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Connected Stories ~繋がる物語~  作者: requto
第4章 魔獣・神狼
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第五十八話:選べる選択肢は1つ

語り:レクス


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

村人が移動し

他のメンバーが街に向かって出発したのを見送って

さて、どうするかというところ

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

「・・・という感じで、状況は最悪だね」

【まったく。唯一の救いは対象の詳細が分かったことくらいだな】


そう。アースの言う通り。

メイルを簡単に砕く牙と爪をもち、メイルの上半身をかみ砕くほどの口の大きさ。

なにより、3本の尻尾が相手の特徴を物語っている。

狼種は、小型から中型になる過程はただの巨大化だけだ。

だが、大型種や巨大種になるときは尻尾が1本増えるのである。これは群れの上位に君臨したという証を誇示するためではないかと言われている。

2本増えた状態は、大型種を超えた証とされている。


【しかし、神狼だとすると・・・】

「そうなんだよね・・・最悪の行動パターンを取られた場合は街が危険になる」

ヤツの行動原理で厄介な点。


1,自分を攻撃してきた相手の匂いを覚える

  過去の文献から得られる情報や、目撃や討伐例を見ても間違いないとされている。

2,攻撃してきた相手はどこまでも追いかける

  匂いをたどれるんだ。逃げ延びるすべはほぼない。

3,相手と同種がそばにいれば狩の対象となる

  魔獣、人は関係ない。自分に攻撃してきた相手と同種は全て狩の標的

4,自分の群れに被害を出した相手に容赦はしない

  群れの頂点としての矜持。


この中で一番今回のケースで問題なのは4番目である。

群れに被害を出していること。ヤツは必ず追いかけてくる。

現状、動きが鈍いのは森での戦闘の結果だろう。

恐らく、残された者たちは全員ヤツらの胃袋の中だ。

その行動で猶予時間が生まれているのだろう。

あと、あまり期待してないが残ったやつが善戦して時間稼ぎが予想より長くとれたかなと。


だが、狼種の走る速度は速い。とにかく早い。トレーラーでは追い付かれるのが確実だろう。

なにしろ文献の中では「トレーラーを走らせ続けたにもかかわらず追い付かれた」という話がある。


とあるバウンサーが狼種を見つけて討伐したあと、その場をトレーラーに乗って離れようとしたとき。

ふと後ろを見ると、討伐したオオカミのそばに巨獣がいた。3本の尻尾をもったオオカミが。

バウンサーは恐怖になってトレーラーを全力で走らせた。片道5日かかるが大きな街を目指して。

不眠不休で走らせること3日目。目的の街が見えてきて安堵して後ろを見ると・・・ヤツがすぐそばに迫っていた。

バウンサーはさらに走らせたが間に合わず、トレーラーごと爪で切り裂かれたとある。

さらにその巨獣は、そばにあった街をそのまま襲い壊滅させたそうである。

街で唯一の生存者となった塀の上にいた兵士だそうだ。

兵士が助かったのは、壊された塀の破片と一緒に地面に落下してそのまま埋もれたからだそうだ。

奇跡的に、瓦礫が上手く重なり空洞ができたので押し潰されることがなく・・・その後街にやってきた他のものに救助されたそうだ。

本人が見ていたわけではないが、状況と時間的に考えて間違いないだろうとされている。

衰弱しきっていて、後にこの兵士は病院で死亡したそうだが・・。



この話の流れが間違いないのであれば、逃げたトレーラーを必ず追うだろう。


【それをわかったうえでトレーラーを街に向かわせたということは・・・やるつもりか?】

「分の悪い賭けとは思っている。けど・・・やるしかないとも思う」

正直って、僕が尻ぬぐいをする理由はない。討伐報酬は無効にしてるんだし、命かける必要なんてない。

一緒に街に向かってしまえばよかっただろう。

「その場合は、下手したら追い付かれて一緒くたに襲われるだろうね」


【では、なぜこの場で討伐しようと思ったのかね?我が騎士は】

その質問に、剣を磨きながら答える。


「尻ぬぐいする理由はないけど、神狼は放置しておくと被害が拡大するだけだ。

それこそすぐに旅立ってしまえば、少なくとも僕たちは襲われる心配はない。

けど・・・それが僕の思い描く『騎士の行動』なのかと言えば真逆だ。

ならば、利用できる環境がある今、ヤツを仕留める。全員先に逃がしたのは・・・純粋に『神衣』を見せたくなかっただけ」


【なるほどな。確かに、状況的に見ても一理ある。そして、その行動は私も同意しよう。それで、利用できる環境とは?】

「村の人たちには悪いけど・・・残されたバウンサーの荷物を村の家に分散させてきた。ある程度それで時間稼ぎと油断を誘えると思う」

【どれくらい油断を誘えるかは不明だがな。それで?】

「一番大きい家なら、壁壊して中に身を隠せる。あいつがすぐそばの家を破壊しようと腕を振るった直後・・・一気に勝負をかける」

【なるほど。全力をもって一突きを脳天に叩き込むわけだな】

そう。生物なら確実にある弱点、脳を直接攻撃する。

心臓を狙うことも考えれるが、脳に比べてそこそこの距離がある。

脳なら眉間に突き刺せばほぼ確実に脳に到達できると予想できる。

なので、家を破壊した直後に一気に飛び出して剣を突き刺す。


これで失敗したら・・・こちらがお陀仏だね。


【先に言っておく。神衣の力を起動するのはヤツに飛びかかった直後だ。起動してから飛びつこうとするとタイムラグが発生して作戦の成功率が下がる】

「了解。それは僕も思ってたから問題ない」

【もう1点。恐らく、その剣はこの一撃で寿命となるだろう。別れになるだろうから、よく磨いておいてあげてほしい】

「了解。念入りに磨いておくよ」


【そして最重要。恐らく現在の状態を思うと・・・今後、神衣の力を使えるのは1度だけになる】

「それは痛いね。・・・けど相手が相手だし仕方がない」

そいう言いつつ、アースを見上げる。


「・・・けれど、約束は必ず果たす。だから、生き残るために力を貸してほしい」

【当然だ、我が騎士よ。君が望んだこと、君が人々の剣となることを選んだ選択の果てだ。全力で力を振るおう】



翌日、ごめんと思いながら家の壁を破壊。中にアースを待機させる。

こちらは、風下にならない位置から森の監視。動きがあればすぐに行動できるように待機の日々だ。


そうして待つこと2日後・・・巨大な足音が響いてくる。



そんな走るの速い設定にしてるのに、やってくるまでに時間的猶予があった理由。


どうしようかと思ってましたが、この後の話でちょうどいい理由があったので採用。


まあ、お食事していたのが連れの小型種がメインだったことと、戦闘の余波で別の匂いが混じって嗅ぎ分けるのが少し面倒だったという理由も存在しております。


ちなみに、報復行動に小型種や中型種はついてきません。理由は、走る速度の違いが出過ぎるから。

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