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Connected Stories ~繋がる物語~  作者: requto
第4章 魔獣・神狼
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閑話:湖の魔獣 後編

語り:


ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

とあるバウンサーより語られた内容

多くの地を旅し、魔獣の生態を調べてきた旅団

その旅団に所属していたからこその内容であった

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

「我々がこれまで調べてきた中に、確かに水の中に住む巨獣の存在は確認しております。

ただ、全て文献の中でのみ。実際目にしたことがあるのは大型魔獣に分類される1体だけ」

「つまり・・・今回も騒ぎになにか見落としでもあると?」

「わかりません。文献にはでているので存在は間違いないと思いますが・・・ほとんどの記載が海でのこと。それも比較的、海溝の深い場所とされてます。この湖もかなり深いので条件が合わないとは言えないのですが・・・面積が問題なのです」

「より詳しく」

「通常、水の中に住む魔物たちは同族意識がほとんどありません。同じ種類ではありますが、似たような姿をしているだけでは捕食者同士。つまり巨大化する前に相手により大きな相手に食べられるパターンが多いそうです。この湖は確かに大きいですけど・・・そんな巨獣化するほど大量の餌があるのかどうかという問題が。それにもしいるとしたら、漁をすることすらできないのではないかなと」

「なるほど・・・ただ、巨獣化していればそれは『その地の頂点』に立った存在という認識になりそうだ。となると『陸にいる巨獣』より厄介極まりない存在になってると思うしかないようだな」

