閑話:久しぶりに来た地にて
語り:トロア
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この地には依頼でよくきていた。
それ以上に、この地の有力者の1人につながりができ
故意にしてもらってたのもあるが
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前方に魔獣を発見。
四足歩行の魔獣。
ぶっちゃけ巨大化したオオカミなんだが。
けど、群れで相手したことある奴が1匹できても脅威なんて感じない。
俺は、仲間と一緒だったとはいえ群れで相手にしたこともある。
気負う必要などなかった。
隠れていた林から一気に飛びだす。
飛び出したのは8メートルサイズの巨人、「メイル」だが。
俺のメイルは特に突出した能力も与えられていない、バウンサーの収入なら購入できるくらいの一般支給品型である。突出した能力はないが、安定した性能でどの属性魔銃との相性も平均的に使えるからバウンサーの間では広く使われているモデルだ。
そのメイルで、勢いよく蹴りだし飛び出す。
そして、全部モニターに映る魔獣が気づいてこちらを向くが、遅い!
その時すでに一発目の魔銃を撃っている。
久しぶりにかっこつけたからか・・・左前脚にあたった。
しかも、地面に着弾した魔弾の炸裂がケガを負わせたくらい。
「団長に見られてたら、キツイげんこつ喰らってたな・・・」
そんなことをぼやきつつ着地、そのまますぐに魔獣を正面に。
怒り狂ったのか、元々の思考がそうなのか、なにも考えずに一直線に向かってくる。
足のケガは見た目より酷いのか、少し速度が遅く感じられる。
問題ない。
冷静に、魔銃を撃つ。
バスンッ!
大きな音を立てて、頭部を吹っ飛ばして倒れる。討伐完了。
魔銃を見ても、魔力をほとんど消費しなかった。まあ、相手が相手だしなぁ。
「・・・しかし、受付で聞いてたような状況なんだな」
この依頼を受ける前、バウンサー組合で聞いた話を思い出した。
『昔は全然魔獣被害がなかったのに・・・小規模とはいえ被害が出てるのかよ』
『ああ。数年前に領主が変わってな。前領主は定期的な魔獣討伐を行ってたんだが、全く行わないんだそいつ』
聞けば、自分の私欲を満たすのに躍起になってるような男が新領主らしい。
調査させたところ、そいつ他の領地も抱えてるんだが、そっちだと魔獣被害で村が壊滅したことも何度もあるとか。
被害報告受けて部隊を派遣した時にはすでに手遅れだったって報告あがってるらしいが胡散臭いだと。
『まあ、現在の所人里近くで確認されてるのはこいつだけだから・・・まあ、あんたには全く問題ないだろうぜ』
『そりゃ、群れで相手したことある奴が1匹できても脅威にすらならんが・・・には?』
うん?その感じだと、ほかにバウンサーがいるのかここ?
『ああ。最近、別の依頼を受けてるバウンサーがこの街に滞在してるんだが・・・。なんか他の町で受けた依頼に関係することの延長線上に関わることだって言って情報提供を依頼されてな』
『ふーん。・・・で?』
『あまりに、胡散臭いから断ってやった。とりあえず「新人にいきなり情報やるかよ」って言って雑用やらせてる』
新人が依頼の裏とりながら調査してるのか。感じ的には有望そうな新人じゃないか。
依頼内容を聞いて不信感があったから、独自調査しようとしてるんじゃないのかと思うが。
『どの辺が胡散臭いんだ?』
『情報提供を求めてきた内容と登録されてるメイル。ちなみにそのメイルが魔獣討伐依頼ださない理由でもあるな』
『なんだそりゃ・・・』
『なんか、前領主のことについて聞きたいとな。主に住人にどう思われていたのか。それと、ある日から数えて1月くらい前までの行動情報』
『その、ある日というのは?』
『領主様が罪人として王都に連行されていった日だ』
・・・そういう理由なら恐らくそのまま、ってことか。
『罪人なのか?前の領主様は』
『・・・ここの住人で、あの人をそんな風に思ってるやつなんて1人もいないぜ・・・』
・・・ふむ。受付のおっさんから怒気がきた。禁句なのか。
『なんでそれを知りたがってるかについてはわからんが・・・登録されてる胡散臭いメイルってのは?』
過去に紛失届でもあったのか?そのメイル。
『武器の登録が魔銃じゃなくて「剣」なんだ』
・・・ふむ・・・
めちゃくちゃ覚えがあるぞ、そのメイル。
しかし、そんな奇妙なメイルを持ってる奴・・・
世界は広し、実は他にもいた・・・とか?
『すまん、そのバウンサーの名前を教えてくれ』
『うーん・・・まあ、あんたならいいか。経歴も信頼に値するものだし』
そう言って、おっさんは名簿を取り出した。
『えーと・・・ああ、こいつだ。名前はレクスだな』
・・・どうやら、そんなメイルを持ってるのは1人しかいないようだな。
『すまんが、そいつは今なにか依頼をやってるのか?』
『え?・・・ああ。定期的にきてるんだが、今日は昼ごろに来る予定の日だが』
『この魔獣討伐、今から行ってくる。そうすれば昼ごろに戻ってこれるだろうからな。そいつが来たら待たせといてくれ』
『そりゃ・・・かまわないが。どうかしたのか、こいつ?』
『そいつは、本登録前の少しの期間「銀の双刃」で行動していた男だ。メイルに疑問を持つのも理解できるが、人としては問題などない奴だと保証するぜ』
『なっ?!まじかよ・・・?』
『まじ。なにしろ、道の途中で途方にくれてたのを発見したのは俺だからな』
『ぬぅ・・・それなら、あいつの求める情報を聞かせても問題ないのか?』
『おそらく問題ないだろう。俺も同席するから、依頼内容を聞ける範囲で聞けば納得もいくかもしれないぜ』
『わかった。来たら待たせとく』
・・・と、物思いにふけってて思い出した。あいつが来てるかもしれないんだった。
さっさと戻らないとな。
果たしてどんな依頼を受けてるのか・・・場合によっては協力してやるかな?
結構な頻度で入れるかもしれない閑話。
一応、物語の主人公のいない場所での会話がメインの回となります。
入れすぎだろ、と思われるかもしれないくらい入れるかもしれません。