。



ただし、あくまで「依頼内容」に関係ないだけだ。


「団長たちの教えのひとつですよ。『依頼人の心情に沿ったことしてやるのもひとつだぞ』って」


そう。伯爵の無罪調査は確かに依頼されていない。

けど、あの3人にとっては忘れたくても忘れられないはずだ。自分たちの信頼していた人が、家族が無実の罪で処刑されたなんて。その流れで全てを失ったなんて。

だから、一つだけ確実にいるものを用意してもらう間を待つだけってのも落ち着かないだろうから体動かす理由を作った。


「もし、調べて無罪だってって証拠が完璧に揃ったら事情話して、別のバウンサーにこの情報をすべて渡して国王に届けてもらうつもりでした。見つからなかったとしても時間稼ぎにはなったし」

「時間稼ぎ?」

「今執事長さんに伯爵邸の見取り図を描いてもらってますが、かなり細かく書いてもらうために『他のメンバーは少し調査する期間がある』ことにして期日を長くとりたかったから」

そう、確実にいるもの、館の見取り図。

「見取り図見て屋敷のどのあたりかって当たりをつける意味もあるけど、場所によっては強硬手段でメイルで突撃してやろうかと思ってました。その際の住人の安全確保の優先度を図る意味もこめてこの調査をしてますね。ここまでの話で強行突撃はまずありえない選択肢になりましたけど」

話を聞く限り、この街の人々は守るべき人達だ。

この街の人々に対してこちら側が被害を増やすのはやってはいけない。

それがわかったのは大収穫だ。

「・・・マジでよく考えたな」

「おほめいただき感謝」


「なら、その届ける役、俺がしてやるよ」

「トロアさんが?」

「昔この地方には何度かきててな。そいつらとは違うある男爵家と繋がりがあるんだ。そっちからの伝手も利用して届けてやるよ」


「なら4日ほど情報整理と見落としがないか一緒に見てほしいです。2人が戻るのがそれくらい後なので。戻ってきた調査内容とこちらの内容を合わせて一緒に届けてもらえると助かります」

「まかせろ。ついでにこのあたりについても一応見ておこうぜ。何か変化があるかもしれない」


「ああ、それで思い出した。覚えてたくもないことだから記憶から飛ばしてたわ」

すっごく嫌そうな顔していらっしゃる組合長。


「あの子爵な、この街から北に自分の新領主の館いってでっかい建物たてやがったわ。遠くからでも見えるくらいでかいから一度見に行っとくといいぞ」


・・・絶対そこにも侵入することになりそうだと思いました。


書き貯めしてるのそのまま修正して投稿しようとしてたら

爵位の部分がおかしいことに気づいた。


この作品限定で「男爵のほうが子爵より上だ」にしようかと思ったけど

頑張って間違ってるの見つけたら修正していきます

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