団長が腕を組んでうなる。他のメンバーも「勘弁してくれ」「今から辞退できんかな」といった意見があったり。


「まあ、本当に巨獣化しているなら厄介極まりないでしょう。なので作戦の補足を加えるとすれば

『こちらに突っ込んできたときに速やかに後退。相手をできるだけ陸にあげてしまう』という戦法をとれれば一番かなと」

「なるほど!・・・副団長!明日の討伐メンバーに入っていないもので動ける者たちに、各トレーラーにある魔物捕獲用の銛や網をありったけ用意するように頼んできてくれ!」

「了解です!」

「それなら、うちのメンバーにはこっちから言いに行こう!そばにいる奴らにも言ってなるべく指示が早く回るように」

「それなら、こちらもだ。すぐに指示を出しに行く!」

そう言いながら、多くのバウンサーが行動を開始。結果として夜が明ける前に準備が完了したのであった。




そして、当日の朝。


多くのバウンサーが見守る中、船はゆっくりと流れ動いていた。

「さて・・・いつ頃でてくるか」

そんなことを考えながら眺めている団長の隣で、そろそろかと副団長が指示を出し始める。

初手の攻撃隊はメイルに搭乗し待機。交代部隊もこの時点でメイルに搭乗を始める者たちがいた。

その後ろでは、捕獲用銛や網を投げぶつけるために準備されたメイル部隊が点検を行っていた。


その時、湖を警戒していた監視員から声が上がる。

「・・・湖に巨大な黒い影を発見!!」

ついに来たかと、団長がうなづく。

「警戒を怠るな。そのまま監視。次の動きがあれば報告を」

「黒い影は徐々に大きく・・・っ!黒い影に2つの灯り!これがもし眼だとすれば・・・巨獣クラスで間違いありません!!」

「っ!」

全員に緊迫がはしる。果たして、この人数で討伐できるのか・・・と。


どの話を聞きながら、しかし1人だけ冷静な人物がいた。件の男である。

「・・・監視員の方。影はどんな形ですか?」

「え?・・・えーと・・・楕円形といいますか。そんな形で中央あたりに眼があるようです!」

「・・・おかしい」

彼はしきりに首をかしげていた。

「・・・おかしいというのはどういうわけであるかな?」

団長がよくわからんという顔で聞く。

彼は、多くの魔獣の特徴を見てきた。それ故にわかることがあった。

「記憶にある水に住む魔獣の顔を思い出しているのですが・・・そんな顔の魔獣は聞いたことがない」

「新種・・・ということか?」

「なんとも。文献にもいたような記憶がないんですよね。ただ・・・その形になにかが・・・」

「報告!船が黒い影の真上に!」

「話はあとですね。まずは先制攻撃を!」

そう言って男は素早くメイルに乗り込む。

団長も「水しぶきが上がったらすぐに攻撃しろ!」と指示をだしてメイルに搭乗。


そして、吹き上がる水しぶき。吹き飛ばされる船の残骸。

一斉に放たれる魔銃の弾丸が目標に到達。


ドンッ!という音が複数回響く。その音に合わせて、水しぶきの中のみ灯りが上下に動く。

それを見ていた監視員から、驚愕の報告が上がる。

「な・・・なんだありゃ!横に眼があると思えば上にも眼があるぞ!?」

「なにぃぃぃぃっ!?」

全員から驚愕の声が上がる中、1人だけため息をついている人物がいた。

「あー・・・そういうことか」

「おお!なにか思い出されたか!?あの奇妙な魔獣について」


「ええ・・・あれは魔獣ではありません」

「「「はい?」」」

その言葉を受けて全員の視線が湖に向かう。水しぶきはすでになく・・・湖面には船の残骸と、巨大な塊が浮いていた。

それには、2つの丸い「窓」がついており、その先で複数の男が動いていた。

「・・・あれは」


「この湖、思い出してみると対岸は別の国の領土でした。そちらの国では、水の中を進める魔動機の製造が進められていたとか。多分、あれがそれでしょう。この湖の利権を独占しようとする話が確かあったと思うので・・・試験を兼ねてこちら側の船を襲っていたのかと。恐らく、最初の二つの光は上昇するときに上を監視するためのもの。横は普通に、湖内の調査というか魚の観察とか?」


「・・・紛らわしい上に不届きな奴らめ。徹底的にぶちのめしてやる!」

そう言って青筋をたてた団長が、長距離部隊にありったけの弾丸撃ち込んでやれと指示を出そうとしたその時だった。


「だ・・・団長!!その塊の下からさらに黒い影が!」

「なんだぁ?もう一機いたのかよ?」

「・・・いえ・・・絶対ちがいます・・・2つの光と一緒に上がってきてます。ゆらゆらと揺れながら・・・」

「不良品か?故障してるのかもしれんだろ」

団長が一緒にやってしまえと指示を出そうとした、その時であった。


すさまじい水しぶきがあがる。先ほどのとは比べるまでもない規模の。

件の魔動機が空高く飛ばされる。くるくると回転しながら空に舞い・・・そして落下してくる。


そして、一同が見守る中・・・水しぶきの中から「巨大な口」が姿を見せる。

「「「っっっ!!!?」」」

その口は、彼らが見つめる中・・・落ちてきた塊を嚙み潰した。

その時にはすでに、その姿の全容が見て取れた。

メイルのトレーラーですら一口で噛めるほどの巨大な口をもった、凶悪な顔をした蛇のような姿を。

それは・・・塊を嚙み潰してただの残骸にしたあと、彼らを一度見た後そのまま湖の中に帰っていった。


「・・・質問。あれは、なんでしょう?」

団長が半ば放心した顔で質問する。

「多分・・・本物の『水の中に住む巨獣』ではないかと」

同じく放心した顔で、彼は答えた。



こうして、湖に住む魔獣討伐依頼は


1つの国の暗躍が挫折したことと


本当にこの湖には巨大な魔獣が生息している事実の発覚によって終わりを迎えた。



バウンサー達の多大な無駄な準備とそれの撤去時間を置き土産に・・・


湖に潜伏していた魔動機


現代でいうなら「小型潜水艇」。上昇するときに二つの光灯してたら「魔獣の目」と錯覚を与えれるのではないかという理由で上面にも窓を設置。サイズは「メイル1機と数日分の食糧乗せれる」くらい。作者想像では「だいたい貨物運搬車くらい」と思ってる。メイルは載せないのでその分、人と食料を乗せれるようになっている。これを3機製造しており、交代で運用していた模様。



湖の巨獣(海蛇が巨大進化した姿)


魚や他の生物を捕食して成長した部分もあるが、一番の理由は「長い年月、湖の微生物を食べ続けて」成長した。それこそ人の歴史がどれくらい前からあるのかを議論するレベルで長い年月。大型魔獣サイズを超えても成長が止まることなく、ただ底でほとんど動かずに「喰っちゃ寝」生活を送っていたのでそこまで成長できた。

静かに寝ていたいだけなのに、最近上から人の作った物の破片が落ちてきて鬱陶しかったので上に向かったらなんかいたから「とりあえず噛み潰した」。

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