第五十四話:予想通りなので勝手にします
語り:レクス
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こちらの経歴やメイルのことを知ると
おそらくこういう反応されると思っていた
なので、組合に許可もらっておいたパターンでいきます
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「おいおい・・・応援が一名来るとは聞いてたが、俺たちに子守をしながら魔獣討伐をしろっていうのか?」
そう言って合流場所の村にある宿屋であった、参加者のおっさんが酒飲みながら睨んでくる。
名前はラング。おっさん。それなりに魔獣討伐依頼をこなしている猛者らしい。この中では。
「最悪~。まったく・・・報酬が高いから受けたのに、これじゃ達成するなって言ってるようなもんじゃないの?」
そう言って見下すような視線を向けてくるおばさん。
バレンシア。おばさんでいいわ。そこまで年上じゃなさそうだけど、厚化粧の濃いおばさんって認識にしかならん。
「そう言うな。この年齢でバウンサーの道を進むしかなかったんだ・・・生活の苦しいところなんだろうぜ」
デリオ。こちらを擁護するような発言をしているが・・・目が物語っている。見下している眼ではない。
こいつは・・・旗色悪くなったら他人を身代わりにして逃げるタイプだと思う。
「まあ、逃げるときの盾くらいに思って連れてけばいいんじゃないの?」
堂々と盾にするというスルアという女。これまでもやったことあるんじゃない・・・?
「堂々と言うのもどうかと思うぜ?じゃないといざという時に逃げられるだろうが」
そう言ってニヤリと聞こえてきそうな顔を向けてくるもう一人のおっさん、ザム。
「やれやれ・・・確かに聞くと危険な依頼と思うが、それでも1人でも多いほうがいいと駆けつけてくれたのではないか。危機的状況にでもならない限りは、フォローしながら経験を積ませてやるのも一興かと思がな」
おっさんらより少し年上、初老といった感じのウォート。この人のほうが経験値高そうなのだが・・・この人は残念ながらトレーラー担当である。
「そうですね。それを行うのも、年長者として、バウンサーの先輩としての行動ではないかと思いますよ」
そのウォートさんと一緒に活動しているメイル乗りのミストさん。さきのおばさんより年上に見えるけど、頼りになりそうなお姉さんって感じ。
「けっ。俺は子守担当になる気はねーよ。そう言うならお前らが面倒みてやれ」
そう言って、あからさまに不満そうな顔をしてこちらを見てくるラングおっさん。
「そういえば、他の連中は?そいつらは子守ができることに文句はないの?」
バレンシアおばさんが面白くなさそうにぼやいている。
「ダンとアーネか?あいつらは誰が来ても興味がないって言ってたぜ。だからこの場にもきてないだろ?勝手にするってよ」
「ふーん・・・なら私もそうしよかな?他の奴見殺しにして逃げようとする奴がいっぱいいそうだし」
・・・ほとんどソロ活動者を集めると、こうなるかなとは思ってたけど。
予想以上にひどい。好感持てそうな人が2人、ペア活動してた方々だけとはね。
これは・・・先に組合に言って許可もらっといてよかった。
そう思って、僕は協会からの依頼表を机の上にだした。
「なんだ?今更そんなもん見せられても・・・って」
「あら?こんな許可もらってきてたんだ・・・身の程わきまえてるじゃん」
デリオとバレンシアがそれを見て笑顔を見せる。正直言ってみたくもない笑顔だ。
「ちぇ・・・盾役のがした」
「だから、堂々と言うなっての・・・まあ、同意見だけどよ」
スルアとザムが面白くないって顔をしている。こっちのほうが面白くない。
「まあ・・・子守する必要がなくなったのは俺的にはありがたいが、お前はいいのか?これで」
「そうだね。これは・・・わしもどうかと思うが」
ラングが一応確認し、ウォートさんが少し心配するような雰囲気をだす。
その依頼表には、受注者の要望を受理したという組合長のハンコが押されている。
そして僕のだした要望は
「森近辺においての小型魔獣討伐依頼とそれによる大型魔獣の脅威度調査。代わりに成功報酬は無しとする」である。
ソロ活動してた連中。事前に渡された過去の依頼達成率と損害報告書。
それらを可能な限りで事前に見せてもらえた。その結果たどり着いた答えがこれである。
多分、全員一丸となって依頼達成に向けてがんばろう!って雰囲気には絶対ならないと言えた。
森から出てくる魔獣からもある程度は推測できる部分がある。
魔獣は、同族や似たような種族は絶対襲わない。狼型と推定されているので、森から逃げてくる魔獣は犬系のもの以外となるだろう。
なのでそれらの討伐と合わせて、傾向を調べることで魔獣の種別特定を依頼の任務としたのであった。
5000ゼルはおしいけど・・・こいつらと一緒だと絶対もらえないだろうと思えたからこその要望提出である。
翌日、滅んだ村と交流があった村に拠点を移動するため移動した。そこからが森に一番近いのである。
その時の合流した残りの2人だが、事前情報通りこちらのことをまったく興味なさそうに見ていただけだった。
行動に関しても何も言わない。無関心といったところだな。
「・・・しかし、そんなメイルで大丈夫なのかよ?小型魔獣にすらやられるんじゃねーの?」
「ほんとほんと。依頼達成してましたってことでこの依頼受けれただろうけど・・・本当かどうか怪しいわ」
案の定、僕のメイルを見るなり見下し発言をしてくるデリオとバレンシア。
逆によく今まで、依頼人ともめなかったなと言ってやりたくなるよ。
「まあ昨晩話し合った通り、わしは彼に同行するよ。なにしろ森にはトレーラーは入れないからね」
そう。一応こちらの調査も有益な情報になるかもしれないとウォートさんが協力すると言ってくれたのである。
トレーラー担当の彼も森に入れないからどうしようかと思っていたのでちょうどいいとのこと。
「まあ、しっかり子守をしとくんだな。そんな調査無意味だったって感じに俺たちがさっさと大型魔獣討伐してやるからよ」
そう言って、運転する必要がないからって朝から酒飲んでるラングおっさん。
はあ・・・「大型」と「巨大」の表記の違いもわかってないようだな、こいつは。
できれば、ミストさんだけは逃げ延びて来てほしいなぁ・・・ウォートさんが悲しむ。
こういう、あからさまな上から目線ってキャラは作者は嫌いです。
そんなキャラにも「何かしらの信念」みたいなものがついてるなら話は別ですが。
なので、今回の話に都合が良さそうなので登場してもらいました。




